項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 112-53-8 |
名称 | ドデカン-1-オール |
物質ID | H30-B-004-METI, MOE |
分類実施年度 | 平成30年度 |
分類実施者 | 経済産業省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成20年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は250℃(ISCS(J)(2013))であり常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が55℃以下の固体であるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分外とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50値:> 12.8 mL/kg(約10,600 mg/kg)(SIDS(1995)、PATTY(6th, 2012)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分外とした。 【根拠データ】 (1)モルモットのLD50値:> 10 mL/kg(約8,300 mg/kg)(SIDS(1995)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、LC50値の算出は困難であるが、(1)の情報がある。 【参考データ等】 (1)ラットに本物質を1.05 mg/Lで1、6又は18時間吸入ばく露したが、死亡例はみられなかった(SIDS(1995))。なお、GHS分類の定義では固体であるが、融点24℃であることから試験では液体として取り扱われた可能性もある。試験条件についての記載はなく、試験が粉塵又はミストのいずれかで行われたかは判別できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(3)より、区分外(国連分類基準の区分3)とした。なお、(4)は適用期間が短く、(5)は昇温融解による適用であり、分類には用いなかった。 【根拠データ】 (1) ヒト20人(22~53歳(平均34.9歳))に本物質(Lorol C12-98)原液を4時間、半閉塞適用したパッチテスト(OECD TG404, GLP)で、刺激性は見られなかったとの報告がある。(SIDS Dossier(2006)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018)、DEFGOT(2006))。 (2) ヒトボランティア25人に本物質4%ワセリン溶液を48時間皮膚に接触させたが、刺激性は見られなかったとの報告がある(PATTY(6th, 2012)、HSDB(2015))。 (3)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404, GLP)で、本物質(Kalcol 2098)10%溶液を4時間、半閉塞適用したところ、紅斑スコア:1、浮腫スコア:0.3、一次刺激指数(PII):1.3で7日後には回復したため国連分類基準の区分3に相当するとの報告がある(SIDS Dossier(2006))。 【参考データ等】 (4)ヒト20人に本物質(Lorol C12-98)原液を1時間適用したBurckhardt試験において、刺激性は見られなかったとの報告がある(SIDS Dossier(2006))。 (5)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404, GLP)で、本物質(Kalcol 2098)を40℃で融解して4時間、半閉塞適用したところ、紅斑スコア:2、浮腫スコア:1.7、一次刺激指数(PII):3.5で7日後には回復したとの報告がある(SIDS Dossier(2006))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
【分類根拠】 (1)より、区分2Bとした。なお、(2)、(3)は被験物質の詳細が不明であり分類には用いなかった。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP、n=6)でNeodol 91(C8:<1%、C9:18%、C10:48%、C11:38%、C12:1%)の原液を適用した結果、虹彩スコア:0、角膜混濁スコア:0.17、結膜スコア:0.5、結膜浮腫スコア:0.39が得られ、どれも7日間で回復し、Maximum mean total score(MMTS)は8.8/110だったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。 【参考データ等】 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405)で本物質(technical grade)は刺激性を示さなかったとの報告がある(DEFGOT vol.22(2006))。 (3)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP、n=6)で本物質(純度等不明)の原液を適用した結果、軽度~中等度の角膜混濁、紅斑、結膜浮腫が見られたが、5例が72時間後までに回復し、残りの1例は悪化し軽度の虹彩炎も見られたとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。 (4)ウサギを用いた眼刺激性試験で本物質を68.9%又は63.3%含有する市販品A又はB(いずれもC10~C18体混合物)を適用した結果(n=3(非洗浄)、3(洗浄))、1時間後にいずれの製品でも主に結膜に軽度の刺激症状が見られ、ほとんどのスコアが3~4日以内でゼロになったが、1例だけ回復に14日を要したとの報告がある(SIDS(1995))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(4)より、区分外とした。なお、(5)は混合物、(6)、(7)は刺激性反応も含まれることから感作性の有無を判断するのは困難であり、分類には用いなかった。新たな情報源を採用することで旧区分から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ヒトボランティア25人へのMaximization試験において、本物質4%ワセリン調剤の適用で感作性は見られなかったとの報告がある(SIDS(1995)、HSDB(2015)、PATTY(6th, 2012))。 (2)モルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406、GLP、試験群10匹/群、対照群5匹/群)で本物質(Kalcol 2098:C12>98%)の10%閉塞適用で感作性は見られなかったとの報告がある(SIDS Dossier(2006)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。 (3)モルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406、試験群20匹/群、対照群10匹/群)で本物質(Dobanol 23:C12-13)の25%塗布で感作性は見られなかったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。 (4)モルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406、試験群20匹/群、対照群10匹/群)で本物質(Dobanol 25;C12-16)の2.5%塗布で感作性は見られなかったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。 【参考データ等】 (5)モルモットを用いたBuehler試験(OECD TG406、GLP)において、Neodol 91(C8:<1%、C9:18%、C10:48%、C11:38%、C12:1%)、Neodol 23(C11:<1%C12:41%、C13:58%、C14:<1%)に対して3件の試験が実施され、感作性は見られなかったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。 (6)ヒト湿疹患者1,664人に本物質の5%又は10%ワセリン調剤を塗布した結果、5%で4例、10%で15例が陽性反応を示したが、刺激性反応も含まれると判断されることから、当該試験結果をもって判断するのは難しいとの報告がある(SIDS(1995))。 (7)ウールワックスアルコール(ラノリンアルコール)に接触アレルギーを有する患者51人に本物質の30%調剤を塗布した結果、22例が陽性反応を示し、うち9例が適用24、48、72時間後にグレード2+又は3+の紅斑、発赤、水疱性丘疹等が見られたとの報告がある(SIDS(1995))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2)より、ガイダンスに従い分類できないとした。 【根拠データ】 (1) マウスの骨髄を用いたin vivo小核試験(OECD TG474、GLP)、単回経口投与、5,000 mg/kg)で、陰性であった(SIDS(1995))。 (2) In vitroでは細菌を用いた復帰突然変異試験は陰性であった(SIDS(1995))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。 (1)、(2)は通常のばく露経路での試験結果ではなく、国内外の分類機関による既存分類もないことから、データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1)マウスに本物質を週3回の頻度で8週間腹腔内投与(総投与量:2,400、12,000 mg/kg)した結果、投与群に肺腫瘍がみられたが発生率に有意な増加はなく、他の臓器に腫瘍の発生増加もみられなかった(SIDS(1995))。 (2)既知発がんイニシエータとの併用による本物質の共発がん物質(cocarcinogen)としてのポテンシャルを評価するためマウスに440日間(10 mg/回)経皮適用した試験において、イニシエータとの併用による皮膚腫瘍発生の有意な増加は認められず、また、本物質の単独群では皮膚腫瘍発生は認められなかった(SIDS(1995))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)のデータから、経口投与では限度量までの用量で生殖発生影響は検出されなかったが、スクリーニング試験のため区分外とできず、他に分類に利用可能なデータがないことから、分類できないとした。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422)において、最高用量群の2,000 mg/kg/dayで妊娠率の低下傾向がみられたが有意差はなく、限度量投与によっても生殖発生影響は検出されなかった(SIDS(1995))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)より、区分1~区分2の用量の範囲で肺への影響がみられている。症状がみられた時間の記載がないため、より有害性の高い区分を採用し、区分1(呼吸器)とした。旧分類から区分を変更した。なお、(1)は、試験条件についての記載はなく、試験が粉塵又はミストのいずれかで行われたかは判別できない。 【根拠データ】 (1) 雄ラットを用いた本物質1.05 mg/Lを1~18時間単回吸入ばく露(4時間換算値:0.27 mg/L~4.7mg/L)した試験では、死亡例はなく、症状として自発運動減少、軽度呼吸困難、剖検で少数例の肺に散在性出血が認められた(SIDS(1995))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)のデータからは、経口投与では区分2までの用量範囲で標的臓器を特定可能な毒性所見は認められない。この他、分類に利用可能なデータはなく、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による雄で41~45日、雌で約54日の反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422)において、区分2の範囲内である100 mg/kg/day以上(90日換算値:46 mg/kg/day以上)で総白血球数の軽度減少がみられたが、白血球百分比の各値に変動はなく、毒性学的意義は不明とされた。また区分2超の範囲である500 mg/kg/day以上(90日換算値:228 mg/kg/day以上)で赤血球数の減少がみられた(SIDS Dossier(2006)、SIDS(1995)、PATTY(6th、2012))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 ヒトでの知見がなく、データ不足のため分類できない。なお、3 以上13 を超えない炭素原子で構成された一級のノルマルアルコールであること、(1)~(3)より、実験動物への吸引性呼吸器有害性が示されていることから、国連分類基準の区分2に相当する。 【根拠データ】 (1)雄ラットに本物質0.2 mL(188 mg/匹)を口内に投与し、吸引(aspiration)させた結果、9/10例が死亡し、うち7例が30分以内に死亡した。死因は大量かつ広範囲に及ぶ重度肺出血であったとの報告がある(SIDS(1995)、PATTY(6th、2012))。 (2)ラットでは少量の本物質が炭化水素溶媒のように振舞い、肺水腫による死亡を生じる(HSDB(2015))。 (3)本物質の動粘性率は21.7 mm2/s(20℃)ISCS(J)(2013)であり、40℃においても14 mm2/s 以下になると予想される。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(ソコミジンコ)96時間LC50 = 0.9 mg/L(OECD SIDS: 2002)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 |
- |
H412 |
P273
P501 |
急速分解性があり(良分解性、類似化学物質の分解性との比較により判定(化審法DB:2012)、藻類(Senedesmus subspicatus)の96時間EC10 (影響不明)= 0.73 mg/L(OECD SIDS: 2002)であることから、区分3とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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