GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 92-70-6
名称 β-ヒドロキシナフトエ酸
物質ID H29-B-078
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成21年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- -    可燃性 (ICSC (2010) (J)) との情報があるが、データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- -    発火点が> 400℃ (ICSC (2010) (J)) であり常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
   ラットのLD50値として、823 mg/kg、1,040 mg/kg (SIDS (2005)) との報告に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分4


警告
H312 P302+P352
P362+P364
P280
P312
P321
P501
   モルモットの急性経皮毒性試験で、1,000 mg/kgでは致死性はなく、2,000 mg/kgでは死亡したとの報告 (SIDS (2005)) より、LD50値は1,000~2,000 mg/kgの範囲と考えられる。(この試験では各用量1匹のみが用いられている。) したがって区分4とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
   労働者に皮膚と気道の刺激を起こす可能性があるとの記載 (SIDS (2005)) がある。また、ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404準拠) で、本物質適用後1時間及び24時間後にごく軽微な紅斑と浮腫が認められたが48時間以内に完全に回復し、皮膚一次刺激指数は0.3であったとの報告や、モルモットを用いた皮膚刺激性試験で本物質24時間の適用で軽度から中等度を示すとの記載 (いずれも SIDS (2005)) がある。労働者に皮膚の刺激を起こす可能性があるとの記載から、区分2とした。情報を見直して区分を変更した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
   ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405準拠) において、本物質の適用1時間後に3匹全例で浮腫と分泌物を伴う結膜の充血がみられ、24~72時間後には結膜炎と角膜混濁、1匹には虹彩炎が認められ、7日後には全例で角膜びらんと血管新生が観察され、これらの症状は試験終了時の14日後までに回復しなかったとの報告 (SIDS (2005)) から、区分1とした。情報源の内容を見直して区分を変更した。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
   
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
   モルモットを用いた改変マキシマイゼーション試験 (OECD TG 406準拠) において、惹起後48時間における陽性率が66.7% (6/9) との結果 (SIDS (2005)) から、区分1とした。なお、モルモットを用いた別のマキシマイゼーション試験及びヒトのパッチテストでは感作性なしとの結果が報告されている (SIDS (2005)) が、いずれも少数例の試験であり特にヒトのパッチテストでは少数(健常者28人、皮膚炎患者8人)のため最終的評価はできないと述べられている (SIDS (2005))。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性、チャイニーズハムスターの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、SIDS (2005))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である (SIDS (2005))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
   ラットを用いた経口投与による1世代試験において、雌雄の親動物に体重増加抑制がみられた高用量 (200 mg/kg/day) では、出生児に体重の低値に加え、曲尾、短尾、小眼などの外表奇形、精巣の位置異常、脾臓の低形成、横隔膜ヘルニアなど内臓奇形がみられた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、SIDS (2005))。以上、親動物の一般毒性影響量で出生児に奇形発生がみられたため、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(全身毒性)、区分3(気道刺激性)



警告
H371
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
   ヒトでは本物質が労働者に皮膚と気道の刺激を起こす可能性があるとの記載がある (SIDS (2005))。実験動物では、ラットの単回経口投与試験において、315 mg/kg以上で活動低下、腹臥位、横臥位、下痢が、1,000~1,250 mg/kgでこれらの症状に加えて頻呼吸と閉眼がみられ、死亡例の剖検では肝臓の暗色化と明色のスポット、消化管の充血が認められたとの報告がある。この試験でのLD50値は823 mg/kgと報告されている (SIDS (2005))。症状がみられた用量はガイダンスの区分2に相当するが、これらの症状のみでは標的臓器を特定できない。以上の情報から区分2 (全身毒性)、区分3 (気道刺激性) とした。ヒトでの気道刺激性の情報の追加により、旧分類から分類結果を変更した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(副腎)


警告
H373 P260
P314
P501
   ヒトに関する情報はない。
   実験動物については、ラットを用いた28日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲である60 mg/kg/day (90日換算: 18.7 mg/kg/day) の雌で副腎壊死 (1例)、300 mg/kg/day (90日換算: 93.3 mg/kg/day) の雌雄で摂水量増加、リン酸減少、血清及び尿中ビリルビン増加、雌で肝臓重量増加、副腎壊死 (1例) がみられている (SIDS (2005))。
   以上より、区分2 (副腎) とした。なお、副腎壊死を影響としたため旧分類と分類結果が異なった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
   甲殻類(Daphnia magna)48時間EC50(遊泳阻害)=32.9 mg/L(OECD SIDS:2004)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3
-
-
H412 P273
P501
   慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:19.9%(化審法DB:1980))、藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata )の72時間NOEC(速度法)= 6.8 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分外となる。
   慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性でなく(難分解性、BODによる分解度:19.9%(化審法DB:1980))、甲殻類(Daphnia magna)48時間EC50(遊泳阻害)=32.9 mg/L(OECD SIDS:2004)であることから、区分3となる。
   以上の結果から、区分3とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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