項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 540-73-8 |
名称 | 1,2-ジメチルヒドラジン |
物質ID | R01-A-006 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団として隣接する窒素原子を含むが、データがなく分類できない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 |
P303+P361+P353
P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点-17℃ (closed cup)、沸点81℃ (いずれもホンメル (1991)) に基づいて区分2とした。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
8 | 自己反応性化学品 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団として隣接する窒素原子を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | UNRTDGにおいて、UN 2382、クラス6.1、副次危険性3、PGIに分類されており、優先評価項目である自然発火性物質には該当しないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | 酸素、塩素及びフッ素を含まない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より、区分3とした。 なお、(2)、(3) のマウスのデータからは、区分2となるが、ガイダンスに従いラットのデータを優先した。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50:100 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2019)) 【参考データ等】 (2) マウスのLD50:雄:26 mg/kg、 雌:60 mg/kg (ATSDR (1997)) (3) マウスのLD50:36 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 |
P302+P352
P361+P364 P280 P312 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より、区分3とした。 なお、(2) のモルモットのデータからは、区分2となるが、ガイダンスに従いウサギのデータを優先した。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50:467 mg/kg (ATSDR (1997)) 【参考データ等】 (2) モルモットのLD50:131 mg/kg (ATSDR (1997)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 |
危険 |
H330 |
P304+P340
P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 なお、LC50値が飽和蒸気濃度 (91,981 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間):280~400 ppm (ATSDR (1997)) (2) ラットのLC50 (4時間):280 ppm (HSDB (Access on June 2019)) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は強アルカリで、皮膚、眼、及び粘膜に対して、腐食性・刺激性を示すと考えられる (PATTY (6th, 2012))。 【参考データ等】 (2) 本物質との接触は皮膚、粘膜に刺激性を示す可能性があるとの記載がある (HSDB (Access on June 2019))。 (3) 本物質の経皮ばく露により皮膚の退色が、ウサギ及びモルモットでみられ、イヌでは皮膚の退色と浮腫が認められた (ATSDR (1997)) 。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は皮膚腐食性区分1に区分されている。 (2) 本物質は強アルカリで、皮膚、眼、及び粘膜に対して、腐食性・刺激性を示すと考えられる (PATTY (6th, 2012))。 【参考データ等】 (3) ウサギの眼に本物質を3 μL適用した結果、結膜炎及び眼瞼の紅斑を生じたとの報告がある (ATSDR (1997))。 |
4 | 呼吸器感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より区分2とした。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウスやラットの小核試験、染色体異常試験、DNA損傷試験、DNA付加体形成試験、姉妹染色分体交換試験、不定期DNA合成試験で陽性である (ATSDR (1997)、IARC 71 (1999))。 (2) in vitroでは、ヒト培養細胞の変異原性試験等で陽性である。マウスリンフォーマ試験及び細菌の復帰突然変異試験では陰性と陽性の報告がある (同上)。 |
6 | 発がん性 | 区分1B |
危険 |
H350 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) の既存分類結果からガイダンスに従い区分1Bとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCは実験動物で発がん性の十分な証拠があることに加えて、発がんの作用機序として遺伝毒性の証拠があることから、グループ2Aに分類した (IARC 71 (1999))。EUでもCarc.1Bに分類されている (ECHA C&L Inventory (Access on June 2019))。 【参考データ等】 (2) 実験動物ではラット及びマウスを用いた発がん性試験が主に皮下投与、一部は経口経路及びその他の経路 (腹腔内など) の試験として、多数実施されており、投与経路にかかわらず、マウス及びラットにおいて結腸の腺腫及び腺がんが高頻度で認められ、小腸の腺腫及び腺がんが比較的低頻度で認められた。飲水投与又は強制経口投与試験では、血管腫瘍が高頻度で認められた (IARC 71 (1999))。 |
7 | 生殖毒性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1) 雌ハムスターの妊娠12日に経口投与した発生毒性試験で、発生毒性及び催奇形性はみられていない (ATSDR (1997))。この試験は、1用量を妊娠期間中の1日のみに投与しており、限定的な試験である。 (2) 雌ラットの妊娠6~15日に腹腔内投与した発生毒性試験において、母動物の体重増加抑制、胎児重量減少、わずかな奇形の増加がみられている (IARC 71 (1999)、PATTY (6th, 2012))。この試験は腹腔内投与であるため分類根拠としなかった。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) |
警告 |
H335 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より吸入ばく露の場合には気道刺激性を示すと考えられるため、区分3 (気道刺激性) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は強アルカリ性であり、皮膚、眼、粘膜に強い腐食性と刺激性を示すと考えられる (PATTY (6th, 2012))。 【参考データ等】 (2) 雄イヌに60 mg/kg/dayを1回/週で2週間、計2回経口投与した結果、2/2例が死亡し、肝臓に変性及び出血性壊死が認められたとの報告がある (ATSDR (1997))。 (3) ばく露経路や用量の情報がなく詳細不明であるが、本物質の大量ばく露により痙攣を生じるとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、心臓、腎臓) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1 (肝臓、心臓、腎臓) とした。 【根拠データ】 (1) マウスに5ヵ月間混餌投与した試験で、0.75 mg/kg/day (区分1の範囲) で軽度の肝炎、1.6 mg/kg/day (区分1の範囲) で心臓における限局性の心筋細胞の溶解・線維化・石灰化、肝炎、肝細胞壊死、肝細胞肥大、間質性腎炎、腎盂腎炎がみられた (ATSDR (1997))。 (2) (1) の他に、マウスに6週間混餌投与した試験、イヌに4~10週間強制経口投与 (1回/週) した試験、モルモットに7~10週間強制経口投与 (1回/週) した試験において、いずれも90日換算で区分1に相当する用量で肝臓への影響が報告されている (ATSDR (1997))。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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