項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 7758-98-7 |
名称 | 硫酸銅(II)・無水物 |
物質ID | H29-B-033 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (ICSC (J) (2001))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (ICSC (J) (2001))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (ICSC (J) (2001))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水溶解度20.3 g/100 mL (20℃) (ICSC (J) (2001)) との測定結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、300 mg/kg (EHC 200 (1998)) に基づき、区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ヒトにおける強い刺激性及び腐食性の報告 (HSDB (Access on June 2017)) や、皮膚を著明に刺激し、発赤、痛みを生じるとの報告 (環境省リスク評価第13巻 (2015)) がある。これらの結果から、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Irrit. 2に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
ヒトにおいて、結膜炎、眼瞼の浮腫、潰瘍、角膜の混濁 (HSDB (Access on June 2017)) や発赤、痛みを生じる (環境省リスク評価第13巻 (2015)) 等の強い刺激性が示されている。皮膚刺激性において腐食性の報告 (HSDB (Access on June 2017)、環境省リスク評価第13巻 (2015)) があることから、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はEye Irrit. 2に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
ヒトにおいて本物質の0.5~5.0%水溶液又はワセリン含有物を24~48時間適用させたパッチテストで、皮膚感作性を示唆する多くの報告があることが記されており (EHC 200 (1998))、日本産業衛生学会で銅ないしその化合物は皮膚感作性物質の第2群に分類されている。よって、区分1とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | 本物質はin vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陽性、陰性の結果、マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陽性 (ATSDR (2004)、環境省リスク評価第13巻 (2015)) であるが、in vivo小核試験、染色体異常試験の陽性結果は腹腔内投与によるものである。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の結果である (ATSDR (2004)、SIAP (2014))。SIAP (2014) では、本物質の五水和物でマウスを用いたin vivo小核試験及びラットを用いたin vivo不定期DNA合成試験での陰性知見を踏まえ、「銅及び銅化合物は遺伝毒性がない」と評価している。以上より、ガイダンスに従い、分類できないとした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 銅化合物の発がん性に関して評価に利用可能な疫学報告はない (DFGOT vol. 22 (2006))。実験動物を用いた発がん性関連試験において、銅及び無機銅化合物が発がん性を示すとの証拠はないが、いずれの報告も試験期間が短い、使用動物数が少ない、病理組織学的検査の範囲が狭い、記述が不十分などの理由により結論を導くことが可能な試験報告はないとされている (EHC 200 (1998)、DFGOT vol. 22 (2006))。すなわち、データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
本物質自体 (無水物) のデータはないが、水和物のデータがある。すなわち、硫酸銅五水和物 (CAS番号 7758-99-8) を2系統の雌マウス (C57BL、DBA) に交配1ヵ月前から妊娠19日まで混餌投与した発生毒性試験において、123 mg Cu/kg/day以上で死亡胎児数の増加 (C57BL)、同腹児数の減少 (両系統)、及び低頻度 (1.8~8.9%) の奇形発生 (水頭症、脳瘤、骨格異常: 両系統) がみられた (DFGOT vol. 22 (2006)、EHC 200 (1998))。母動物毒性についての記載はないが、亜慢性及び慢性毒性試験結果からは母動物毒性が生じる可能の高い用量と考えられている (DFGOT vol. 22 (2006))。以上、五水和物を用いたマウスの試験において、母動物毒性が生じる可能性が高い用量で奇形を含む発生影響がみられたことから、区分2とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、血液系、肝臓、腎臓)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H370
H335 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ヒトでは本物質の自殺企図又は誤飲などによる単回経口摂取により、吐気、嘔吐、上腹部痛、下痢、吐血又は下血、血圧低下、せん妄、昏睡、黄疸、血管内溶血、乏尿、無尿を起こした例が複数例、報告されている。また、肝臓では小葉中心性壊死や胆汁うっ滞、腎臓では腎糸球体うっ血、尿細管細胞の剥離が認められた例が複数例、報告されている (ATSDR (2004)、HSDB (Access on June 2017))。吸入ばく露では、本物質ではないが酸化銅 (II) (CAS番号 1317-38-0) 及び酢酸銅 (II) (CAS番号 142-71-2) を含む微粒子粉じんの吸入によりくしゃみ、咳、消化器系の障害と発熱を起こす可能性があるとの記載がある (DFGOT vol. 22 (2006))。実験動物では、本物質を含む銅化合物の単回経口摂取による急性毒性症状は流涎、嘔吐、下痢、胃出血、心拍数増加、血圧低下、溶血性貧血、痙攣、麻痺などであるとの報告 (EHC 200 (1998)、DFGOT vol. 22 (2006)) がある。これらの影響がみられた用量の詳細な記載はないが、LD50値付近で認められたとすると、ラットのLD50値が300 mg/kgと報告されていることから、区分1範囲上限付近と考えられる (EHC 200 (1998))。また、モルモットを用いた本物質エアロゾルの単回吸入ばく露試験で、気道での繊毛運動の低下が認められたとの報告がある (ATSDR (2004))。 以上の情報を総合すると、本物質は神経系、血液系、肝臓、腎臓、消化管に影響を及ぼし、また、気道刺激性を有すると考えられる。このうち消化管への影響は、本物質の刺激性によるものと考えられるため、標的臓器から除外した。したがって、区分1 (神経系、血液系、肝臓、腎臓)、区分3 (気道刺激性) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器)、区分2(肝臓) |
危険 警告 |
H372
H373 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトについては、消石灰を用いて中和した1~2.5%の硫酸銅を含んだ防黴剤を噴霧するワイン園の作業者に、「ブドウ園噴霧者の肺」と呼ばれる職業病がみられ、珪肺症と類似した所見がみられ、肺胞洗浄液及び生検によってみられる共通の所見としてマクロファージの肺胞内剥離、銅封入体を含んだ組織球性及び非乾酪性肉芽腫、線維硝子結節の形をとった修復性病変を含んでいるとの報告がある (ATSDR (2004))。また、重篤な火傷で衰弱した子供において、肉芽組織に硫酸銅の結晶を適用した例で溶血性貧血がみられ、血清中及び尿中の銅の含量の増加がみられたとの報告もある (ATSDR (2004))。 ラットを用いた混餌による92日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である2,000 mg/kg餌 (34 mg Cu/kg/day: 硫酸銅無水物として85.4 mg/kg/day) 以上で前胃の境界縁過形成・角化亢進、肝臓の炎症の報告がある (EHC 200 (1998)、DFGOT vol. 22 (2006))。 以上、ヒトで呼吸器、血液系に影響がみられているが、血液系については症例数が1例と少ないことから分類根拠としなかった。また、実験動物での前胃所見は刺激性によるものと考えられることから分類根拠としなかった。 したがって、区分1 (呼吸器)、区分2 (肝臓) とした。 新たな情報源を用いたこと、みられた影響を再検討したことなどから旧分類と分類結果が変更となった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
魚類(キタカワヒメマス)96時間LC50 = 0.006[0.00258 mgCu/L 換算値](WHO EHC:1998)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
金属塩の水中での挙動は不明であるが、金属は元素であるため難分解とみなされ、対水溶解度が220,000 mg/Lであり、藻類(Chlamydomonas reinhardii) の72時間NOEC(生長阻害)= 0.013 mg/L[0.005 mgCu/L 換算値]であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |