政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 10553-31-8
名称 臭化バリウム
物質ID R01-A-021
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on August 2019)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on August 2019)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on August 2019)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 水溶解度が1,041 g/L (20℃、GESTIS (Access on August 2019)) というデータがあり水と激しく反応することはないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - 酸素を含まず、ハロゲン (Br) を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 無機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) の既存分類結果より、ガイダンスに従い分類できないとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでバリウム及びその可溶性化合物としてA4 (ACGIH (7th, 2001)) に分類されている。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系、心血管系、筋肉系、腎臓、消化管)、区分3(気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
【分類根拠】
本物質のヒト及び実験動物での単回ばく露に関する報告はないが、(1) より、水に可溶であることから、他の可溶性バリウム化合物の情報を参考にできると考えられる。したがって、(2) 及び (3) より、区分1 (神経系、心血管系、筋肉系、腎臓、消化管)、区分3 (気道刺激性) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質は水に非常によく溶ける (溶解度: 1,041 g/L) との情報がある (GESTIS (Access on August 2019))。
(2) ヒトでは可溶性バリウム化合物の事故あるいは意図的な高濃度の摂取により、消化管障害 (嘔吐、下痢、腹痛等) と低カリウム血症を生じ、低カリウム血症の結果として、心血管系 (不整脈、血圧上昇又は低下等)、神経系 (骨格筋麻痺等) 及び腎臓 (腎不全等) への影響を生じるとの記載がある (ATSDR (2007)、ACGIH (7th, 2001)、CICAD 33 (2001))。
(3) 可溶性バリウム化合物は、眼、鼻、喉、気管、皮膚の局所刺激を生じる可能性がある (HSDB (Access on October 2019))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(心血管系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、本物質を含む可溶性バリウムは、ヒトにおいて低カリウム血症に起因した心血管系への影響を生じると考えられることから、区分1 (心血管系) とした。

【根拠データ】
(1) 飲料水中の塩化バリウム等の可溶性バリウム濃度の異なる2つの居住区域の居住者の間で、血圧測定値の有意な変化や高血圧、心臓病、または脳卒中の有病率の増加に差はみられなかった。一方、別の調査では、飲料水中のバリウム濃度が高い居住区域に住む居住者において心血管障害、動脈硬化症など心臓疾患による死亡率の増加がみられた (ATSDR (2007))。
(2) 鉱物処理施設において様々なグレードのバリウムの混合及び粉砕によって平均1.07 mg/m3 の可溶性バリウムにばく露された労働者における高血圧症の発生率の増加が報告されている (CICAD 33 (2001))。

【参考データ等】
(3) バリウムイオンはカリウムの拮抗物質であり、バリウムがカリウムを細胞外から細胞内へと移動を促進させ、低カリウム血症が生じる (ACGIH (7th, 2001))。
(4) 塩化バリウム (CAS番号 10361-37-2) 又は塩化バリウム・二水和物 (CAS番号 10326-27-9) をラット又はマウスに13週間又は2年間飲水投与した試験で、いずれも区分2を超える用量で腎臓への影響 (腎症による死亡、尿細管拡張) がみられており、腎臓は動物試験では最も感受性の高い臓器であると記述されている (ATSDR (2007))。
(5) 塩化バリウムは区分1 (心血管系、神経系、筋肉系、腎臓) に分類されている (2014年度GHS分類)。
10 誤えん有害性
-
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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