GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 25154-52-3
名称 ノニルフェノール
物質ID H28-B-063, C-142B
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度    
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-

-
- -   引火点141℃ (密閉式) (GESTIS (Access on November 2016)) に基づいて区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-

-
- -   発火点370℃ (GESTIS (Access on November 2016)) であり、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- -   金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4

警告
H302 P264
P270
P301+P312
P330
P501
  ラットのLD50値として、1,200〜2,400 mg/kg (雄、EU-RAR (2002))、1,600〜1,900 mg/kg (雌、EU-RAR (2002))、1,300〜2,462 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2005)、SIAP (2001)) との3件の報告があり、それぞれ区分4〜区分外、区分4、区分4〜区分外に該当する。
  これらに基づき、有害性の高い区分を採用し、区分4とした。
   なお、旧分類で用いていたCERIハザードデータ集 (1998) は、List 3の文献であるため、分類には使用しなかった。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-

-
- -   ウサギのLD50値として、2,031 mg/kg (EU-RAR (2002))、> 2,000 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2005)) の報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
   なお、旧分類で用いていたCERIハザードデータ集 (1998) は、List 3の文献であるため、分類には使用しなかった。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1C

危険
H314 P260
P264
P280
P301+P330+P331
P303+P361+P353
P363
P304+P340
P310
P321
P305+P351+P338
P405
P501
  ウサギの皮膚刺激性試験 (OECD TG 404の3試験、詳細不明な1試験) において、4時間適用で全層壊死、潰瘍形成などの腐食性を示唆する変化が認められ、また、その内の2試験では3分から1時間適用群が設けられ、軽度から重度の刺激性がみられたが、腐食性を示唆する壊死等は認められなかったと報告されている (NITE初期リスク評価書 (2005)、EU-RAR (2002))。
  その他、ウサギの皮膚刺激性試験 (OECD TG 404の2試験、詳細不明な1試験) においても、中等度〜重度の刺激性が認められたとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2005)、EU-RAR (2002)、CEPA (2001))。
  以上の結果から、本物質は腐食性を有すると考えられ、3分から1時間の適用で腐食性は認められなかったことから、区分1Cとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1

危険
H318 P280
P305+P351+P338
P310
  ウサギの眼刺激性試験 (OECD TG 405) において、結膜発赤 (スコア3)、角膜混濁 (スコア3又は4) がみられ、重度の刺激性が報告されている (EU-RAR (2002))。
  その他、ウサギの眼刺激性試験において、詳細は不明であるが中等度〜重度の刺激性が認められたと報告されている (NITE初期リスク評価書 (2005)、CEPA (2001))。
  よって、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分外
-

-
- -   モルモットを用いた皮膚感作性試験 (OECD TG 406を含むマキシマイゼーション法、3試験) において、本物質に皮膚感作性は認められなかった (NITE初期リスク評価書 (2005)、EU-RAR (2002)、SIAP (2001))。
  その他、モルモットの皮膚感作性試験においても、試験の詳細は不明であるが陰性であるとの記述がある (NITE初期リスク評価書 (2005)) ことから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。
  すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いる小核試験で陰性 (EU-RAR (2002))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験で陰性である (NITE初期リスク評価書 (2005)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2016)、EU-RAR (2002))。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分2

警告
H361 P201
P202
P280
P308+P313
P405
P501
  ラットを用いた混餌投与による3世代試験において、F0〜F2親動物に一般毒性影響 (体重増加抑制、腎臓相対重量減少、腎尿細管の変性) がみられる用量 (50〜160 mg/kg/day) で、F1〜F3児動物に膣開口の早期化、子宮重量増加、卵巣重量減少、性周期の延長 (F1、F2)、精巣上体精子濃度の低下、精巣精子細胞の減少がみられた (EU-RAR (2002))。
  また、ラット2世代試験でもF0、F1親動物に腎臓及び肝臓重量増加 (雄)、卵巣重量減少 (雌) がみられる用量 (50 mg/kg/day) で、F1児動物の生存率低下、膣開口の早期化、着床数の減少及びF2生存児数の減少がみられた (NITE初期リスク評価書 (2005)、環境省リスク評価書第2巻 (2003))。
  以上、ラットを用いた2世代及び3世代試験において、概ね親動物に一般毒性影響のみられる用量で、児動物に性機能・生殖器官への影響や生存率低下など次世代への影響がみられており、本項は区分2が妥当と考えられた。
  なお、EUは本物質をRepr. 2 に分類している (ECHA C&L Inventory (Access on October 2016))。
  なお、旧分類では3世代生殖試験で親動物毒性のない用量で児動物への影響がみられたため区分1Bとされたが、今回、異なる情報源で調べた結果、ラット3世代試験では親動物毒性がある用量で児動物への影響がみられていることを確認したため、区分を変更した。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)

警告
H335
H336
P261
P271
P304+P340
P312
P403+P233
P405
P501
  ヒトでは本物質が呼吸器系に対して刺激性を示すとの記載 (NITE初期リスク評価書 (2005)) 及び本物質の高濃度の蒸気へのばく露で眼と呼吸器系に軽微な痛みを生じるとの記載 (HSDB (Access on October 2016)) がある。
  実験動物ではマウスの単回吸入ばく露試験で、高濃度の本物質が気道刺激性を示したとの報告がある (EU-RAR (2002))。
  以上より区分3 (気道刺激性) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓、膀胱)

警告
H373 P260
P314
P501
  ヒトに関する情報はない。
   実験動物については、ラットを用いた強制経口投与による28日間反復投与毒性試験において、区分2相当の250 mg/kg/day (90日間換算値:77.8 mg/kg/day) で肝臓重量増加、小葉中心性肝細胞肥大、腎臓の重量増加、腎臓の皮髄境界部の近位尿細管の好塩基性化と単細胞壊死、間質の細胞浸潤及び円柱、集合管の好塩基性化と拡張、腎盂粘膜の単純性過形成と腎盂拡張、膀胱の移行上皮の単純性過形成がみられた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2016)、NITE初期リスク評価書 (2005)、環境省リスク評価第2巻 (2003))。
  肝臓については肝細胞肥大のみであったため標的臓器にしなかった。
   したがって、区分2 (腎臓、膀胱) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1

警告
H400 P273
P391
P501
  甲殻類(ヨコエビ)の96時間EC50=0.0207 mg/L (EU-RAR, 2002、NITE初期リスク評価書, 2005、SIAP (Conclusions Agreed in SIAM 12, 2001))であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1

警告
H410 P273
P391
P501
  急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1976))、甲殻類(ミシッドシュリンプ)の28日間NOEC(成長) = 0.0039 mg/L(CEPA, 2001、EU-RAR, 2002、NITE初期リスク評価書, 2005、SIAP (Conclusions Agreed in SIAM 12, 2001))から、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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