GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 108-93-0
名称 シクロヘキサノール
物質ID H29-B-070
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- -    可燃性 (ICSC (J) (1998)) との情報があるが、データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- -    発火点は300℃ (ICSC (J) (1998)) であり常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- -    融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
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- -    分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    融点55℃以下の物質ではあるが、データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- -    ラットのLD50値として、2,060 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。ガイダンスに従い、旧分類から区分を変更した.。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。旧分類が使用したIUCLID (2000) のデータは入手できず、確認不能であるため使用しなかった。したがって旧分類から分類結果を変更した。なお、ウサギの最小致死量は区分4超の2,200~2,600 mg/kgであるとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。なお、融点が25.93℃ (HSDB (Access on June 2017)) であるため、それ以上の温度では液体と考えられる。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
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- -    GHSの定義における固体ではあるが、融点が25.93℃ (HSDB (Access on June 2017)) であるため、それ以上の温度では液体と考えられる。
   ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、> 3.6 mg/L (> 882 ppm) (HSDB (Access on June 2017)) との報告があるが、この値のみでは区分を特定できないため、分類できないとした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (1,287 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
   ヒトの皮膚にわずかな刺激性 (slightly irritating) を示すとの記述 (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)) や、短期ばく露で本物質は皮膚を刺激するとの記述 (HSDB (Access on June 2017)) から刺激性を有すると考え、区分2とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Irrit. 2, H315に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。情報源の内容を見直して区分を変更した。
   
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
   ウサギの眼に本物質を適用した試験 (OECD TG 405準拠) で、中等度から強度の刺激性 (moderately severe irritation) と回復可能な角膜損傷がみられたとの報告 (ACGIH (7th, 2001))、及びウサギを用いた別の試験で4匹の24, 48, 72 時間後における角膜混濁の評点がそれぞれ3であり、21日後に1匹が傷害から回復していないとの報告 (ECETOC TR48 (2) (1998)) から、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。 
   
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。なお、ヒトにおけるパッチテスト (ワセリン中4%本物質含有) で感作性はみられなかったとの報告 (PATTY (6th, 2012)) があるが、試験の詳細が不明のため採用しなかった。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (PATTY (6th, 2012))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on July 2017))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
   2系統のマウスに妊娠及び哺育期間を通して数世代にわたり混餌投与 (0.1~1.0%) した結果、いずれの系統においても高用量群 (1.0%) では児動物に死亡率の有意な増加 (14.1~53.5%) 及び生後21日間の軽度成長阻害がみられたとの記述がある (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)、PATTY (6th, 2012))。すなわち、親動物の一般毒性影響が不明な状況で、次世代影響がみられていることから、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性、麻酔作用)


警告
H335
H336
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
   ヒトではボランティアによる試験で、本物質100 ppm、3~5分の吸入ばく露により、鼻、喉の刺激が認められたとの報告がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1970)、PATTY (6th, 2012))。実験動物では、ウサギの単回経皮ばく露試験において、用量の記載はないが、高濃度で広範囲の皮膚に適用した場合には振戦、昏睡、低体温を示して死亡したとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。したがって区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(自律神経系)、区分2(心臓、肝臓、腎臓、生殖器(男性))


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
   ヒトについては、許容濃度未満の濃度で2年間ばく露された男女453名中114名で自律神経系の非特異的な障害がみられ、対照群 (100人) では8名にのみ同様の症状がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。
   実験動物については、ウサギを用いた10週間吸入毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である145 ppm (90日換算: 0.33 mg/L) で軽度の変性が肝臓、腎臓にみられ、272 ppm (90日換算: 0.62 mg/L) では心筋、肝臓、腎臓に変性がみられたとの報告がある (PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。
   また、雄ウサギを用いた40日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である25 mg/kg/day (90日換算: 11.1 mg/kg/day) で精巣及び精巣重量の減少、精子形成の阻害、精細管の直径及びライディッヒ細胞核の容積の減少、精巣上体及び精管の内腔で精子の欠乏等の報告がある (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。1用量の試験でありこの用量未満での影響が不明であるが少なくとも区分2のガイダンス値の範囲内で精巣に影響がみられている。
   以上より区分1 (自律神経系)、区分2 (心臓、肝臓、腎臓、生殖器 (男性)) とした。
   
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
   甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 17 mg/L(NLM HSDB:2011)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3
-
-
H412 P273
P501
   慢性毒性データが得られていない。急速分解性があり(良分解性、BODによる平均分解度:96%(化審法DB:1988))、蓄積性がなく(LogKow:1.23 (SRC PhysProp Database:2017))、急性毒性区分3であることから、区分3とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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