GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 10102-43-9
名称 一酸化窒素
物質ID H29-B-089
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
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OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分外
-
-
- -    不燃性である (ICSC (J) (2015))。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分1


危険
H270 P370+P376
P220
P244
P403
   酸素当量係数が0.3 (ISO 10156:2010) であり、GHS分類ガイダンスに区分1として記載されている。なお、UNRTDGでは圧縮されているものがUN 1660、クラス 2.3、副次 5.1、8。
5 高圧ガス 圧縮ガス


警告
H280 P410+P403    沸点-151.74℃、臨界温度-92.9℃ (HSDB (Access on August 2017)) であることから、圧縮ガスとした。UNRTDGでは、圧縮されているものがUN 1660、クラス 2.3、副次 5.1、8。
6 引火性液体 分類対象外
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-
- -    GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。ガイダンスに従い、旧分類から分類結果を変更した。
1 急性毒性(経皮) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。ガイダンスに従い、旧分類から分類結果を変更した。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
   ラットのLC50値として、128 ppm及び854 ppm (DFGOT (2014) (Access on August 2017)) との報告があるが、いずれもばく露時間の記載がなく、根拠とできない。ラットの30分単回吸入ばく露試験において、1,000 ppm (4時間換算値: 354 ppm) で20例中11例が死亡したとの報告 (DFGOT (2014) (Access on August 2017)) があり、LC50値は354 ppm付近と考えられる。したがって、区分2とした。旧分類が使用したRTECS (2004) のデータは、確認できず詳細不明であるため不採用とした。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外
-
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- -    GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
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-
- -    データ不足のため分類できない。なお、本物質から硝酸や亜硝酸が生成されるために皮膚刺激性を示すとの記載 (HSDB (Access on August 2017)) や、窒素酸化物と汗から硝酸が生じて皮膚熱傷の原因となるとの記載 (IPCS, PIM 283 (1992)) がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
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- -    データ不足のため分類できない。なお、本物質から硝酸や亜硝酸が生成されることで眼刺激性を示す可能性との記載 (HSDB (Access on August 2017)) や、窒素酸化物のヒュームが眼を刺激するとの記載 (IPCS, PIM 283 (1992)) がある。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
   
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- -    データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- -    データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陽性である (DFGOT (2014) (Access on August 2017))。なお、旧分類で記載されていた情報源は、IUCLIDについては現在使用不可、RTECSについてはList 3のため、いずれも使用しなかった。
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。なお、雌マウスに本物質を2.4 ppmの濃度で29ヵ月間吸入ばく露したが、肺に発がん性は認められなかった (DFGOT (2014)) (Access on August 2017)) との報告があるが、1用量のみで、かつ病理組織学的検査を少数の臓器でしか行っていない試験結果である。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(血液系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
   ヒトではボランティアによる15分の単回吸入ばく露試験において、15 ppm以上で血中メトヘモグロビン濃度の有意な上昇が認められたとの報告がある (DFGOT (2014) (Access on August 2017))。実験動物では、マウスの単回吸入ばく露試験において322 ppm、6時間 (4時間換算値: 394 ppm) のばく露で血中メトヘモグロビン濃度が60%まで上昇したとの報告、及びラットの単回吸入ばく露試験において1,000 ppm、30分 (4時間換算値: 354 ppm) のばく露でチアノーゼを発症し、20例中11例が死亡したとの報告がある (DFGOT (2014) (Access on August 2017))。後者の試験 (ラット) では血中メトヘモグロビン濃度は測定されていないが、原著論文の著者らはラットの別の試験で得られた1,000 ppm、30分のばく露後に血中メトヘモグロビン濃度が65%以上に上昇したとの結果に基づき、チアノーゼの発症はメトヘモグロビン生成の影響であると考察している。以上より、区分1 (血液系) とした。
   なお、本物質は自然に二酸化窒素 (NO2、CAS番号 10102-44-0) に変換するとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。 旧分類は本物質のばく露によりヒトで急性肺水腫およびメトヘモグロビン生成によるチアノーゼの症状が出ているとのACGIH (7th, 2001) の記載に基づいて肺も標的臓器としていたが、ACGIH (7th, 2001) を精査したところ、本物質が1.5%以上混入した一酸化二窒素 (N2O、CAS番号 10024-97-2) 75%・酸素25%の混合気体を麻酔剤として吸入した患者2名がチアノーゼとメトヘモグロビン血症に加えて、二酸化窒素の影響による呼吸困難と肺水腫を発症したとの記述であった。したがって肺への影響は本物質の直接の影響ではないと考えて不採用としたため、分類結果を変更した。
   
   
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
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- -    ヒトについて本物質単独でのばく露と影響の関連を示すデータは無かった。
   実験動物については、ラット、マウス、ウサギ、イヌの吸入毒性試験のデータが得られたが、区分2のガイダンス値の範囲 (気体) を超える濃度で気道刺激に関する影響がみられたとの試験データ、あるいは影響がみられなかったとの試験データであり (DFGOT (2014) (Access on August 2017))、分類に用いることができるデータは得られなかった。
   以上、データ不足のため分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外
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- -    GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
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- -    データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
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- -    データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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