GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 25155-23-1
名称 りん酸トリス(ジメチルフェニル)
物質ID H30-B-028-MHLW, MOE
分類実施年度 平成30年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- - 引火点は>245℃[Open Cup](HSDB(2018))は、所定の密閉式測定法でも93℃超えと判断できるため区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - HSDB(2018)に「この製品は自然発火しない」との記載がある。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 半金属(P)を含むが、水溶解度は0.89 ppm(25℃)(HSDB(2018))との測定データが得られており、水と急激な反応はないと考えられる。
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素(P)と結合しているが、データがなく、分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分外とした。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:>20,000 mg/kg(NITE初期リスク評価書(2007))
(2)ラットのLD50:>5,000 mg/kg(NITE初期リスク評価書(2007)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分外とした。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50: >2,000 mg/kg(NITE初期リスク評価書(2007)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分外(国連分類基準の区分3)とした。

【根拠データ】
(1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(Draize法、n=6、4時間半閉塞適用)で、24時間後に6/6で軽度の紅斑が見られ、2/6では72時間後も軽度の紅斑が見られたとの報告がある(NITE初期リスク評価書(2007)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
【分類根拠】
(1)より、区分2Bとした。

【根拠データ】
(1)ウサギを用いた眼刺激性試験(Draize法、n=9)で、適用後1時間で結膜に軽度から中程度の刺激が見られたが、24時間で回復したとの報告がある(NITE初期リスク評価書(2007)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性の報告がある(NITE初期リスク評価書(2007))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)のデータより、ラットの生殖毒性試験の結果、親動物に一般毒性影響がほとんど生じない用量において、雄の受精能低下によって妊娠が成立しなかったと考えられることから、ガイダンスに従い区分1Bとした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG422)において、200 mg/kg/day以上で妊娠率の低下がみられ、交尾確認した雌のうち妊娠・分娩成立例は200 mg/kg/dayで2/11例、1,000 mg/kg/dayでは0/10例であった。子宮内容物の検査から、妊娠率の低下は受精率の低下によるもので着床後胚損失ではないと確認された。雄の1,000 mg/kg/day群を投与終了後に回復期間をおいて、未処置雌と交配させた結果、妊娠・分娩が正常に生じたことから、雄の受精能低下は回復性のある影響であると判明した(SVHC提案書(2013)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。
(2)(1)の生殖毒性影響がみられた用量における一般毒性影響について、雄では1,000 mg/kg/dayで投与第1週に摂餌量低値・体重増加抑制の一過性影響のみ、雌では200 mg/kg/day以上で妊娠期後半に摂餌量低値・体重増加抑制がみられたが、妊娠不成立によるみかけの影響と考えられている(REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。

【参考データ等】
(3)EUは先に上記データを基にRepr. 1Bに分類し、SVHC候補とした(SVHC提案書(2013))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお(1)のデータより、神経毒性に対する感受性の高いニワトリを用いた試験で本物質の神経毒性影響が検出されているが、区分2超の範囲の影響である。

【参考データ等】
(1)実験動物では、ニワトリに本物質11.4~15,000 mg/kgを単回経口投与した3つの試験において、114 mg/kg以上の用量で血漿及び脳内のコリンエステラーゼ活性の顕著な低下と、10,000 mg/kg以上の用量で、遅発性神経毒性をきたす証拠(運動失調、神経の病理組織変化)が認められている (NITEリスク評価書(2007)、環境省リスク評価第5巻:暫定的有害性評価シート(2006))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(生殖器(男性)、副腎))、区分2(生殖器(女性))


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)より、区分1の範囲である雄の副腎及び生殖器への影響及び区分2の範囲である雌生殖器への影響より、区分1(生殖器(男性)、副腎))、区分2(生殖器(女性))とした。なお肝臓の組織変化(雌のみ)は区分2超の用量での影響と判断されたため、肝臓は標的臓器としない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による雄で33日間以上、雌で48日間以上の反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422)において、雄で区分1、雌で区分2の範囲である最低用量の25 mg/kg/day以上(90日換算(雄/雌):9.2/13.3 mg/kg/day以上)で雌雄生殖器への影響(精巣の精上皮の変性、精巣上体管腔内における上皮細胞の剥離、卵巣間質細胞の軽度び漫性過形成)、副腎への影響(重量増加(雌(雄は中用量以上))、び漫性の細胞質空胞化(雄(雌は中用量以上))が見られた。また雄は区分2、雌は区分2超の範囲である中用量の200 mg/kg/day以上(90日換算(雄/雌):73.3/106.7 mg/kg/day以上)で肝臓への影響(重量増加、肝細胞の軽度脂肪変性(雌))が認められた(SVHC提案書(2013)、REACH登録情報(Accessed Oct. 2018))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
-
-
- - 魚類(メダカ) 96時間LC50 >0.020 mg/L(環境省生態影響試験: 2018)であるが、対水溶解度が0.89 mg/L(25℃,PHYSPROP Database: 2018)であり、信頼性のある毒性データがいずれも対水溶解度を超えていることから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
急速分解性がなく(難分解性、BODによる平均分解度: 0%(化審法DB: 2001))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC(繁殖阻害)= 0.17 mg/L(環境省生態影響試験: 2018, 環境省リスク評価第3巻: 2004, NITE初期リスク評価書: 2007)であることから、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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