項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 101-21-3 |
名称 | N-(3-クロロフェニル)カルバミン酸イソプロピル (別名:クロルプロファム) |
物質ID | R01-A-002 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外であり、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品ではないためガイダンスにおける分類対象外であり、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外であり、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、この塩素及び酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、ガイダンスにおける分類対象外であり、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外であり、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | 融点が55℃以下の固体ではあるが、データがなく分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(4) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50:4,000 mg/kg (EPA Pesticide (1994)) (2) 雄ラットのLD50:5,800 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2015)) (3) 雌ラットのLD50:6,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2015)) (4) ラットのLD50:5,000~8,000 mg/kg (JMPR (1965)) |
1 | 急性毒性(経皮) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg (HSDB (Acces on May 2019)) (2) ラットのLD50: > 4,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2015)) (3) ウサギのLD50: > 5,000 mg/kg (EPA Pesticide (1994)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 |
警告 |
H332 |
P304+P340
P261 P271 P312 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) 雄ラットのLC50 (4時間、ミスト) : 1.98 mg/L (食品安全委員会 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2014)) (2) 雌ラットのLC50 (4時間、ミスト) : 2.17 mg/L (食品安全委員会 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2014)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 本物質は皮膚及び眼を刺激しない (JMPR (2005))。 (2) 本物質は軽度の皮膚及び眼刺激性を示す(EPA Pesticide (1994))。 (3) 農薬原体の皮膚刺激性試験で刺激性なしと報告されている (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分2Bとした。 【根拠データ】 (1) 本物質は皮膚及び眼を刺激しない (JMPR (2005))。 (2) 本物質は軽度の皮膚及び眼刺激性を示す(EPA Pesticide (1994))。 (3) 農薬原体の眼刺激性試験で軽度の刺激性と報告されている (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 |
4 | 呼吸器感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(4) より、陽性の結果と陰性の結果が混在しており、分類できないとした。 【参考データ等】 (1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (split adjuvant法) で陽性を示し、陽性率は30%と報告されている (JMPR (2005))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法、マキシマイゼーション法) で陰性と報告されている (JMPR (2005))。 (3) 本物質はモルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性と報告されている (EPA Pesticide (1994))。 (4) 農薬原体のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で軽度の感作性と報告されている (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) よりin vivo、in vitroを含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であったことから、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウス骨髄小核試験で陰性である (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、マウスリンフォーマTK試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び不定期DNA合成試験で陰性である (EPA Pesticide (1994)、IARC 12 (1976)、EHC 64 (1986)、食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より、既存分類のうち最も新しい分類はEU CLP分類で区分2相当に分類されている。(2)、(3) より、ラットで発がん性が認められている。したがって、区分2とした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCが3 (IARC Suppl.7 (1987))、EPA OPP RED (Office of Pesticide Programs, Registration Eligibility Decision (1994)) は、グループE (evidence of non-carcinogenicity for humans)、EU CLPはCarc.2 (EU CLP分類 (Access on May 2019)) に分類している。 (2) ラットに本物質 (30、100、500、1,000 mg/kg/day) を2年間混餌投与した発がん性試験において、1,000 mg/kg群の雄で精巣間細胞腫の発生頻度が増加した。本試験に使用したSDラットは同腫瘍の好発系統ではないことから、1,000 mg/kg群における増加は投与による影響であると判断された (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 (3) マウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験において、本物質の投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 【参考データ等】 (4) 雄ラットの精巣間細胞腫瘍の発生増加に関して、食品安全委員会は既存知見 (遺伝毒性・発がん性) に基づけば本物質が閾値のある発がん物質であることを否定できないとした (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。一方、ラットの発がん性試験でみられた精巣間細胞腫瘍の発生増加を根拠にEUはCarc. 2に調和分類したが、精巣腫瘍誘発の機序として内分泌かく乱作用 (ドーパミン作動性を介した機序) による可能性が示唆されている (EFSA (2017))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より、生殖能に対する影響はみられていない。しかし、(2)、(3) より母動物毒性がみられる用量においてのみ同腹児数の減少や胚及び胎児死亡率増加が報告されていることから、区分2とした。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2件の2世代生殖毒性試験において、生殖能に対する影響はみられていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 (2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に体重増加抑制 (妊娠17日) 及び摂餌量減少がみられ、胎児では同腹児数減少、低体重及び骨化遅延が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 (3) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に摂餌量減少及び糞量減少、胎児で胚及び胎児死亡率増加が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液系、呼吸器)、区分2(中枢神経系) |
危険 警告 |
H370
H371 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物では、(1) で区分1相当の用量で血液系、区分2相当の用量で中枢神経系への影響が、(2) で区分1相当の用量で呼吸器への影響がみられている。したがって、区分1 (血液系、呼吸器)、区分2 (中枢神経系) とした。 【根拠データ】 (1) イヌの単回経口投与試験において、125 mg/kg (区分1相当) 以上で活動低下、嘔吐、血中メトヘモグロビン濃度の軽微な増加等、625 mg/kg (区分2相当) で後肢歩行困難、振戦等がみられたが、死亡例はなかった (JMPR (2005)、食品安全委員会 農薬評価書 (2015))。 (2) ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、本物質のエアロゾル 0.905 mg/L (区分1相当) 以上のばく露で、鼻出血等 (雄)、呼吸音の異常 (雌)、体温低下及び呼吸数減少 (雌雄) が認められ、1.68 mg/L 以上で死亡例がみられた。(食品安全委員会 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2014))。 【参考データ等】 (3) ラットの単回経口投与試験では、最小用量である4,350 mg/kg (区分2超) から鎮静化、眼瞼下垂、歩行失調等の症状がみられたが、それ以下の用量での影響は不明である (食品安全委員会 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2014))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(血液系、甲状腺) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、実験動物への経口投与で区分2の範囲で血液系、甲状腺への影響がみられていることから、区分2 (血液系、甲状腺) とした。 【根拠データ】 (1) ラットに120~3,000 ppmを90日間混餌投与した結果、600 ppm (雄: 47 mg/kg/day、雌: 54 mg/kg、区分2の範囲) 以上で赤血球数減少及びメトヘモグロビンの増加がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2015)、EFSA (2017)、JMPR (2000))。 (2) イヌに5~500 mg/kg/dayを1年間混餌投与した結果、50 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上で甲状腺への影響 (重量増加、形態学的機能亢進像) がみられ、350 mg/kg/day (区分2超) 以上では赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値が減少した (食品安全委員会 農薬評価書 (2015)、EFSA (2017)、EPA Pesticide (1994))。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 3.7 mg/L(U.S. EPA: RED, 2002)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分2 |
- |
H411 |
P273
P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分2であることから、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
|