GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 101-72-4
名称 N‐イソプロピル‐N'‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン
物質ID H29-B-013
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成28年度   平成20年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- -    可燃性 (ICSC (J) (1999)) との記述があるが、データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- -    融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
   ラットのLD50値として、522 mg/kg (雄)、701 mg/kg (雌) (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017))、800 mg/kg、900 mg/kg (SIDS (2004)) との報告に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- -    ウサギの皮膚に5,010 mg/kg 及び7,940 mg/kgを適用した試験で死亡例なしとの報告 (SIDS (2004)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- -    ウサギを用いた試験で、刺激性がみられなかったとの報告 (SIDS (2004)) や、軽度の刺激性がみられたが24時間後には消失したとの報告 (DFGOT vol. 1 (2016) (Access on May 2017)) から、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
   ウサギを用いた試験で、24時間後に全例に結膜に発赤がみられたが48時間後には消失したとの報告 (SIDS (2004)) から、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
   
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
   モルモットを用いた皮膚感作性試験で、20匹中70%の動物に陽性反応がみられたとの報告 (SIDS (2004)) から、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験で陰性 (DFGOT (2013) (Access on May 2017))、in vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞を用いたマウスリンフォーマ試験、遺伝子突然変異試験で陰性、染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験で陽性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017)、DFGOT vol. 1 (2016) (Access on May 2017)、SIDS (2004))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- -    妊娠ラットの器官形成期に強制経口投与した発生毒性試験において、高用量 (125 mg/kg/day) 群では母動物に臨床症状がみられた以外に異常はなく、胎児には高用量群で頭蓋及び顔面の骨の骨化不全、舌骨の未骨化がみられたが、これらは分類根拠としない骨化遅延によるものとされた (SIDS (2004))。これ以外に発生毒性試験データはなく、生殖能・性機能への影響に関する情報もない。すなわち、データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(肝臓、腎臓、血液系)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
   本物質のヒトでの単回ばく露の情報はない。実験動物ではラットの単回経口投与試験において、区分2相当の455 mg/kg 以上投与群の生存例に肝臓では小葉中心性の肝細胞肥大、肝細胞の分裂像の増加、髄外造血が、腎臓では髄質に再生尿細管及びリンパ球浸潤が、脾臓では強度の髄外造血の増加が認められたとの報告がある。また、これらの動物では皮膚色蒼白が認められ、溶血性貧血が起きた可能性が示唆されると考察されている (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017))。以上より区分2 (肝臓、腎臓、血液系) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、血液系)、区分2(腎臓)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
   ヒトに関する情報はない。実験動物については、ラットを用いた強制経口投与による28日間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である30 mg/kg/day (90日換算値: 9.3 mg/kg/day) 以上で平均赤血球容積減少、骨髄細胞の顆粒球系骨髄球比率増加、肝臓の腫大、好酸性肝細胞肥大、小葉中間帯脂肪化、脾臓のヘモジデリン沈着等、区分2のガイダンス値の範囲内である100 mg/kg/day (90日換算値: 31.1 mg/kg/day) で体重減少/増加抑制、赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット値低下、網状赤血球比率・血小板数増加、リンパ球比率低下、好中球比率増加、肝細胞の単細胞壊死、脾臓の腫大、脾臓のヘモジデリン沈着・髄外造血増強、腎臓重量増加、腎臓の好塩基性尿細管の増強・ヘモジデリン沈着の報告がある (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017))。ラットを用いた混餌による90日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲である 500 ppm (雄: 43.8 mg/kg/day (90日換算値: 13.6 mg/kg/day)、雌: 48.1 mg/kg/day (90日換算値 : 15.0 mg/kg/day)) 以上で総タンパクの増加、肝臓相対重量増加、1,000 ppm (雄: 92.6 mg/kg/day (90日換算値 : 28.8 mg/kg/day)、雌: 92.8 mg/kg/day (90日換算値 : 28.9 mg/kg/day)) 以上で血小板増加、白血球増加、分節核好中球増加、ヘモグロビン・ヘマトクリット値減少、赤血球大小不同、異形赤血球増加、脾臓の絶対及び相対重量増加の報告がある (DFGOT vol. 1 (2016) (Access on May 2017))。
   以上から区分1 (肝臓、血液系)、区分2 (腎臓) とした。
   なお、旧分類では区分2のガイダンス値の範囲内である100 mg/kg/day (90日換算値 : 31 mg/kg/day) 以上で血液系に影響がみられているとしていたが、当該影響は、区分1のガイダンス値の範囲内である30 mg/kg/day (90日換算値 : 9.3 mg/kg/day) 以上でみられていると判断したため分類が変更となった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
   魚類 (ニジマス) 96時間LC50 = 0.34 mg/L(OECD SIDS:2000)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
   慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:2.2%と19.7%*、*は異常値として採用せず(化審法DB:1994))、急性毒性区分1であることから、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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