GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 53-19-0
名称 1,1-ジクロロ-2-(2-クロロフェニル)-2-(4-クロロフェニル)エタン (別名:o,p'-DDD、ミトタン)
物質ID H29-A-010
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- -    融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
   
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- -    データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性である (NTP DB (Access on August 2017))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    本物質 (o,p'-DDD: o,p'-DDT (CAS番号 789-02-6) の代謝物) については試験データがなく、データ不足のため分類できない。なお、本物質の異性体であるp,p'-DDD (CAS番号 72-54-8、p,p'-DDT (CAS番号 50-29-3) の代謝物) に関しては、EPAが実験動物で腫瘍発生頻度の増加 (ラットで甲状腺腫瘍、マウスで肺及び肝臓腫瘍) が認められ発がん性の十分な証拠があり、かつp,p'-DDTの代謝物であることを根拠にB2 (Probable human carcinogen) に分類している (IRIS (1988)) ことから、区分1B相当である。
   
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- -    ヒトの生殖影響に関する情報はない。実験動物では、妊娠雌ラットに対し妊娠15~19日に本物質28 mg/kg/dayを強制経口投与した試験において、出生児に膣開口の遅延がみられたが、その他に異常はみられなかった (ATSDR (2002))。したがって、軽微な発達影響のみで分類根拠とすべきでないと判断した。この他、本物質の生殖発生影響に関するデータはなく、データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)、区分3(麻酔作用)



危険
警告
H370
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
   本物質 (別名: ミトタン) は副腎皮質ホルモン合成阻害剤であり、副腎がん、クッシング症候群の治療に用いられる医薬品である。投与回数等の詳細は不明であるが、副作用としてめまい、嗜眠が1~10%未満の頻度で現れることがあるとの記載がある (医療用医薬品集2017 (2016))。したがって、区分1 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。なお、医薬品の添付文書 (2017年7月改訂) には、過剰投与により中枢神経系症状があらわれることがあるとの記載がある。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系、肝臓、消化管、腎臓、副腎)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
   本物質は副腎皮質ホルモン合成阻害剤であり、副腎がん、クッシング症候群の治療に用いられる医薬品である (医療用医薬品集2017 (2016))。
   482例の調査において副作用は329例 (68.26%) で、副作用発現件数は796件であり、その主なものとして食欲不振 (18.46%)、嘔気 (10.58%)、γ-GT上昇 (10.58%)、血清コレステロール上昇 (10.37%)、AST上昇 (8.51%)、ALT上昇 (7.88%)、肝機能障害 (6.43%) の頻度が高いとの報告があった (医療用医薬品集2017 (2016))。また、長期大量投与により脳の機能障害を起こすことがあること、副腎不全があることが記載されており、重大な副作用として副腎不全、胃潰瘍、胃腸出血、紅皮症、痴呆 、妄想、低血糖、腎障害 (尿細管障害)、肝機能障害、黄疸が現れることがあるとの報告がある (医療用医薬品集2017 (2016))。また、このほか、HSDB (Access on August 2017) には、まれに目のかすみ、複視、水晶体混濁、中毒性網膜症、中毒性網膜症に関連する視神経炎、乳頭浮腫および網膜出血がみられたとの報告がある。この眼の所見については、List 2の情報源であり、まれな副作用であることから採用しなかった。
   以上から、重篤度、発生頻度等を考慮して、区分1 (中枢神経系、肝臓、消化管、腎臓、副腎) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
-
-
- -    データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
-
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- -    データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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