項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 420-04-2 |
名称 | シアナミド |
物質ID | H29-B-048 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | 温度上昇時に可燃性 (ICSC (J) (2007)) との情報があるが、データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 自己反応性に関連する原子団 (アミノニトリル類) を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が55℃以下の物質であり、金属 (スチール、銅、アルミニウムなど) を侵す (ICSC (J) (2007)) との情報があるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、100~125 mg/kg (雄) (DFGOT vol. 24 (2007))、125 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2017))、223 mg/kg (DFGOT vol. 24 (2007))、280 mg/kg (HSDB (Access on June 2017)) との報告に基づき、区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 |
P302+P352
P361+P364 P280 P312 P321 P405 P501 |
ウサギのLD50値として、590 mg/kg (HSDB (Access on June 2017))、742 mg/kg (雌)、901 mg/kg (雄) (いずれもDFGOT vol. 24 (2007)) との報告に基づき、区分3とした。新たな情報源の使用により旧分類から区分を変更した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、> 1.0 mg/Lとの報告 (DFGOT vol. 24 (2007)) があるが、この値だけでは区分を特定できないため、分類できないとした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ヒトにおいて皮膚を強く刺激するとの記述 (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)) 、及びウサギを用いた皮膚刺激性試験において無傷の皮膚に軽度から中等度の紅斑や、軽度から重度の浮腫を生じたとの報告 (DFGOT vol. 24 (2007)) から、区分2とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Irrit. 2 に分類されている(ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
ヒトにおいて眼を刺激するとの記述 (HSDB (Access on June 2017))、及びウサギを用いた眼刺激性試験において中等度から重度の刺激性 (発赤、結膜の腫脹、角膜混濁) がみられ、一週間以内に回復しなかった場合もあるとの報告 (DFGOT vol. 24 (2007)) から、区分2Aとした。なお、EU CLP分類において本物質はEye Irrit. 2 に分類されている(ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
モルモットを用いたマキシマイゼーション試験で、本物質の10%水溶液と本物質5%を含むワセリンによる皮内注射と感作誘導を行い、21日目に本物質を2.5%含むワセリンで感作誘発を行った結果、陽性率は適用後24及び48時間後で100%であった (DFGOT vol. 24 (2007))。また、ヒトにおいて反復または長期の接触により皮膚感作を引き起こすことがあるとの記述 (HSDB (Access on June 2017)) があり、以上から区分1とした。なお、保護具を着用せずに本物質を取扱ったブドウ生産者で強度の皮膚影響がみられた4人のうち、2名に多形性紅斑様の皮膚傷害、他の2名にスティーブンス-ジョンソン症候群 (SJS) と中毒性表皮壊死融解症 (TEN) 様の皮膚傷害が生じたとの記述 (HSDB (Access on June 2017)) がある。EU CLP分類において本物質はSkin Sens. 1 に分類されている(ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (DFGOT vol. 24 (2007))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (DFGOT vol. 24 (2007))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。旧分類の情報源 (農薬抄録 (2002)) が確認できなかったため区分を変更した。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | マウスを用いた2年間飲水投与による発がん性試験において、卵巣に顆粒膜・莢膜細胞腫の増加傾向がみられたが、同様の所見が対照群の3/60例にもみられた。ただし、このうち1例は疑わしい所見として、これを除外すると最高用量 (600 mg/L) では統計的に有意な増加 (8/58例) が示された。卵巣の顆粒膜・莢膜細胞腫の増加に関して、対照群の1例の所見が疑わしいという事実から、原著者らは高用量群での腫瘍の増加を投与による影響とは記述しておらず、更なる検討が必要とされている (DFGOT vol. 24 (2007))。以上、マウスの卵巣腫瘍は本物質投与による発がん性の確実な証拠とは言い難く、その他、本物質の発がん性に関する情報がないことから、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットを用いた強制経口投与による2世代試験において、F0雌では25 mg/kg/dayで体重増加抑制、黄体数、着床数、出生児数の減少、及び受胎率低下が認められた (DFGOT vol. 24 (2007)、環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)、PATTY (6th, 2012))。F0雄では25 mg/kg/day で精巣上体相対重量の減少、精巣の萎縮、精巣上体管における精子の欠損がみられた (DFGOT vol. 24 (2007))。F1では25 mg/kg/day で耳介開展不全、精巣下降不全など発達指標への影響がみられた。なお、受胎率の低下の原因が雌雄いずれにあるかを調べるため、25 mg/kg/dayを投与した雌雄と未処置の雌雄とを交配させた結果、投与雄と未処置雌との交配では受胎率の低下が示されたのに対し、投与雌と未処置雄を交配させた場合には受胎率に影響はみられなかった (DFGOT vol. 24 (2007))。 以上、F0雌に体重増加抑制がみられる用量で受胎率の低下に加え、雄性生殖器及び児動物の発達への影響がみられたことから、区分2とした。なお、今回の見直しではList 1の情報源から分類に利用可能な情報が得られたため、分類が可能になった。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H370
H335 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ラットの単回経口投与試験において、区分1相当の150 mg/kgで、嗜眠、振戦、うずくまり姿勢、運動失調、立毛、更に高用量ではこれらの症状に加えて歩行異常、腹臥位、努力呼吸、血涙を示し、剖検では肺の出血と胸水が認められたとの報告がある (DFGOT vol. 24 (2007))。また、ラットを用いた本物質エアロゾルの単回吸入ばく露試験で、1mg/L、4時間の吸入ばく露で閉眼、浅呼吸、頻繁な咳と嚥下反応を示したが、ばく露終了後数時間で回復したとの報告がある (DFGOT vol. 24 (2007))。以上より区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 なお、本物質はアルデヒド脱水素酵素を阻害することから、ヒトにおいて酒量抑制剤として用いられており、本物質の経口摂取後にアルコール (及びアルコールを含む食品等) を摂取することにより、顔面紅潮、血圧下降、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下が起こることがあるとの記載がある (医療用医薬品集2017 (2016))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液系、甲状腺、肝臓、生殖器(男性)) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトについては、「本物質はアルデヒド脱水酵素を阻害することから酒量抑制剤として利用されており、断酒療法として通常1日50~200 mg、節酒療法として15~60 mg の投与が行われており、副作用として皮膚や血液、肝臓への影響が指摘されている」との記載 (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011))、「嫌酒薬として本物質を用いた患者に、治療前にはみられていないが、治療後にすり硝子様肝炎がみられている」との報告 」(PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 24 (2007)) がある。 実験動物については、ラットを用いた強制経口投与による28日間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である10 mg/kg/day (90日換算値: 3.11 mg/kg/day) 以上で肝臓の胆管過形成、甲状腺濾胞のコロイド減少、20 mg/kg/day (90日換算値: 6.22 mg/kg/day) 以上で体重増加抑制、肝臓の重量増加、区分2のガイダンス値の範囲内である40 mg/kg/day (90日換算値: 12.44 mg/kg/day) で赤血球数・ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値の減少、甲状腺・副甲状腺の重量増加、甲状腺濾胞細胞の過形成等がみられ、ラットを用いた混餌による90日間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である1.5 mg/kg/day以上で充実性で小型の甲状腺濾胞の増加、濾胞上皮細胞や傍濾胞上皮細胞の増殖の発生率増加、4.5 mg/kg/dayで赤血球数、肝臓相対重量の増加、胸腺相対重量の減少がみられている (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)、DFGOT vol. 24 (2007))。また、イヌを用いた強制経口投与による90日間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である0.6 mg/kg/day以上で精巣重量減少、精細管萎縮、精子形成の低下や精巣上体の精母細胞数の減少、2 mg/kg/day以上でT4値・ASTの減少、ALTの増加、単核白血球数の増加、6 mg/kg/dayで体重増加抑制、ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値の減少がみられている (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)、DFGOT vol. 24 (2007))。 以上から、区分1 (血液系、甲状腺、肝臓、生殖器 (男性)) とした。 新たな情報源を用いたため旧分類と分類結果が異なった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
藻類(Anabaena flosaquae)72時間EC50(生物量) = 0.37 mg/L(EPA AQUIRE:2017, Pesticide Ecotoxicity Database(1992) )であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる平均分解度:0%(化審法DB:2012))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC(体長)= 0.1 mg/L(EPA AQUIRE:2017, Pesticide Ecotoxicity Database(1992))であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる平均分解度:0%(化審法DB:2012))、藻類(Anabaena flosaquae)72時間EC50(生物量) = 0.37 mg/L(EPA AQUIRE:2017, Pesticide Ecotoxicity Database(1992) )であることから、区分1となる。 以上の結果から、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |