GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 98-94-2
名称 N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン
物質ID H29-B-015
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成21年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
   引火点42.2℃ (closed cup) (ICSC (J) (2002)) に基づいて区分3とした。UNRTDGで UN 2264、クラス8、副次3、PGⅡに分類されている。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- -    発火点は215℃ (ICSC (J) (2002)) であり常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- -    液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn ,Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
   ラットのLD50値として、272~289 mg/kg (SIAP (2012))、348 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の2件の報告がある。1件が区分3、1件が区分4に該当するが、有害性の高い区分を採用し、区分3とした。新たな情報源の使用により旧分類から区分を変更した。
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
   ラットのLD50値として、370 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) 及び380 mg/kg (SIAP (2012)) の報告に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
   ラットの2時間吸入LC50値として、1,900 mg/m3 (365.1 ppm、4時間換算値: 258.2 ppm) の報告 (PATTY (6th, 2012) に基づき、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (3,960 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
   ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、腐食性がみられたとの報告 (GESTIS (Access on May 2017))、本物質の5 g/L水溶液のpHが12であり (GESTIS (Access on May 2017)) 、腐食性が本物質の水溶液のアルカリ性に起因するとの記載 (SIAP (2012)) から、区分1とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
   ウサギを用いた眼刺激性試験において、結膜充血、流涙、結膜浮腫、眼瞼痙攣がみられたとの報告 (GESTIS (Access on May 2017))、本物質の5 g/L水溶液のpHが12であり (GESTIS (Access on May 2017)) 、腐食性が本物質の水溶液のアルカリ性に起因するとの記載 (SIAP (2012)) から、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- -    モルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性の報告 (PATTY (6th, 2012), GESTIS (Access on May 2017)) があるが、動物数等の実験条件が不明なため、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- -    ラットを用いた混餌投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物には高用量 (1,500 ppm) まで一般毒性及び生殖毒性はみられず、児動物では中用量 (500 ppm) 以上で体重の低値がみられた (SIAP (2012))。児動物への影響は分類根拠としない軽微な影響であった。本試験はスクリーニング試験のため、この結果のみで区分外とはできず、データ不足のため分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
   ヒトでの本物質の単回ばく露の情報はない。実験動物ではラット、マウス、ウサギ、モルモットを用いた試験で、経口、経皮、吸入のいずれの経路でも脱力、振戦、流涎、喘ぎ、痙攣が認められ、吸入ばく露ではこれらの症状に加えて呼吸器への刺激がみられたとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。 これらの試験では、影響がみられた用量の詳細な記載はないが、経口のLD50値が区分2相当の320~620 mg/kg、経皮LD50値と吸入LC50値 (4時間換算値) は各々区分1相当の370 mg/kg及び149.5~258.2 ppmと報告されており、影響はLD50値及びLC50値付近の用量で認められたと考えられる。また、SIAP (2012) では、ラットにおいて、用量の詳細な記載はないが、本物質を含む第4級アミン類の経口及び経皮の急性ばく露による毒性症状として、呼吸、歩行及び直立姿勢への影響、痙攣、振戦、運動失調、嗜眠が報告されている。ラットの本物質の経口及び経皮のLD50値は各々区分1相当の272~289 mg/kg及び380 mg/kgと報告されている (SIAP (2012)) ことから、これらの影響はLD50値付近の区分1範囲の用量でみられたと考えられる。以上より本物質は区分1相当の用量で中枢神経系に影響を示し、また気道刺激性を有すると考えられる。したがって区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- -    ヒトにに関する情報はない。
   実験動物については、ラットを用いた混餌による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、試験の最高用量であり、区分2のガイダンス値の範囲内である1,500 ppm (雄: 91~104 mg/kg/day (90日換算値: 28~32 mg/kg/day)、雌: 85~147 mg/kg/day (90日換算値: 26~46 mg/kg/day)) において全身及び局所毒性のいずれも生じていないとの報告がある (SIAP (2012))。しかし、試験の最高用量であることからこの用量を超えるガイダンス値範囲内の用量での影響が不明のため分類できない。
   また、ラットを用いた9回吸入ばく露した試験において、0.39 mg/Lで鼻粘膜の軽度過形成及び肥大の報告がある (SIAP (2012))。しかし、ばく露期間が短く、ばく露頻度も不明のため分類に用いなかった。
   以上、データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。なお、GESTIS (Access on May 2017) に収載された数値データ (粘性率: 1.16 mPa・s (25℃)、密度: 0.85 g/cm3 (20℃)) より、動粘性率は1.36 mm2/sec (25/20℃) と算出される。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
   藻類(Desmodesmus subspicatus) 72時間EC50(速度法) >2 mg/L(OECD SIDS 2012)であるが、藻類72時間EC50(面積法)= 0.79 mg/Lであることから、対象物質の毒性値は2mg/L程度と判断し、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2


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H411 P273
P391
P501
   信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分2であることから、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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