GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 -
名称 人造鉱物繊維 (RCFを除く)
物質ID H29-B-087
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成21年度   平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    常温で固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    常温で固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    常温で固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- -    常温で固体である。
7 可燃性固体 区分外
-
-
- -    不燃性 (ICSC (J) (2012)) である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- -    常温で固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- -    不燃性 (ICSC (J) (2012)) である。
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- -    不燃性 (ICSC (J) (2012)) である。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- -    水に不溶 (HSDB (Access on September 2017)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    常温で固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- -    酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    無機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    常温で固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- -    常温で固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。なお、ロック/スラグウールの製造または取扱作業中にばく露した労働者が、物理的刺激により皮膚にかゆみを生じる場合があるが、一時的な症状で、適切な作業により管理が可能であり (ACGIH (7th, 2001))、ばく露を継続しながらしばしば消失するとの記載 (EHC 77 (1988)、ATSDR (2004)) がある。また、物理的刺激は主に本物質の直径が5 μm 以上の場合に起きるとの記載 (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2004)) がある。情報の内容を見直して区分を変更した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
   防護措置が不十分であった作業者に一過性の眼刺激性がみられたとの記載 (ACGIH (7th, 2001)) や、本物質は眼刺激性を示すとの記載 (ATSDR (2004))、本物質の取扱時のばく露と眼刺激性とが関連しているとの記載 (EHC 77 (1988)) から、区分2とした。刺激の程度や回復期間の情報はないため、細区分は行わなかった。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
   
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、合成ガラス繊維 (RCFを除く)、グラスウール、ロックウール、スラグウールにおいて、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、小核試験で陰性、陽性の結果、姉妹染色分体交換試験で陰性である (ATSDR (2004)、EHC 77 (1988)、IARC 81 (2002))。
6 発がん性 特定用途ウール (Eガラス繊維、475繊維など):区分2
ガラス長繊維、断熱ウール、ロック (ストーン) ウール、スラグウール:分類できない


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
   IARCはRCFを除く人造鉱物繊維を主にガラス長繊維、断熱ウール、ロック (ストーン) ウール、スラグウール、特殊用途ウールに分類している。これらのうち、ガラス長繊維、断熱ウール、ロック (ストーン) ウールについては発がん性の証拠はヒトで不十分、実験動物で限定的、スラグウールについても発がん性の証拠は実験動物で限定的として、グループ3に分類した (IARC 81 (2002))。一方、Eガラス繊維、475ガラス繊維などの特定用途ウールについては、ラットの腹腔内投与又は腹腔内への埋植試験で腹腔内腫瘍、ラット又はハムスターに気管内投与した試験で肺腫瘍 (両種)、中皮腫 (ハムスター) がみられており、実験動物では発がん性の十分な証拠があるとして、グループ2Bに分類された (IARC 81 (2002))。一方、ACGIHはガラス長繊維はA4に、断熱ウール、ロック (ストーン) ウール、スラグウール、特殊用途ウールはいずれもA3 (confirmed animal carcinogen) に分類されるとした (ACGIH (7th, 2001)) が、実験動物での発がん性の根拠は薄弱 (胸腔内投与で陽性のデータがあるが、吸入ばく露では陰性) と考えられる。また、日本産業衛生学会はガラス長繊維、グラスウール、ロックウール、スラグウールに対して、第3群に分類している (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2003))。
   以上より、IARC及び日本産業衛生学会の分類結果に従い、特定用途ウールについて区分2、ガラス長繊維、断熱ウール、ロック (ストーン) ウール、スラグウールはいずれも分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
   ヒトではガラス長繊維、グラスウール、ロックウール、スラグウールの急性吸入ばく露により、鼻出血、咳、喉頭及び咽頭痛などの上気道の刺激症状がみられるが、ばく露中止後速やかに消失するとの報告がある (ATSDR (2004))。したがって、区分3 (気道刺激性) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
   ヒトについては、EHC 77 (1988) で、いくつかの横断的な疫学研究において、呼吸機能に人造鉱物繊維 (MMMF) ばく露関連の影響の可能性が示唆され、また、 大規模な研究では、MMMF製造の雇用期間が長くなる喫煙者の胸部X線写真に低濃度のシャドーイングの有病率が増加した。 しかしながら、呼吸器系に対するMMMF関連の影響の一貫したパターンは、今日まで、横断的な調査から得られていないとしている。
   実験動物については、ロックウール (MMVF21) あるいはスラグウール (MMVF22) をラットに2年間吸入ばく露した試験において、ロックウールでは区分1のガイダンス値の範囲内である3.1 mg/m3 (0.0031 mg/L) 以上で肺の炎症、16 mg/m3 (0.016 mg/L) 以上で軽度の肺の線維化がみられた。スラグウールでは区分1のガイダンス値の範囲内である3.1mg/m3 (0.0031 mg/L) 以上で肺の炎症がみられたが、肺の線維化は最高用量である29.9 mg/m3 (0.03 mg/L) でも みられていない (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2004))。このほか、グラスウール (MMVF10、MMVF11) をラットに2年間吸入ばく露した試験において、区分1のガイダンス値の範囲内 (MMVF10では3.1 mg/m3、MMVF11では4.8 mg/m3) 以上で肺の炎症がみられているが、いずれも最高用量 (MMVF10では27.8 mg/m3 、MMVF11では28.3 mg/m3) においても肺の線維化はみられていない (ATSDR (2004))。
   以上より、区分1 (呼吸器) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
-
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- -    データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
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- -    データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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