GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 150-76-5
名称 パラ-メトキシフェノール
物質ID H30-B-026-MHLW, MOE
分類実施年度 平成30年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 発火点は421℃(ICSC(2004))であり常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)より、区分4とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:1,600 mg/kg(ACGIH(1997)、PATTY(6th, 2012))。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分外(国連分類基準の区分5又は区分外に相当)とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:>2,000 mg/kg(OECD TG423)(NICNAS IMAP(2018)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))
(2)ウサギのLD50:>2,000 mg/kg(NICNAS IMAP(2018)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
ガイドライン及びGLP準拠のデータである(1)において、刺激性スコア及び所見(slightly)に基づき区分外(国連分類基準の区分3)とした。なお、(2)(4)は試験詳細が不明、(3)はそれに加えて試験期間が不適切であり、採用しなかった。新たな情報源を採用することで区分を変更した。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD Guideline 404、GLP準拠、半閉塞、4時間)においてslightly irritating(紅斑スコア:1.78、浮腫スコア:1.44)との報告がある(REACH登録情報(Accessed Oct. 2018)、NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018))。

【参考データ等】
(2)ウサギを用いた試験において、本物質10%溶液(日焼け止めローション)を皮膚に塗布すると紅斑と瘢痕を生じたとの報告がある(PATTY(6th, 2012))。
(3)ウサギを用いた試験において、本物質原液の1日以上の適用で重度のやけどや壊死を引き起こしたとの報告がある(PATTY(6th, 2012))。
(4)本物質は皮膚刺激性を有するとの記述がある(HSDB(2015))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
【分類根拠】
(1)より、区分2Bとした。なお、新たな情報源を採用することで区分を変更した。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3/sex)を用いた眼刺激性試験において軽度から中程度の結膜刺激(6/6)、角膜混濁(1/6)、角膜潰瘍(5/6)、虹彩変化(2/6)が発生したが、7日間で回復したとの報告がある(NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1とした。なお、新たな情報源を採用することで区分を変更した。

【根拠データ】
(1)モルモット(n=10)を用いた感作性試験(OECD TG406)において本物質6.2%溶液(ピーナッツ油)を皮内投与したところ、50%が反応したとの報告がある(NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018)、J. Am. Col. Toxicol., 4, 31-63.(1985))。
(2)モルモット(n=8)を用いた感作性試験(Freund's complete adjuvant test)において本物質3.9%水溶液を皮内投与したところ、50%が反応したとの報告がある(NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018)、J. Am. Col. Toxicol., 4, 31-63.(1985))。

【参考データ等】
(3)本物質を含有する複数のネイル製のヒト連続パッチテスト(HRIPT、n=50-51)において感作性は見られなかったとの報告があるが、本物質の含有量は不明である(NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018)、Cosmetic Ingredient Review(CIR)Expert Panel Repot(2015))
(4)EU CLPではSkin Sens.1に分類している。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)In vivoでは、ラットに最大40 mg/kg/dayで6ヵ月間経皮適用後に遺伝毒性はみられなかったとの記述があるが、詳細不明である(Cosmetic Ingredient Review(CIR)Expert Panel Repot(2015))
(2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性の報告がある(J. Am Coll. Toxicol., 4(1985))。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。
(1)でラット経口投与で前胃に高率に悪性腫瘍発生が認められ、低用量でも前腫瘍性病変がみられた。1種のみの発がん性の証拠であり、(2)の状況も考慮し区分2とした。

【根拠データ】
(1)ラット(n= 26(雄)、20(雌))に本物質を20,000 ppmで2年間混餌投与した結果、前胃に乳頭腫(雄50%、雌23%)、又は扁平上皮がん(雄77%、雌20%)が認められ、用量を4,000 ppmに下げて2年間混餌投与した場合には、前胃に乳頭状ないし結節状の過形成はみられたが、腫瘍の発生増加は認められなかった(NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018)、Cosmetic Ingredient Review(CIR)Expert Panel Repot(2015))。
(2)国内外の分類機関による既存分類はない。

【参考データ等】
(3)中期発がん性試験としては、ラットにイニシエーター(N-ニトロソジエチルアミン等)処置後に本物質を4,000 ppmで24~26週間混餌投与した結果、前胃乳頭腫の頻度増加を認めたとの報告がある(CIR Expert Panel(2014))。
(4)ラットにイニシエーター(MNNG:N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine)処置後に本物質を最大20,000 ppmで51週間混餌投与したが、本物質併用群ではイニシエーター単独投与群に比べて、前胃腫瘍の発生頻度の上昇はみられなかったとの報告がある(CIR Expert Panel(2014))。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)の本物質製品を用いた生殖毒性データから、母動物に皮膚症状がみられる用量で、母動物に分娩困難、児動物に生後の死亡率増加、成長抑制などがみられた。母動物には皮膚症状と啼鳴以外に全身毒性の記述がない。よって、母動物の一般毒性影響が明らかではない状況で、母動物に分娩障害、出生児の生存率及び成長への悪影響がみられたことから、区分2とした。

【根拠データ】
(1)ラットの妊娠期間を通して、本物質2%含有製品を本物質換算用量として12~120 mg/kg/dayで経皮投与した試験で、F0の全投与群に皮膚刺激症状(皮膚の発赤、肥厚、痂皮形成)、40 mg/kg/day以上で啼鳴、交配後25日までの非分娩例が40及び120 mg/kg/day群の雌各6例に、120 mg/kg/dayで体重増加抑制、雌4例に哺育5日までに全児死亡が認められた。F1世代では120 mg/kg/day群の母動物から生まれた出生児の群において、死亡率の増加、体重減少、症状(活動性低下、蒼白、接触時の冷感)が認められたが、母動物に毒性が顕著に発現する用量での所見であった(CIR Expert Panel(2014))。

【参考データ等】
(2)本物質2%含有製品を妊娠ラット又は妊娠ウサギに経皮投与した発生毒性試験において、ラットで80 mg/kg/dayまで、ウサギで40 mg/kg/dayまでの用量では奇形発生はみられないとの報告がある(CIR Expert Panel(2014))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)のデータから、経口ばく露では実験動物の経口投与試験から区分に該当する影響はなく、(3)のデータから経皮ばく露では実験動物に対し局所影響のみで全身性影響はみられておらず、利用可能な情報からは分類できない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた5~7週間の混餌投与試験(200~50,000 ppm)で、1,000 ppm以上の雄、5,000 ppm以上の雌で体重増加抑制がみられたが、餌中の本物質に対する嗜好性低下による影響と考えられており、50,000 ppm投与群まで臓器に組織変化はみられなかった(J. Am. Col. Toxicol., 4, 31-63.(1985))。
(2)ウサギを用いた5~9週間の混餌投与試験(最大100,000 ppm)で、最高用量で体重低下がみられたが、臓器に組織変化はみられなかった(J. Am. Col. Toxicol., 4, 31-63.(1985))。
(3)経皮適用試験ではモルモットの黒色皮膚を脱色させたとの報告や、ウサギの皮膚に壊死を生じたとの報告がある(PATTY(6th, 2012)、ACGIH(7th, 2001))。

【参考データ等】
(4)本物質に職業ばく露された作業者8人中2人に皮膚の過剰な脱色による白斑が認められたとの報告がある(ACGIH(7th, 2001)、PATTY(6th, 2012))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
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-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50(遊泳阻害)= 2.2 mg/L (NLM HSDB: 2018, EPA/OPPT)であることから、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
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-
- - 慢性毒性データが得られていない。急速分解性があり(良分解性、BODによる平均分解度: 86%(化審法DB: 1990))、蓄積性がない(LogKow: 1.58 (PHYSPROP Database: 2018))ことから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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