項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 302-22-7 |
名称 | 酢酸クロロマジノン |
物質ID | H29-A-015 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素を含まず、酸素及び塩素を含む有機化合物であるが、これらが炭素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、6,400 mg/kg (HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験、ラット肝臓を用いた小核試験で陽性の報告がある (HSDB (Access on August 2017)、EMEA/MRL/649/99 (2000))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性 (EMEA/MRL/649/99 (2000))、ヒトの培養リンパ球を用いた染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性の報告がある (HSDB (Access on August 2017))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
ヒトでの本物質単独投与による発がん性に関する報告はない (IARC 21 (1979)、IARC Suppl. 7 (1984)、EMEA/MRL/649/99 (2000))。実験動物ではラット及びマウス (乳腺腫瘍ウイルス陰性) に本物質を臨床用量の最大200~400倍量 (2~4 mg/kg/day) をラットに104週間、マウスに80週間混餌投与した試験において、腫瘍発生頻度の増加はみられなかった (IARC 21 (1979)、EMEA/MRL/649/99 (2000))。また、乳腺腫瘍ウイルス陽性 (MTV+) マウスに0.6~0.8 mg/day を混餌投与した試験では、雌で乳腺腫瘍発生時期の遅延が示された (IARC 21 (1979)、EMEA/MRL/649/99 (2000))。以上、ラット、マウスでは本物質投与による発がん性は示されなかった。しかし、イヌに本物質0.25 mg/kg/day (臨床用量の25倍) を104週間投与した結果、雌では6/20例の乳腺に小結節が認められ、対照群でも4例に同様の乳腺小結節がみられたが、対照群のそれは組織学的に乳腺組織の異常増殖でないことが確認されている。投与群では他の1例にやや大きい結節がみられ、組織学的に良性腫瘍と確認された (IARC 21 (1979)、EMEA/MRL/649/99 (2000))。また、雌イヌ14匹に本物質を投与し、4年後に乳腺部位に出現した22箇所の結節について組織学的に検索した結果、うち12箇所が結節性過形成、4箇所が良性の混合腫瘍、1箇所が腺がんであり、残りの5箇所は乳腺組織を含んでいなかった (IARC 21 (1979)、EMEA/MRL/649/99 (2000))。IARCは動物 (イヌ) では発がん性の限定的な証拠があると結論した (IARC 21 (1979)、IARC Suppl. 7 (1984)) が、本物質の発がん分類は行っていない (IARC Suppl. 7 (1984))。 以上、実験動物ではイヌで限定的な証拠とされただけで、その他の動物種では発がん性の明らかな証拠はない。また、既存分類結果もないため、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1A |
危険 |
H360 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
本物質は前立腺肥大症、前立腺癌の治療薬として用いられ、副作用としてインポテンス、女性型乳房などの報告がある (医療用医薬品集2017 (2016))。実験動物では妊娠マウスに強制経口投与 (1~50 mg/kg/day、妊娠8~15日、又は妊娠14~17日) した結果、口蓋裂など奇形がみられ、10 mg/kg/day以上では胎児死亡、胚/胎児吸収が高頻度に発生したとの報告、妊娠ウサギに投与 (1~10 mg/kg/day、妊娠8~20日) した結果、10 mg/kg/dayで胎児に奇形発生、死亡が高頻度にみられたとの報告、ブタに14~18日間、イヌに21日間、本物質の高用量 (ブタ: 60 mg/頭、イヌ: 1 mg/匹) を投与した結果、両種の雌雄ともに可逆性のリビドー低下を示したとの報告、雌ウシに最長3ヵ月間、最大で臨床用量の8倍を投与した結果、用量依存的な可逆性不妊がみられたとの報告がある (IARC 21 (1979)、EMEA/MRL/694/99 (2000))。 以上、ヒトでの副作用としてインポテンスが報告されており、実験動物でも催奇形性など生殖発生影響の報告があることから、区分1Aとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液凝固系、心血管系、肝臓、内分泌系) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
本物質は黄体ホルモン剤であり、無月経、月経周期異常、卵巣機能不全症、黄体機能不全による不妊症、前立腺肥大症、前立腺癌の治療に用いられる (医療用医薬品集2017 (2016))。 無月経等の治療では、19例中2例に副作用が認められたとの報告があり、前立腺肥大症の治療では25 mg錠で、6,809例中154例 (2.3%) に副作用が報告され、主なものはインポテンス (1.1%)、消化管障害 (0.4%)、肝臓・胆管系障害 (0.2%) 等、50 mg錠では調査症例3,607例中199例 (5.52%) で副作用が報告され、主なものはインポテンス (2.33%)、性欲減退 (0.69%)、貧血 (0.47%) 等、前立腺癌の治療では996例中84例 (8.4%) の副作用が報告され、主なものは女性型乳房 (3.0%)、肝臓・胆管系障害 (1.5%) 、浮腫 (1.3%) 等であった。また、重大な副作用 (頻度は0.1%未満あるいは頻度不明) として、うっ血性心不全 、血栓症、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、糖尿病等が現れることがあるとしている (医療用医薬品集2017 (2016))。 以上のうち、インポテンス、女性型乳房は内分泌系とした。また、消化管障害は胃部不快感等でありGHS分類の根拠としては不十分と判断した。したがって、区分1 (血液凝固系、心血管系、肝臓、内分泌系) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |