GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7311-27-5
名称 11-(4-ノニルフェノキシ)-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-オール 【Nonoxynol-4(p-体)】
物質ID H30-A-007-METI, MOE
分類実施年度 平成30年度
分類実施者 経済産業省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である(Nonoxynol-4は液体(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))として知られており、エチレンオキシドの付加モル数9.5のo-,m-,p-体混合物の場合から推定可能)。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である(Nonoxynol-4は液体(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))として知られており、エチレンオキシドの付加モル数9.5のo-,m-,p-体混合物の場合から推定可能)。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である(Nonoxynol-4は液体(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))として知られており、エチレンオキシドの付加モル数9.5のo-,m-,p-体混合物の場合から推定可能)。
6 引火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、エチレンオキシドの付加モル数9.5のo-,m-,p-体混合物の引火点は282℃(有害性評価書(2007))である。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である(Nonoxynol-4は液体(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))として知られており、エチレンオキシドの付加モル数9.5のo-,m-,p-体混合物の場合から推定可能)。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である(Nonoxynol-4は液体(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))として知られており、エチレンオキシドの付加モル数9.5のo-,m-,p-体混合物の場合から推定可能)。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である(Nonoxynol-4は液体(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))として知られており、エチレンオキシドの付加モル数9.5のo-,m-,p-体混合物の場合から推定可能)。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分外とした。なお、(2)(3)は異性体比率情報が不明である。

【根拠データ】
(1)雄ラットのLD50(Nonoxynol-4(p体)):7,400 mg/kg(CIR(Cosmetic Ingredient Review)Expert Panel(2016)、J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。

【参考データ等】
(2)雄ラットのLD50:4,300 mg/kg(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。
(3)ラットのLD50:4,290~7,400 mg/kg(Canada PS評価書(2001))。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分外(国連分類基準の区分5)とした。なお、(2)は異性体比率情報が不明である。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50(Nonoxynol-4(p体)):2,550~2,575 mg/kg(LD50:2.5 mL/kg(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))、および比重:1.02~1.03 (CIR Expert Panel(2016))よりの算出値)

【参考データ等】
(2)ウサギのLD50:> 2,000 mg/kg(Canada PS評価書(2001))
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分外とした。なお、当該物質の飽和蒸気濃度は不明であるが、1%エアロゾル(水溶液分散剤)にて試験が行われたという記述から、ミスト基準を適用した。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(8時間):> 21.7 mg/L (0.0213 mL/L及び比重:1.02~1.03より算出、4時間換算値:> 43.4 mg/L、21.7 mg/Lの濃度で死亡例なし)(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983)、CIR Expert Panel(2016))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2とした。なお、皮膚刺激性を示さないとのデータ(3)、(4)もあるが、これらの信頼性とデータ(1)、(2)の信頼性を比較し、証拠の重みを踏まえて判断した。

【根拠データ】
(1)ヒト111人(男性10人、女性101人)の背部皮膚にNonoxynol-4(p体)の10%溶液(鉱物油中)の48時間閉塞適用を反復適用(3回/週×3週、感作段階)したところ、36/111(32.4%)にごく軽度~中等度の紅斑が見られたとの報告がある(CIR Expert Panel(2016)、Canada PS評価書(2001))。
(2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験においてNonoxynol-4(p体)を24時間閉塞適用したところ、0.5 mLの適用群(n=6)は明瞭~重度の紅斑、軽度~重度の浮腫が全例で見られ、ばく露開始後24、72時間の紅斑及び浮腫の平均スコアに基づく一次刺激指数(PII)は5.58だったとの報告がある(CIR Expert Panel(2016)、J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。
(3)ヒト(男女各25人)の背部皮膚にNonoxynol-4(p体)の原液を初回48時間、その後24時間間隔で14回反復適用した刺激性試験で、刺激性は見られなかったとの報告がある(CIR Expert Panel(2016)、J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。
(4)ウサギを用いた皮膚刺激性試験においてNonoxynol-4(p体)を24時間閉塞適用したところ、0.01 mLの適用群(n=5)で刺激性を示さなかったとの報告がある(CIR Expert Panel(2016)、J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
【分類根拠】
(1)より、ガイダンスに従い区分2Aとした。なお、(2)は観察期間が24時間、(3)は被験物質濃度が低いため、分類判断には用いなかった。

【根拠データ】
(1)ウサギを用いた眼刺激性試験(n=6)で4-Nonoxynol(p体)原液を適用したところ、角膜、虹彩及び結膜に中等度の刺激性が見られ、7日後にも完全回復しなかったとの報告がある(CIR Expert Panel(2016)、J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。

【参考データ等】
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験(n=5)で本物質原液を適用したところ、24時間後に中等度の刺激が見られたとの報告がある(CIR Expert Panel(2016)、J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。
(3)ウサギを用いた眼刺激性試験(n=6)で本物質5%調剤(保湿ローション)を適用したところ、刺激性はほぼ見られなかったとの報告がある(CIR Expert Panel(2016)、J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
ヒトに対する試験で感作性なしとの報告(1)と、少数に感作性が見られたとの報告(2)があるが、区分への該否を判断する十分な証拠がないと判断し、分類できないとした。

【参考データ等】
(1)ヒト(男女各25人)の背部皮膚にNonoxynol-4(p体)の原液を初回48時間、その後24時間間隔で14回反復適用し、2週間の投与中止後に24時間適用し反応を誘発したが、感作性は見られなかったとの報告がある(CIR Expert Panel(2016)、J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。
(2)ヒト111人(男性10人、女性101人)の背部皮膚にNonoxynol-4(p体)の10%溶液(鉱物油中)の48時間閉塞適用を反復適用(3回/週×3週、感作段階)し、2週間後に48時間閉塞パッチを適用(誘発)したところ、ごく軽度~中程度の紅斑が36/111例に見られ、3/36例がアレルギー性接触皮膚炎と判定されたため、3例に対して再試験(30分間適用)を行ったところ、アレルギー性反応が再現されたのは1/3例であり、反応も軽微であったとの報告がある(CIR Expert Panel(2016)、J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、ガイダンスに従い分類できないとした。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、Nonoxynol-4(異性体比率不明)はマウス骨髄細胞を用いた小核試験(腹腔内投与)で陰性との報告がある(Canada PS評価書(2001))。
(2)In vitroでは、Nonoxynol-4(異性体比率不明)の細菌を用いた復帰当然変異試験、およびラット初代肝細胞を用いた不定期DNA合成(UDS)試験において陰性との報告がある(Canada PS評価書(2001))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。
実験動物では、(1)より、異性体比率不明であるもののNonoxynol-4について発がん性の報告はなく、国内外の分類機関による既存分類もないことから、本項は分類できないとした。

【根拠データ】
(1)Nonoxynol-4(異性体比率不明)をラットに200 mg/kg/day、イヌに40 mg/kg/dayで2年間混餌投与したが、発がん性はみられなかった(J. Am. Col. Toxicol., 2, 35-60(1983)、Canada PS評価書(2001)、CIR Expert Panel(2016))。
(2)国内外の分類機関による既存分類はない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、(1)は症状が見られた投与量が不明のため、分類に利用できない。

【参考データ等】
(1)ウサギに経皮投与した単回投与試験(投与量1,020 mg/kg~6,798 mg/kg)において、様々な用量で皮膚の紅斑および壊死がみられ、死亡例では肺のうっ血及び出血がみられたとの報告がある。(J. Am. Coll. Toxicol., 2, 35-60(1983))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、本物質は経口経路では区分外相当であるが、他経路での毒性情報が不足しており、分類できないとした。

【根拠データ】
(1)Nonoxynol-4(p体)をラット及びイヌに90日間混餌投与した試験において、区分2の範囲の用量では影響はみられず、ラットで1,000 mg/kg/dayで成長遅延および肝臓重量増加、イヌで200 mg/kg/dayで肝臓重量増加がみられただけであった(J. Am. Col. Toxicol., 2, 35-60(1983)、CIR Expert Panel(2016))。
(2)Nonoxynol-4(p体)をラット及びイヌに2年間混餌投与した試験において、区分2の範囲の用量では影響はみられず、ラットで1,000 mg/kg/dayで体重減少および肝臓肥大、イヌでは1,000 mg/kg/dayで体重減少、嘔吐、血清ALP活性の増加がみられた(J. Am. Col. Toxicol., 2, 35-60(1983)、CIR Expert Panel(2016))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
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- - データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
-
-
- - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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