政府によるGHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7757-82-6
名称 硫酸ナトリウム
物質ID R01-A-017
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2005)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2005)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2005)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 金属 (Na) を含むが、水溶解度170 g/L (20℃) (GESTIS (Access on August 2019)) との情報より、水に対して安定であると考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - ハロゲンを含まず、酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 無機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 10,000 mg/kg (SIDS (2006))
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) 、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で非刺激性 (Not irritating) と判定されている (SIDS (2006)、REACH登録情報 (Access on September 2019))。
(2) 本物質は皮膚刺激性を示さず、眼に対して軽度の刺激性を示す。また、感作性はほとんどない (SIDS (2006))。

【参考データ等】
(3) 61人のボランティアのうち、1人に刺激性を認めたのみと報告されているが、妥当性の検証は行われていない (SIDS (2006))。
(4) 本物質の10%液はヒトのパッチテストで19人のボランティアのうち、1人に軽度刺激性を認めた (SIDS (2006)。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2Bとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で軽度刺激性と判定されており、全ての所見は7日後以内に回復した (SIDS (2006)、REACH登録情報 (Access on September 2019))。
(2) 本物質は皮膚刺激性を示さず、眼に対して軽度の刺激性を示す。また、感作性はほとんどない (SIDS (2006))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) 、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) のOECD TG 406において、皮膚反応は認められず陰性と結論されている (REACH登録情報 (Accessed on September、2019))。
(2) 本物質は皮膚刺激性を示さず,眼に対して軽度の刺激性を示す。また、感作性はほとんどない (SIDS (2006))。

【参考データ等】
(3) 61人のボランティアによるhuman repeated insult skin sensitisation test において、1人に刺激性を認めたのみと報告されているが、妥当性の検証は行われていない (SIDS (2006)、REACH登録情報 (Accessed on September (2019))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
本物質のin vivoデータはないものの、証拠の重み付け (WoE) に基づき、(1) より、本物質はガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性の報告がある (SIDS (2006)、食品安全委員会 添加物評価書 (2013)_硫酸カリウム)。食品安全委員会による評価では、硫酸のカリウム塩を被験物質とした試験においていずれも陰性の結果が得られていることから、総合的な判断として、添加物「硫酸カリウム (CAS番号 7778-80-5)」は生体にとって特段問題となる遺伝毒性はないと結論付けられている。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) のように発生影響についてわずかな情報が得られたのみで、性機能・生殖能に関するデータがないことからデータ不足で分類できないとした。

【参考データ等】
(1) 雌マウスの妊娠8~12日に極めて大用量 (2,800 mg/kg/day) を強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に異常はみられず、催奇形性等はみられていない。なお、児動物に生後1日での体重の高値がみられたが生後3日には差はみられていない (SIDS (2006))。
(2) 雌マウスの妊娠8日あるいは9日に1用量 (60 mg/kg) を単回皮下注射した発生毒性試験において、母動物に体重増加がみられ、胎児に骨化遅延がみられた (SIDS (2006))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(消化管)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分1 (消化管) とした。

【根拠データ】
(1) ヒトにおいて医療目的で緩下剤として約300 mg/kg、最大限20 gの用量で経口投与により使用されたが、激しい下痢と腹部疝痛を生じるために、使用されなくなりつつある (SIDS (2006))。


9 特定標的臓器毒性(反復暴露)
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、吸入及び経口経路について区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) 本物質の粉じんに2ヵ月~31年間ばく露された男性作業者119名を対象とした横断研究において、全例の尿中から無機硫酸塩が2.2 g/Lを超える濃度で検出され、30%の作業者で3 g/dayを超える無機硫酸塩排泄がみられた。作業者への粉じんばく露で唯一みられた症状は鼻の刺激と鼻水であった (SIDS (2006))。
(2) 雄ラットを用いた4週間混餌投与試験で、最高用量の約2,000 mg/kg/dayまで毒性影響はみられなかった (SIDS (2006))。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分に該当しない
-
-
- - 藻類(セレナストラム)72時間EC50 = 1584.583 mg/L(AQUIRE, 2019、Simmons, 2012)、甲殻類(ニセネコゼミジンコ)48時間EC50 = 3150.21 mg/L(AQUIRE, 2019、Soucek, 2007)、魚類(ファットヘッドミノー)96時間LC50 = 7960 mg/L(AQUIRE, 2019、Mount, 1997)であることから、区分に該当しないとした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 無機化合物につき環境中動態が不明であるが、藻類(セレナストラム)72時間NOEC = 1060 mg/L SO4(NaSO4換算値:1265 mg/L)、甲殻類(ニセネコゼミジンコ)7日間NOEC = 610 mg/L SO4(NaSO4換算値:728 mg/L)、魚類(ニジマス)の31日間NOEC = 205 mg/L SO4(NaSO4換算値:245 mg/L)(いずれもAQUIRE, 2019、Elphick, 2011)であることから、区分に該当しないとした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る