項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 25013-15-4 |
名称 | ビニルトルエン |
物質ID | H30-B-011-MHLW, MOE |
分類実施年度 | 平成30年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 |
警告 |
H226 |
P303+P361+P353
P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点が45-53℃(closed cup)(ICSC(1996)(J))である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外[但し、安定剤入り] |
- |
- | - | 自己反応性に関連する原子団(エチレン基)を含むが、UNRTDGで安定剤入りのものがUN2618、クラス3、PGⅢに分類されているので、優先評価項目の自己反応性化学品には該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は489~515℃(ICSC(1996)(J))であり常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(4)より、3件が区分外(国連分類基準区分5)、1件が区分外に該当する。よって件数の多い区分外(国連分類基準区分5)とした。ガイダンスの改定により分類結果の記載を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50値:2,000-5000 mg/kg(雄)(MAK/BAT(2017)) (2)ラットのLD50値:約4,000 mg/kg(雄)(m-, p-混合物)(MAK/BAT(2017)) (3)ラットのLD50値:4,000 mg/kg(m-, p-混合物)(ACGIH(1992)、Patty(2012)) (4)ラットのLD50値:5700 mg/kg(o-, p-混合物)(Patty(2012)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、区分外とした。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50値:>4,500 mg/kg(雄、雌)(MAK/BAT(2017)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(2)より、区分外とした。なお、飽和蒸気濃度1,480ppmであり、飽和蒸気濃度を超えた範囲で試験が行われていることから、ミストの吸入試験として取り扱った。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50値(4時間):>3,500 ppm(>16.90 mg/L)(雄、雌)(MAK/BAT(2017)) (2)ラットのLC50値(6時間):>1,960 ppm(>9.467 mg/L、4時間換算値:>11.59 mg/L)(雄、雌)(MAK/BAT(2017)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
【分類根拠】 反復適用のデータ(2)からは回復性を伴う刺激性が示されており、(1)を支持している。24時間適用のデータ(3)は区分外を示しているが、証拠の重みづけを踏まえて区分2とした。 【根拠データ】 (1)本物質はヒトの皮膚を刺激し、刺激性を有することが一般的に知られている物質との記述がある(NTP TR375(1990)、HSDB(Accessed Aug. 2018))。 【参考データ等】 (2)ウサギを用いた試験において、本物質を13日間にわたり10回適用したところ、わずかから中等度の刺激性を示したが回復も早かったとの報告がある(DFG(2017))。 (3)ウサギを用いた皮膚刺激性試験で本物質を24時間適用したところ、PII(皮膚一次刺激指数)が1.5だったとの報告がある(ECHA登録情報(Accessed Jul. 2018))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
【分類根拠】 重度の刺激性を示すとの情報(1)と軽度の刺激性を示すとの情報(2)、(3)があるが、(1)はばく露の詳細が不明であり、証拠の重みづけにより区分2とした。なお、新たに得られた情報を用いて旧区分から区分を変更した。 【根拠データ】 (1)400 ppm以上の濃度でヒトの眼や鼻に対して重度の刺激性が見られたとの報告がある(MAK/BAT(2017)、IARC 60(1994)、NTP TR375(1990))。 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験(m-体:約55~70%、p-体30~45%の異性体混合物)で本物質を適用後7日間観察した結果軽度の結膜刺激が見られたとの報告がある(MAK/BAT(2017))。 (3)ウサギを用いた眼刺激性試験で本物質を適用後7日間観察した結果、最大スコアは1であり紅斑、膿の分泌が見られたが、最終的には回復したとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Jul. 2018))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 本物質は皮膚感作性を示さないという情報(1)もあるが、試験の詳細が不明であり、データ不足のため分類できないとした。 【参考データ等】 (1)モルモットを用いたMaximization試験(n=15(雄))で本物質(m-体、p-体混合体)を適用したところ、皮膚感作性を示さなかったとの報告がある(MAK/BAT(2017)、REACH登録情報(Accessed Jul. 2018))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3)より、マウス赤血球を用いた小核試験で陽性知見に基づき、区分2とした。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、ラットの優性致死試験で陰性であった(MAK/BAT(2017))。 (2)In vivoでは、ラット骨髄を用いた染色体異常試験で陰性(MAK/BAT(2017))、マウス赤血球を用いた小核試験で陽性(MAK/BAT(2017)、IARC 60(1994))であった。 (3)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験では陰性(MAK/BAT(2017)、IARC 60(1994))、ヒトリンパ球による染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験で弱い陽性(MAK/BAT(2017)、IARC 60(1994))、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性(MAK/BAT(2017))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。 (1)~(3)より、分類できないとした。 【根拠データ】 (1)雌雄ラット及びマウスに本物質(p-異性体:96.8%、m-異性体:3%)それぞれ10, 50, 250, 500 mg/kg bwで108週、10, 50, 250 mg/kg bwで78週経口投与した結果、悪性腫瘍、良性腫瘍が発生した割合・数に有意な増加は認められなかった(IARC 60(1994))。 (2)雌雄ラット及びマウスに本物質(p-異性体:32-35%、m-異性体:65-71%)それぞれ100, 300 ppmで103週、10, 25 ppmで103週吸入ばく露した結果、いずれの性でも投与に関連した腫瘍発生の増加は認められなかった(IARC 60(1994)、NTP TR375(1990))。 (3)国内外の分類機関による既存分類では、IARC 60(1994)がグループ3、ACGIH がA4(7th, 2001)に分類している。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)より、ラットの2世代繁殖毒性試験における児動物の死亡率増加の報告があるが、統計的な有意性や親動物の全身状態などの詳細が不明であるため、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた経口経路(混餌)による2世代繁殖毒性試験では、500mg/kg/dayの投与により、親動物は体重増加抑制が見られ、F1児動物は死亡率の僅かな増加がみられた(MAK/BAT(2017))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系)、区分3(麻酔作用、気道刺激性) |
警告 |
H371
H336 H335 |
P308+P311
P260 P264 P270 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
【分類根拠】 (1)~(3)より、区分2(神経系)、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。なお、旧分類から標的臓器及び区分を変更した。 【根拠データ】 (1)ヒトにおいて高濃度に持続吸入ばく露された場合、中枢神経抑制がみられるとの報告がある(NTP TR 375(1990))。 (2)400 ppmにばく露した被験者に気道刺激を生じたとの報告がある(ACGIH(7th, 2001)、PATTY(6th, 2012))。 (3)ラットに3,500 mL/m3(値換算:16.9 mg/L、区分2超)で4時間吸入ばく露させた試験において、ばく露中に呼吸異常、眼・鼻・耳からの分泌物が、ばく露後に筋力の低下、反射の喪失、非協調運動、振戦がみられたとの報告がある(MAK/BAT(2017))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)および(2)のデータから区分1(呼吸器)とした。 ヒトの中枢神経系影響は本物質の影響かどうか不明のため、標的臓器としない。また、(6)で雄ラットに腎症の程度の増強がみられたが、雌ラット、雌雄マウスには腎臓への影響がみられておらず、雄ラット特異的な腎障害と判断した。(3)、(4)で認められた肝臓への影響は長期のばく露試験では認められなかったため、短期的な一過性影響と判断し、標的臓器としない。 旧分類から標的臓器を見直したため、区分を変更した。 【根拠データ】 (1)マウスに10~200 ppmを13週間吸入ばく露した試験において、10 ppm(換算値:0.0343 mg/L、区分1の範囲)以上で鼻甲介の化生(雌雄)が、160 ppm(換算値:0.549 mg/L、区分2の範囲)で肺炎(雌雄)がみられたとの報告がある(NTP TR375(1990)、ACGIH(7th, 2001))。 (2)マウスに10~25 mg/Lを2年間吸入ばく露した試験において、10 ppm(換算値:0.0343 mg/L、区分1の範囲)以上で鼻粘膜に変性及び非腫瘍性増殖性病変(限局性慢性活動性炎症、呼吸上皮のび漫性過形成)がみられたとの報告がある(NTP TR375(1990)、ACGIH(7th, 2001))。 【参考データ】 (3)ヒトでは職業ばく露により、抑うつ、記憶力低下、電気生理学的変化など中枢神経系への影響があるとの報告があるが、他の神経毒性を有する物質との複合ばく露の情報である(IARC 60(1994))。 (4)ラットに200~1,300 ppmを2週間吸入ばく露した試験において、1,300 ppm(換算値:4.46 mg/L、区分外相当)で肝臓に小葉中心性肝細胞壊死及び限局性炎症性細胞浸潤(雄)、軽微な小葉中心性空胞化(雌)、気管支上皮の異形成、慢性気管支炎及び肺のリンパ組織過形成(雌雄)がみられたとの報告がある(NTP TR375(1990))。 (5)マウスに10~200 ppmを2週間吸入ばく露した試験において、200 ppm(換算値:0.686 mg/L、区分2の範囲)で肝細胞壊死(雄)、小葉中心性肝細胞壊死、空胞化及び炎症性細胞浸潤(雌)、肺内気管支上皮の過形成(雌)がみられたとの報告がある(NTP TR375(1990))。 (6)ラットに25~1,000 ppmを13週間吸入ばく露した試験において、160 ppm(換算値:0.549 mg/L、区分2の範囲)以上で用量相関的な腎症の程度の増強(雄)がみられたとの報告がある(NTP TR375(1990)、ACGIH(7th, 2001))。 (7)ラットに100~300 ppmを2年間吸入ばく露した試験において、100 ppm(換算値:0.343 mg/L、区分2の範囲)以上で雌雄に鼻粘膜に変性及び非腫瘍性増殖性病変(嗅上皮の呼吸上皮化生、上皮内に粘液性嚢胞を有する呼吸上皮のび漫性過形成、嗅上皮の限局性糜爛など)がみられたとの報告がある(NTP TR375(1990)、ACGIH(7th, 2001))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
- |
- | - | 信頼性のある急性毒性データが得られていない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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