項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 61790-53-2 |
名称 | 珪藻土 (結晶質シリカ含有率0.1%未満のもの) |
物質ID | H29-B-085 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成27年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - |
珪藻土には、未焼成品 (CAS番号 61790-53-2)、焼成品 (CAS番号 91053-39-3)、融剤焼成品 (CAS番号 68855-54-9) 等がある。本分類の対象は、未焼成品で結晶質シリカ含有量0.1%未満のものとした。 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2001)) である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2001)) である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2001)) である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水に不溶 (HSFS (2007)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - |
珪藻土には、未焼成品 (CAS番号 61790-53-2)、焼成品 (CAS番号 91053-39-3)、融剤焼成品 (CAS番号 68855-54-9) 等がある。本分類の対象は、未焼成品で結晶質シリカ含有量0.1%未満のものとした。 ラットのLD50値として、> 5,000 mg/kgとの報告 (農薬技術情報 (1992)) に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kgとの報告 (農薬技術情報 (1992)) に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、本物質を24時間適用した結果、刺激はみられなかったとの報告 (農薬技術情報 (1992)) から区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた眼刺激性試験において、本物質100 mgを適用した結果、非常に軽度の刺激性がみられたが2日目までに回復したとの報告がある (農薬技術情報 (1992)) が、分類するための十分な情報ではないと判断した。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
結晶質シリカについては、IARCでグループ1に (IARC 100C (2012))、NTPでKに (NTP RoC (14th, 2016))、日本産業衛生学会で第1群に分類されており (許容濃度の勧告 (2016))、区分1Aに分類される。区分1Aに該当する結晶質シリカが混合物組成比として発がん性区分1のカットオフ値 (0.1%) 未満のため、本項は分類できないとした。 なお、珪藻土のヒトにおける発がん性情報はなく、実験動物では、ラットに経口 (混餌) 経路により、20 mg/匹の用量で生涯ばく露した試験、及びマウスに20 mg/匹の用量で皮下注射 (投与回数不記載) した試験では腫瘍発生はみられなかった (IARC 68 (1997)) との報告がある一方で、マウスに20 mg/匹で腹腔内注射 (投与回数不記載) した試験では腹腔内にリンパ肉腫の発生が6/17例にみられ、対照群 (1/20例) に比べて有意な増加が示されたとの報告があるが、いずれの試験報告も被験物質 (珪藻土) における結晶質シリカの含有量について記載がなく、結晶質シリカの存否は不明である (IARC 68 (1997))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(呼吸器) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
ヒトについては、珪藻土にばく露された労働者で塵肺症の報告があるが、他の石英ダストへのばく露が不明であったり、珪藻土の焼成によりクリストバライトが生じること、珪藻土中に結晶質シリカが含まれること等、塵肺症が珪藻土によるものと断定できないとの報告がある (DFGOT vol. 2 (1991))、未焼成のダストにばく露された珪藻土の作業者において、軽度の珪肺症のみがみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。また、粗製の珪藻土あるいは天然の粉に20~25年間ばく露された労働者の研究では、肺の線維症を起こすのはまれであり、あったとしても症状のみで明らかな障害はみられていない。天然の珪藻土自体は弱い線維形成性あるいは非線維形成性であり、肺の線維症は結晶質シリカあるいは肺の過負荷に起因したものと考えられるとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。 実験動物では、モルモットに非晶質シリカとして100 mg/m3の珪藻土、結晶質シリカとして150 mg/m3のクリストバライトを2年間吸入ばく露した試験において結晶質シリカであるクリストバライトは21ヵ月で線維症がみられ、24ヵ月で重篤化がみられたのに比べ、非晶質シリカである珪藻土は24ヵ月で線維化がみられたが、重篤化はみられていない (ACGIH (7th, 2001))。また、モルモットに60mg/m3の非焼成の珪藻土を37~50週間吸入ばく露した試験において、マクロファージの浸潤、ダスト粒子を含んだ多数の多核細胞の蓄積による肺胞中隔の肥厚、及び肺胞の上皮化がみられたが、肺の線維化はみられず、極めてわずかな細網線維量の増加がみられたが膠原線維の有意な増加はみられていない (ACGIH (7th, 2001))。 以上のように、ヒトについては結晶質シリカを含まない珪藻土単体での影響については明確ではないが、結晶質シリカを含んだ珪藻土については肺への影響が考えられる。また、実験動物において、程度は軽いものの区分2の範囲で肺に影響がみられている。本物質は結晶質シリカを含まないことから、区分2 (呼吸器) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |