GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 75-50-3
名称 トリメチルアミン
物質ID H29-B-008
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分1


危険
H220 P210
P377
P381
P403
   爆発限界 (2.0~11.6% (GESTIS (Access on June 2017)) から区分1とした。なお、国連危険物輸送勧告ではUN 1083、クラス2.1である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外
-
-
- -    国連危険物輸送勧告ではUN 1083、クラス2.1である。
5 高圧ガス 液化ガス


警告
H280 P410+P403    -50℃を超える温度で部分的に液体である。低圧液化ガス (臨界温度160.1℃ (Matheson (2001)))。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
   ラットのLD50値として、396.9 mg/kg (雄) (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017))、500 mg/kg (ACGIH (7th, 2013))、1,200 mg/kg (SIAP (2012)) との報告に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- -    ウサギのLD50値として、3,300 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、及びラットのLD50値として、> 5,000 mg/kg (SIAP (2012)) との報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
   ラットの4時間LC50値として、> 5.9 mg/L (> 2,441 ppm) (SIAP (2012))、7,910 ppm (PATTY (6th, 2012))、1時間LC50値として、19.1 mg/L (7,900 ppm、4時間換算値: 3,950 ppm) (SIAP (2012)) の報告に基づき、区分4とした。なお、旧分類時に用いたIUCLID (2000) のデータは入手できず詳細不明であるため、採用しなかった。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
   ヒトの皮膚に対して腐食性があるとの記載がある (ACGIH (7th, 2013)、環境省リスク評価第12巻 (2014))。また、ヒトの皮膚に数分間接触させた後、石鹸と水で洗浄しても点状出血がみられ、皮膚の軟化が1~2時間続き、2~3時間後には落屑が観察される (ACGIH (7th, 2013)) との記載がある。よって区分1Aとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
   皮膚腐食性/刺激性が区分1Aに分類されている。また、事故によるヒトの眼へのばく露によって角膜上皮の侵食が生じたが4~5日で回復したとの報告 (ACGIH (7th, 2013)、環境省リスク評価第12巻 (2014)) や、動物の眼への適用試験で結膜の出血、角膜の浮腫と白濁が観察されたが一過性であったとの報告 (ACGIH (7th, 2013)) がある。以上、総合的に判断して区分1とした。ガイダンスに従い、区分を変更した。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
   
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (環境省リスク評価第12巻 (2014)、食品安全委員会添加物評価書 (2010))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017)、環境省リスク評価第12巻 (2014)、ACGIH (7th, 2013)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on May 2017))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- -    ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物に死亡例 (雄2/13例、雌1/13例) が生じた 200 mg/kg/day まで生殖発生影響はみられなかった (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017)、環境省リスク評価第12巻 (2014))。しかし、本試験はスクリーニング試験のため、この結果のみで区分外とはできない。その他、妊娠マウスに腹腔内投与した複数の発生毒性試験において、母動物毒性発現量、又はそれ以下の用量で胎児体重の低値、出生児の体重増加抑制など軽微な影響がみられたとの報告 (環境省リスク評価第12巻 (2014))、並びに in vitro 胎児培養試験で胎児に発育阻害がみられたとの報告 (環境省リスク評価第12巻 (2014)) があるが、いずれも投与経路、試験条件などから分類に用いるには不十分な試験と考えられた。したがって、データ不足のため分類できないとした。
   
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系、呼吸器)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
   本物質のヒトでの単回ばく露の情報はない。実験動物ではラットの単回経口投与試験で、区分2範囲の820~1,310 mg/kg投与群では歩行失調、流涙、流涎、自発運動の停止を生じて約24時間以内に死亡し、それ以下の投与群では呼吸異常音 (ラッセル音)、腹部の膨満がみられたとの報告がある (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017))。また、ラット及びマウスの単回吸入試験において、主な症状は重度の不活発、血液様分泌物が乾燥した痂皮の形成を伴う鼻孔の腫脹、流涙、食欲減退、消耗、中枢神経系刺激、痙攣であり、致死量にばく露した動物の大半は数時間以内に死亡し、原因は中枢神経系の障害と考えられたとの報告がある (DFGOT (2014) (Access on May 2017))。症状がみられた用量の詳細な記載はないが、この試験においては、マウスの4時間LC50値は、4,200 ppmと報告されているため (DFGOT (2014) (Access on May 2017))、症状はLC50値付近の区分2範囲で認められたと考えられる。更に、本物質は感覚神経刺激性物質であり、マウスの吸入ばく露における感覚刺激のRD50値(平均呼吸数が半減する濃度)は61 ppmであるとの記述がある (ACGIH (7th, 2013))。以上の情報より、本物質は区分2相当の用量で中枢神経系と鼻腔に影響を示し、また気道刺激性を有すると考えられる。したがって区分2 (中枢神経系、呼吸器) とした。呼吸器を標的臓器としたため、ガイダンスに従って区分3 (気道刺激性) を除外した。したがって旧分類から分類結果が変更になった。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
   ヒトに関する情報はない。
   実験動物については、ラットを用いた2週間吸入毒性試験 (蒸気、6時間/日、5日/週) で、区分1のガイダンス値の範囲内である75 ppm (90日換算値: 0.02 mg/L) 以上で鼻腔及び鼻甲介の刺激 (鼻粘膜の充血やうっ血、浮腫、空胞化や組織崩壊、上皮の剥離を伴う変性や壊死、萎縮、再生像又は扁平上皮化生等)、250 ppm (90日換算値: 0.07 mg/L) 以上で赤血球数の増加、区分1のガイダンス値の範囲である750 ppm (90日換算値: 0.20 mg/L) で体重増加抑制、ばく露時の音刺激に対する反応の低下、ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値・血小板・好中球の増加、尿素窒素・タンパク質・クレアチニンの増加の報告がある (ACGIH (7th, 2013)、環境省リスク評価第12巻 (2014))。なお、経口経路では、ラットを用いた反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である200 mg/kg/day (90日換算値: 93 mg/kg/day) で前胃の炎症性細胞浸潤を伴う扁平上皮化生、粘膜下組織の水腫、肉芽形成、前胃のびらん・潰瘍・出血等がみられたとの報告がある (環境省リスク評価第12巻 (2014)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017))。
   以上のうち、音刺激に対する反応性の低下は一過性と考えられること、経口経路についてはみられた影響は刺激性に起因した消化器系への影響と考えられることから分類根拠としなかった。したがって、区分1 (呼吸器) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
   甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 28 mg/L(環境省生態影響試験:2017, 環境省環境リスク評価(第12巻):2014)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-
-
- -    急速分解性があり(良分解性、BODによる分解度:66%(化審法DB, 1980))、蓄積性がなく(BCF=3.2(環境省環境リスク評価(第12巻):2014))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC(繁殖阻害)= 8.0 mg/L、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(生長速度)= 56 mg/L (ともに環境省生態影響試験:2017, 環境省環境リスク評価(第12巻):2014)であることから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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