項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 75-52-5 |
名称 | ニトロメタン |
物質ID | H29-B-053 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団 (ニトロ基) を含み、酸素収支の計算値が39.3で判定基準の-200より高いが、UNRTDGにおいて、UN 1261、クラス3、PG IIに分類されており、優先評価項目の爆発物には該当しない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 |
警告 |
H226 |
P303+P361+P353
P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点35℃ (closed cup) (ICSC (J) (1997)) に基づいて区分3とした。なお、UNRTDG分類はUN 1261、クラス3、PGⅡである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団 (ニトロ基) を含むが、UN 1261、クラス3に分類されており、優先評価項目の自己反応性には該当しないと考えられる。ただし、大容量では爆発危険があるので、450 L以上の容器での輸送は禁じられている (UNRTDG特別規定26)。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は415℃ (GESTIS (Access on June 2017)) であり常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合しているが、データがなく分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、940 mg/kg (NTP TR461 (1997))、1,210 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 19 (2003)、NTP TR461 (1997)) との報告に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ヒトにおいて軽度の皮膚刺激性との記述 (ACGIH (7th, 2001), DFGOT vol. 19 (2003)) 、及びサルやウサギを用いた皮膚刺激性試験において刺激性はないとの報告 (DFGOT vol. 19 (2003), NTP TR461 (1997)) から、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
本物質は眼を刺激する。眼に入ると発赤を生じる、との記述 (環境省リスク評価第13巻 (2015)) から、区分2とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質を含む溶剤を取り扱った4名の共同作業者がアレルギー性の接触性皮膚炎を発症し、パッチテストで確認後、本物質を避けることにより回復したとの事例報告がある (HSDB (Access on June 2017))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞、末梢血を用いた小核試験で陰性 (IARC 77 (2000)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 19 (2003)、環境省リスク評価第13巻 (2015))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の小核試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性である (IARC 77 (2000)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 19 (2003)、環境省リスク評価第13巻 (2015)、PATTY (6th, 2012))。 |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
ラット及びマウスに2年間吸入ばく露した発がん性試験において、ラットでは雄には腫瘍性病変の増加はみられなかったが、雌では188 ppm以上で乳腺の線維腺腫の頻度増加、線維腺腫、腺腫とがんの合計頻度の増加、375 ppmで乳腺がんの頻度増加が認められた (NTP TR461 (1997))。マウスでは雌雄ともに375 ppm以上でハーダー腺の腺腫、がんの各頻度及びそれらの合計頻度の増加、雌の188及び750 ppmで肝細胞腺腫の頻度増加、肝細胞腺腫及びがんの合計頻度の増加がみられ、加えて雌雄の375 ppm以上に細気管支肺胞上皮の腫瘍 (腺腫とがんの単独又は組合せによる頻度増加) も本物質投与に関連した腫瘍として認められた (NTP TR461 (1997))。既存分類としては、IARCがグループ2Bに (IARC 77 (2000))、ACGIHがA3に (ACGIH (7th, 2001))、NTPがRに (NTP RoC (14th, 2016))、日本産業衛生学会が第2群Bに (許容濃度の勧告 (2016); 2001年提案) それぞれ分類している。以上より区分2とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラット又はマウスの13週間反復吸入ばく露試験において、ラット及びマウスの雄で活動精子の割合の有意な低下、雌マウスで性周期の有意な遅延がみられたとの報告がある (環境省リスク評価第13巻 (2015)、ACGIH (7th, 2001))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肝臓)、区分2(中枢神経系)、区分3(気道刺激性、麻酔作用) |
危険 警告 |
H370
H371 H335 H336 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ウサギの単回経口投与試験において、区分2相当の750 mg/kgで、衰弱、虚脱、不穏、協調運動低下の後に完全な運動失調を示し、死亡例の全てに肝障害 (浮腫、混濁腫脹、壊死) が認められたという報告がある (NTP TR461 (1997))。また、ウサギ及びモルモットの単回吸入ばく露試験では、不穏、軽微な気道の刺激、流涎、全身状態の悪化と麻酔の兆候がみられた。ばく露時間が長くなるのに伴って、衰弱、運動失調、協調運動低下がみられ、しばしば周回運動、痙攣、単攣縮を示した。剖検の結果、全例で肝臓の浮腫と壊死が認められ、死亡例では全身の臓器と脳のうっ血、浮腫を伴う急性肺うっ血がみられた。この試験では30,000 ppm、30分~1時間 (4時間換算値: 10,606~15,000 ppm)、又は10,000 ppm、5時間 (4時間換算値: 11,180 ppm) で症状がみられており、この用量はガイダンスの区分2に相当する (NTP TR461 (1997)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, (2001))。これらの実験動物での結果から、本物質の吸入ばく露の主な症状は中枢神経系の抑制と軽微な気道刺激であると記載されている (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 19 (2003))。 更にイヌの単回経口投与試験で、非致死量の125 mg/kg (区分1相当) 投与群では肝実質の軽微な脂肪変性及び門脈領域での少数のリンパ球の検出などの変化に加えて48時間以内に肝細胞の再生が認められ、致死量の200 mg/kg以上投与群では、死亡例の剖検で肝臓に浮腫、巣状壊死、巨核細胞が認められたとの報告がある (NTP TR461 (1997))。以上より区分1 (肝臓)、区分2 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。肝臓に関しては、死亡例の剖検所見は根拠としなかったが、イヌの非致死量でみられた影響が区分1範囲の用量であることから区分1とした。旧分類は腎臓も標的臓器としていたが、根拠とされたイヌでの影響が死亡例の剖検結果であり、最高用量の1,500 mg/kg投与群でのみみられていることから不採用とした。したがって分類結果を変更した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器)、区分2(血液系、神経系、肝臓) |
危険 警告 |
H372
H373 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトについては、本物質を含む接着剤の使用により重篤な末梢神経疾患を発症した2例の症例報告がある。本物質の気中濃度は10~20 ppm (8 時間加重平均値12.75 ppm) であり、接着剤の90~95%を占めるシアノアクリル酸エチルの気中濃度は0.04~0.16 ppm (8 時間加重平均値0.09 ppm) であった。この他にも接着剤にはメタクリル酸メチルが5~10%の濃度 (ただし、気中濃度は未測定) で含まれており、末梢神経疾患の原因物質は特定できなかったが、本物質のばく露が最も可能性の高い原因と考えられている (環境省リスク評価第13巻 (2015)). 実験動物については、ラットを用いた蒸気による13週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分2のガイダンス値の範囲内である188 ppm (90日換算: 0.34 mg/L) 以上で、メトヘモグロビン増加、ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値の減少、375 ppm (90日換算: 0.68 mg/L) 以上で、骨髄の過形成、鼻腔で嗅上皮の変性、坐骨神経の変性、腰部脊髄の変性がみられている (環境省リスク評価第13巻 (2015)、NTP TR461 (1997))。マウスを用いた蒸気による13週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分1のガイダンス値の範囲内である 94 ppm (90日換算: 0.17 mg/L) 以上で、呼吸上皮の硝子滴沈着、区分2のガイダンス値の範囲内である 188 ppm (90日換算: 0.34 mg/L) 以上で、鼻腔で嗅上皮の変性、375 ppm (90日換算: 0.68 mg/L) 以上で、肝臓相対重量増加、活動精子の割合低下、性周期遅延がみられている (環境省リスク評価第13巻 (2015)、NTP TR461 (1997))。また、ラットを用いた15週間飲水投与試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である0.1% (80 mg/kg/day) 以上で体重増加抑制、死亡、核の明瞭化を伴った肝細胞肥大がみられている (環境省リスク評価第13巻 (2015)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 19 (2003)、PATTY (6th,2012))。 以上から、区分1 (呼吸器)、区分2 (血液系、神経系、肝臓) とした。 なお、情報を再度精査した結果、分類が変更となった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on June 2017) に収載された数値データ (粘性率: 0.614 mPa・s (25℃)、密度: 1.1371 g/cm3 (20℃)) より、動粘性率は0.54 mm2/sec (25/20℃) と算出される。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
- |
- | - | 藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata)72時間EC50(速度法)>102 mg/L、魚類(ファッドヘッドミノー)96時間LC50 >278 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 >103 mg/L、(ともに環境省環境リスク評価(第13巻):2015)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる平均分解度:4.5%(化審法DB:1987))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(速度法)= 3.01 mg/L(環境省環境リスク評価(第13巻):2015)であることから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる平均分解度:4.5%(化審法DB:1987))、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50(遊泳阻害)>103 mg/L、魚類(ファッドヘッドミノー)96時間LC50 >278 mg/L(ともに環境省環境リスク評価(第13巻):2015)であることから、区分外となる。 以上の結果から、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |