項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 540-69-2 |
名称 | アンモニウム=ホルマート |
物質ID | H30-A-004-METI, MOE |
分類実施年度 | 平成30年度 |
分類実施者 | 経済産業省/環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素(N)とイオン結合しているが、これは酸化性に寄与しない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分外(国連分類基準の区分5または区分外に相当)とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(SIDS(2008))。 【参考データ等】 (2)マウスのLD50:2,250 mg/kg(SIDS(2008))。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 本物質自体のデータはないため、分類できない。(1)よりギ酸のpKaとアンモニア水のpKb(pKaより算出)を比較した際に1だけ酸性側に傾ける程度であり、本物質は水溶液中では中和していると考えられる。(2)、(3)の情報も得られているものの、本物質自体のデータはないため、情報不足により分類できないとした。 【参考データ等】 (1)ギ酸水溶液の酸解離定数(pKa)、アンモニア水の酸解離定数(pKa)はそれぞれ、pKa=3.70(SIAR(2008))、pKa=9.25(SIAR(2007))である。 (2)カルシウム=ジホルマート(CAS:544-17-2)を用いたウサギに対する皮膚刺激性試験(OECD TG404、GLP)では刺激性は見られなかったとの報告がある(SIDS(2008))。 (3)カリウム=水素=ホルマート(CAS:20642-05-1)を用いたウサギに対する皮膚刺激性試験(OECD TG404、GLP)2件では刺激性は見られなかったとの報告がある(SIDS(2008))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 本物質自体のデータはないため、分類できない。なお、(1)より解離定数はギ酸の方が若干大きく、中性(pH 7)よりも1だけ酸性側に傾ける程度であり、本物質は水溶液中では中和していると考えられる。(2)~(4)の情報も得られているものの、本物質自体のデータはないため、情報不足により分類できないとした。 【参考データ等】 (1)ギ酸水溶液の酸解離定数(pKa)、アンモニア水の塩基解離定数(pKb)はそれぞれ、pKa=3.75(SIAR(2008))、pKb=4.75(SIAR(2007))である。 (2)カリウム=水素=ホルマートを用いたウサギに対する眼刺激性試験(OECD TG405、GLP)3件では、腐食性が示されたとの報告がある(SIDS(2008))。 (3)ナトリウム=ホルマート(CAS:141-53-7)を用いたウサギに対する眼刺激性試験(EPA OPPTS 798.4500)では適用後に結膜の発赤(grade 2)、結膜浮腫(grade 1)が見られ、17日後に回復したとの報告がある(SIDS(2008))。 (4)カルシウム=ジホルマートを用いたウサギの眼刺激性試験(OECD TG405、GLP)では適用後にgrade 2の角膜混濁・虹彩炎・結膜浮腫・結膜発赤が認められ、13日後でも完全に回復しなかったとの報告がある(SIDS(2008))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 本物質自体のデータはないため、分類できない。 【参考データ等】 (1) ぎ酸(CAS:64-18-6)を用いたモルモットに対する皮膚感作性試験(OECD TG406、Buehler法、GLP)では陰性を示したとの報告がある(SIDS(2008))が、政府によるGHS分類の結果、感作性を判断するに足る情報が不足していため、分類できないに分類されている。 (2)アンモニア(CAS:7664-41-7)及びアンモニア水(CAS:1336-21-6)は、政府によるGHS分類の結果、感作性を判断できる情報が不足しているため、分類できないに分類されている。 (3) カリウム=水素=ホルマートを用いたモルモットに対する皮膚感作性試験(OECD TG406、Maximization法、GLP)では陰性を示したとの報告がある(SIDS(2008))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)カリウム=水素=ジホルマートについて、ラットの骨髄を用いた小核試験で陰性であった(SIDS(2008))。 (2) ぎ酸、二ぎ酸カルシウム、カリウム=水素=ホルマートについて、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性であった(SIDS(2008))。 (3) ぎ酸、カリウム=水素=ホルマートについて、哺乳類培養細胞(CHO)又はマウスリンフォーマ細胞を用いた前進突然変異試験で陰性であった(SIDS(2008))。 (4) ぎ酸、ぎ酸ナトリウムについて、哺乳類培養細胞(CHO)を用いた染色体異常試験において、染色体異常誘発性はpHの影響を受ける、また過剰に高濃度のぎ酸が染色体損傷を生じるなど非生理的な試験条件下では陽性の結果も得られたが、生理的条件下では、ぎ酸自体と中和する過程でぎ酸を生成するぎ酸ナトリウムは染色体異常を誘発しなかった(SIDS(2008))。 (5) カリウム=水素=ホルマートについて、ヒト末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験では陰性であった(SIDS(2008))。 (6) ぎ酸について、哺乳類培養細胞(V79)を用いた姉妹染色分体交換試験では陰性であった(SIDS(2008))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。 国内外の分類機関による既存分類はなく、データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1) カリウム=水素=ジホルマートについて、ラットを用いた2年間混餌投与による発がん性試験で、2,000 mg/kg/dayまでの用量で腫瘍発生の増加はみられなかった(SIDS(2008))。 (2) カリウム=水素=ジホルマートについて、マウスを用いた80週間混餌投与による発がん性試験で、2,000 mg/kg/dayまでの用量で腫瘍発生の増加はみられなかった(SIDS(2008))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 本物質自体のデータはないため、分類できない。 【参考データ等】 (1) ぎ酸ナトリウムについて、妊娠ラットを用いた強制経口投与(59~945 mg/kg/day、妊娠6~19日)の発生毒性試験で、母動物、胎児ともに影響はみられなかった(SIDS(2008))。 (2) ぎ酸ナトリウムについて、妊娠ウサギを用いた強制経口投与(100~1,000 mg/kg/day)の発生毒性試験で、母動物、胎児ともに影響はみられなかった(SIDS(2008))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)のデータからは限度量においても標的臓器を特定できない。経口経路では区分外相当と考えられるが、他経路での毒性情報がなく、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG423)で、区分2上限の2,000 mg/kgで投与後に立毛、円背姿勢がみられたが死亡はなく、剖検でも異常はみられなかった(SIDS(2008))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 本物質自体のデータはないため、データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)カリウム=水素=ホルマートについて、ラットを用いた13週間混餌投与試験において、区分2超の600 mg/kg/day(本物質換算:291 mg/kg/day)で、胃の肥厚、前胃の扁平上皮過形成がみられた(SIDS(2008))。 (2)カリウム=水素=ホルマートについて、ラットを用いた104週間混餌投与試験において、区分2超の400 mg/kg/day(本物質換算:194 mg/kg/day)で、胃の基底細胞及び扁平上皮細胞の過形成、胃のアカントーシス、過角化、その他十二指腸のブルンナー腺の肥大、唾液腺腺房細胞の肥大などの所見がみられた(SIDS(2008)、食品安全委員会飼料添加物評価書(2007))。 (3)カリウム=水素=ホルマートについて、マウスを用いた80週間混餌投与試験において、区分2超の400 mg/kg/day(本物質換算:194 mg/kg/day)で、前胃の過形成、扁平上皮の肥厚がみられた(SIDS(2008)、食品安全委員会飼料添加物評価書(2007))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
- |
- | - | 藻類(ムレミカズキモ)72時間EC50 (生長速度)= 1240 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 365 mg/L、魚類(ゼブラフィッシュ)96時間LC50 = 130 mg/L(ともにOECD SIDS: 2008)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 慢性毒性データが得られていない。急速分解性に関する適切なデータが得られていないが、蓄積性がないと予測され(LogKow: -3.34 (EST, PHYSPROP Database: 2018))、急性毒性区分外であることから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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