項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 7664-39-3 |
名称 | フッ化水素酸 |
物質ID | H29-B-006 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - |
ここで対象としたフッ化水素酸は液体 (水溶液) であり、液体の想定で分類を行った。なお、同じCAS番号で「フッ化水素 (無水物、事実上のガス)」の分類も参照のこと。 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (ICSC (J) (2016))。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (ICSC (J) (2016))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (ICSC (J) (2016))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない |
- |
- | - | 酸素を含まずハロゲン元素 (F) を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 多くの金属を侵す (ICSC (J) (2016)) との情報があるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
- |
- | - |
ここで対象としたフッ化水素酸は液体 (水溶液) であり、液体の想定で分類を行った。なお、同じCAS番号で「フッ化水素 (無水物、事実上のガス)」の分類も参照のこと。 データ不足のため分類できない。 健康有害性については、フッ化ナトリウム (CAS番号 7681-49-4) も参照のこと。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - |
水溶液であり、蒸気での吸入ばく露は考えにくいため分類対象外とした。旧分類から分類結果を変更した。 なお、フッ化水素 (無水物、事実上のガス) に関しては、ラットを用いた1時間の吸入ばく露試験のLC50値として、0.792 mg/L (967 ppm、4時間換算値: 484 ppm) (EU-RAR (2001))、1.069 mg/L (1,306 ppm、4時間換算値: 653 ppm) (EU-RAR (2001)、PATTY (6th, 2012))、1.138 mg/L (1,392 ppm、4時間換算値: 696 ppm) (EU-RAR (2001))、1.317 mg/L (1,610 ppm、4時間換算値: 805 ppm) (ATSDR (2003))、1.828 mg/L (2,233 ppm、4時間換算値: 1,117 ppm) (EU-RAR (2001))、1.909 mg/L (2,332 ppm、4時間換算値: 1,166 ppm) (EU-RAR (2001)) の6件の報告があり、うち1件が区分2に、5件が区分3に該当するが、件数の多い区分を採用して区分3と分類されている。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
本物質に接触すると、皮膚に強度 (severe) の刺激性又は腐食性がみられたとする記載 (PATTY (6th, 2012)、EU-RAR (2001)、ATSDR (2003)) や、本物質5%水溶液5 mLをウサギの皮膚に4時間適用した試験 (OECD TG 404に準拠) で、ばく露24時間後に、顕著な痂皮形成がみられ、14日以内に回復しなかったとの報告 (EU-RAR (2001)) から、区分1とした。なお、EU CLP分類においてSkin. Corr. 1A H314に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on May 2017))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
本物質に接触すると、眼に強度の刺激性を生じるとの記載 (PATTY (6th, 2012)、EU-RAR (2001)、ATSDR (2003)) から、区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、旧分類は本物質に職業的にばく露されたヒトにおいてアレルギー性皮膚炎がみられたとの報告 (CERIハザードデータ集 (2002)) を根拠としていたが、CERIハザードデータ集はList 3の情報であるため採用せず区分を見直した。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | フッ化水素酸によるin vivo試験 (マウスの優性致死試験、マウス精巣の相互転座試験、ラット骨髄細胞の染色体異常試験) の結果からは結論できない。フッ化ナトリウム (CAS番号 7681-49-4) による試験で評価が可能と記載しており、染色体異常は示さなかった。ただし、分裂後期の細胞で異常が見られているが、フッ素イオンはDNAと共有結合せず、付加体を形成しないため二次的な影響と考えられ、無機フッ化物はin vivoで染色体損傷を誘発しないと結論されている (以上、EU-RAR (2001))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (DFGOT (2014) (Access on May 2017)、EU-RAR (2001))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ACGIHはフッ化物に対しA4に (ACGIH (7th, 2001))、IARCはフッ化物 (inorganic, used in drinking water) に対しグループ3に分類している (IARC Suppl. 7 (1987)) ことから、分類できないとした。なお、本物質自体の試験データはないが、フッ化ナトリウム (CAS番号 7681-49-4) についてはラット及びマウスを用いた飲水投与試験と混餌投与試験の報告があり、雄ラットの飲水投与試験で骨肉腫の発生頻度のわずかな増加がみられ、発がん性の不確かな証拠とされた以外は、発がん性の証拠がない、又は試験系に不備があり結論を導けないと結論された (NTP TR393 (1990)、EU-RAR (2001))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
本物質自体の生殖毒性に関する情報はないが、生体内では遊離のフッ素イオンとして機能するため、フッ化物、特にフッ化ナトリウム (CAS番号 7681-49-4) の情報が利用可能と考えられる (EU-RAR (2001))。すなわち、フッ化ナトリウムのラットを用いた飲水投与による2世代試験、並びにラット又はウサギの飲水投与による発生毒性試験はいずれも無影響又は母動物毒性のある用量で分類根拠としない軽微な影響のみであった (EU-RAR (2001)、DFGOT (2014) (Access on May 2017)、ATSDR (2003))。 以上、フッ化ナトリウムでは経口経路で明らかな生殖発生毒性はみられておらず、データ不足で分類できない。本物質もフッ化ナトリウムと同様に、分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器、心血管系) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒトでは事故により本物質に経皮及び吸入ばく露した症例が3例報告されているが、いずれも手、顔などに重度の熱傷を生じ、呼吸不全、低カルシウム血症と不整脈を起こして24時間以内に死亡し、剖検の結果、肺水腫が認められた。(ATSDR (2003)、PATTY (6th, 2012))。低カルシウム血症はフッ素イオンがカルシウムと結合することによると考えられている (PATTY (6th, 2012))。以上より区分1 (呼吸器、心血管系) とした。旧分類ではヒトで膵臓の出血及び壊死が認められたとの情報 (CERIハザードデータ集 (2002)) に基づいて膵臓を標的臓器としていたが、CERIハザードデータ集はList 3の資料であり、また、ATSDR (2003) によると膵臓への影響が認められたのは誤飲の症例1例のみであったため、分類根拠としては不十分と考え、根拠としなかった。従って旧分類から分類結果を変更した。 なお、フッ化水素 (無水物、事実上のガス) に関する情報として、ラットの単回吸入ばく露試験で、上気道の損傷、呼吸困難、肺のうっ血、肺胞内浮腫が認められたとの報告がある (EU-RAR (2001))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、呼吸器、歯、骨) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトについては、本物質に関する情報はないが、ACGIH の「フッ化物」において、無機のフッ化物の職業ばく露によるフッ素沈着症に関連する骨の病変の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。 実験動物については、本物質に関する情報はないが、フッ化水素としての毒性で分類できると考えられる。フッ化水素については複数の情報がある。ラットを用いた91日間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分1のガイダンス値の範囲内である7.52 mg/m3 (ガイダンス値換算: 6.6 ppm) で死亡、脱毛、円背位、体重減少、不整咬合、分節核好中球数・血小板数増加、赤血球数減少、血糖・アルブミン・A/G比減少、カリウム・無機リン増加、腎臓・肝臓・肺・精巣・脾臓・脳・心臓・副腎相対重量増加等がみられ、ラットを用いた1ヵ月間吸入毒性試験 (6時間/日、毎日) において、区分1のガイダンス値の範囲内である1 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.4 ppm) で歯のエナメル質の障害、気管支粘膜の萎縮及び局所の浮腫、気管支周囲の肥厚、骨の骨髄腔の不整の報告がある (EU-RAR (2001))。また、ラットを用いた5ヵ月間吸入毒性試験 (連続ばく露) において、区分1のガイダンス値の範囲内である0.03 ppm (ガイダンス値換算: 0.12 ppm) 以上で中枢神経系の機能不全 (条件反射の低下、刺激後の運動神経反射が起こるまでの潜時の延長)、0.1 ppm (ガイダンス値換算: 0.4 ppm) で神経細胞シナプスの病理組織学的変化の報告がある (ATSDR (2003))。これらのデータに基づき、区分1 (神経系、呼吸器、歯、骨) とした。 なお、旧分類で主に用いていたCERIハザードデータ集 (2002) は、List 3の資料であるため使用しなかったことから分類結果が変更となった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 |
- |
H402 |
P273
P501 |
甲殻類(ヨコエビ)96時間EC50(遊泳阻害)= 73.3 mg/L[38.28 mgF/L 換算値](ECETOC TR91:2003)であることから、区分3とした。なお、分類にはフッ化ナトリウムのデータを使用した。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 水中での挙動は不明であるが、対水溶解度が自由混和であり、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC(繁殖)= 7.1 mg/L[3.7 mgF/L 換算値](NICNAS PEC:2001), EU RAR:2001)、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(速度法)=> 402 mg/L[210 mgF/L 換算値](環境省生態影響試験:2017)、魚類(メダカ)の28日間NOEC(初期生活段階試験)=>8.6 mg/L[NaF:9.9 mg/L 換算値](環境省生態影響試験:2017)であることから、区分外とした。なお、分類にはフッ化ナトリウムのデータを使用した。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |