GHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 95-33-0
名称 N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド
物質ID H30-B-013-MHLW, MOE
分類実施年度 平成30年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、難燃性である(GESTIS(Accessed Aug. 2018))との記述がある。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4)より、区分外とした。

【根拠データ】
(1)ラットにおけるLD50値:>5,000 mg/kg(EU-RAR(2008)、SIDS SIAP(2008))
(2)ラットにおけるLD50値:5,300 mg/kg(EU-RAR(2008))
(3)ラットにおけるLD50値:6,850 mg/kg(EU-RAR(2008))
(4)ラットにおけるLD50値:>7,940 mg/kg(Patty(2012))
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分外とした。

【根拠データ】
(1)ウサギにおけるLD50値:>7,940 mg/kg(EU-RAR(2008)、SIDS SIAP(2008),Patty(2012))
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、区分外とした。

【根拠データ】
(1)本物質原体を用いてヒト200人にパッチテストしたところ、刺激性は示さなかったとの報告がある(EU-RAR(2008))。
(2)本物質70%調剤(ワセリン中)を用いてヒト51人にパッチテストしたところ、8人で刺激性の兆候として紅斑が見られたとの報告がある(EU-RAR(2008))が、これを刺激性なしと判断している情報源もある(PATTY(6th, 2012))。
(3)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(n=3/雌雄、GLP準拠)で、本物質(生理食塩溶液)を24時間半閉塞適用後に3匹に対してスコア1.0の紅斑が見られたが、72時間後には回復したとの報告がある(EU-RAR(2008)、REACH登録情報(Accessed Aug. 2018))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分外(国連分類基準の区分3)とした。

【根拠データ】
(1)ウサギを用いた眼刺激性試験(n=3、GLP準拠)で、本物質を適用したところ、虹彩炎、角膜混濁、結膜浮腫のスコアは0で結膜発赤のスコアは1.3だったが、96時間以内に回復したとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Aug. 2018))。
(2)ウサギを用いた動物試験(n=3/雌雄)で本物質を適用したところ、Draizeスコア1.8/110が得られ、24時間後に5/6例で軽度の結膜発赤と中等度の分泌物が見られたが、48時間後には回復したとの報告がある(SIDS(2008)、REACH登録情報(Accessed Aug. 2018))

【参考データ等】
(3)本物質はヒトへの職業ばく露によって眼刺激性を示すことが報告されている(PATTY(6th, 2012))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)~(3)より、区分1とした。

【根拠データ】
(1)本物質0.33%調剤(メルカプト中)でゴム接触皮膚炎患者32名にパッチテストをしたところ、3人で感作性が見られた(陽性率9%)との報告がある(日本接触皮膚炎学会アレルゲン解説書)。
(2)本物質70%調剤(ワセリン中)でヒト51人にパッチテストしたところ、5人で感作性が見られたとの報告がある(EU-RAR(2008)、PATTY(6th, 2012))。
(3)本物質は ヒト(作業者や消費者)に対して感作性を有することがスペイン、ポーランド、デンマーク、インドで報告されている(EU-RAR(2008))。

【参考データ等】
(4)本物質25%調剤(エタノール中)を用いたモルモットに対するBuehler試験(雄雌各10例)では、感作性が見られなかったとの報告がある(EU-RAR(2008)、PATTY(6th, 2012))。
(5)EU CLPでは本物質をSkin Sens. 1、DFGではShに分類している。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験(PATTY(6th, 2012)、SIDS (2008)、厚労省既存化学物質毒性データベース(Accessed Aug. 2018))、ほ乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験(PATTY(6th, 2012)、SIDS (2008))、同染色体異常試験(SIDS (2008)、厚労省既存化学物質毒性データベース(Accessed Aug. 2018))で陰性の報告がある。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。
動物試験結果からは発がん性の証拠はなく、(1)のマウスの陰性結果のみの限定的な証拠である。既存分類結果もなく、データ不足のため分類できないとした。

【根拠データ】
(1)2系統の雌雄マウスに215 mg/kg/dayで21日経口投与の後、17ヵ月混餌投与(95.3 mg/kg/day)した試験において、投与群は対照群に対して生存率に違いは認められなかった(EU-RAR(2008))。また、全ての群で腫瘍が見られたものの統計的有意差は認められなかった。
(2)国内外の分類機関による既存分類結果はない。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3)より、妊娠ラットの器官形成期に経口投与した発生毒性試験では3件の試験データが得られ、母動物の体重増加の抑制と児動物の平均体重減少が認められている。(1)ではさらに、児動物に奇形を含む発生影響が母動物毒性発現量又はそれ以下の用量でみられているが、EUでは、本試験で用いられた特定のラット系統には入手可能な背景データがないために催奇形性の可能性を示しているとみなしていない(EU-RAR(2008))ことから、区分2に分類した。

【根拠データ】
(1)妊娠6~15日のDAKラットに50, 150, 450 mg/kg/dayを強制経口投与した試験では、児動物に対して、450 mg/kg/dayの投与により同腹児の早期吸収頻度の有意な上昇、同腹児あたりの後期吸収及び着床後胚損失率の上昇などの影響が認められた。150 mg/kg/day以上の群で用量依存的な内水頭症の増加が観察されている(EU-RAR(2008))。
(2)妊娠0~20日のラットに0.7, 7.1, 69.6, 288.8 mg/kg/dayを混餌投与した試験では、母動物では69.6 mg/kg/day 以上で体重増加抑制、288.8 mg/kg/day で摂餌量の減少がみられ、また、288.8 mg/kg/day で胎児・胎盤重量の低値がみられている(EU-RAR(2008))。
(3)妊娠6~15日のラットに100, 300, 500 mg/kg/dayを強制経口投与した試験では、500 mg/kg/day で母動物の体重増加抑制、胎児重量の低値がみられている(EU-RAR(2008))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓)


警告
H373 P260
P314
P501
【分類根拠】
(1)より、区分2(腎臓)とした。新しい情報源の利用により旧分類から分類結果を変更した。なお、(2)で見られている血液への影響は、プロトロンビン時間の短縮であり毒性学的意義が低いと考え、血液系は標的臓器としない。

【根拠データ】
(1)実験動物への本物質投与による影響は250 mg/kg/day以上でみられ、血液凝固障害の徴候(雌雄)と腎臓への影響(雄)であると結論づけられている(EU-RAR(2008)、SIDS SIAP(2008))。
(2)ラットに28日間強制経口投与した試験では、区分2の範囲の250 mg/kg/day(90日換算:77.8 mg/kg/day)以上で、プロトロンビン時間の有意な短縮(雄)、尿中ケトン体増加(雄)、腎臓近位尿細管上皮における硝子滴増加(雄)がみられた(既存化学物質毒性データベース(Accessed Jul. 2018)。
(3)ラットの28日間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週)で、区分1の範囲の0.0144 mg/L(90日換算:0.0032 mg/L)以上で、血清GOT(AST)活性の増加(雌雄)、区分1の範囲の0.048 mg/L(90日換算:0.011mg/L)で、脾臓のヘモジデリン沈着の増加(雌)、リンパ節の類洞マクロファージ内に褐色色素の増加がみられた。血清AST活性の増加は肝臓に組織変化がなかったことから、有害影響でないと判断され、脾臓のヘモジデリン沈着増加は赤血球溶血によると推定されたが、赤血球パラメーターに変化がないことから、毒性学的意義は低いと判断された(EU-RAR(2008))。
(4)ウサギを用いた21日間経皮ばく露試験では、最高用量の2,000 mg/kg/dayでも異常はみられなかった(EU-RAR(2008))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(ムレミカヅキモ) 72時間EC50(生長速度) = 0.15 mg/L(環境省生態影響試験: 2018)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度: 12%(化審法DB: 1978))、藻類(ムレミカズキモ)の72時間NOEC(生長速度)= 0.0084 mg/L(環境省生態影響試験: 2018)であることから、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

GHS関連情報トップページに戻る