項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 548-62-9 |
名称 | [4-{ビス (4-ジメチルアミノフェニル) メチレン}-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン]ジメチルアンモニウムクロリド (別名:CIベイシックバイオレット3、クリスタルバイオレット) |
物質ID | R01-B-004 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成19年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品ではないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 金属又は半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、その塩素は塩素イオンであり酸化性に寄与しないため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) がガイダンスの区分3、(2) が区分4に相当することから、安全側の区分3とした。情報源の見直しにより区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 180 mg/kg (JECFA FAS69 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018)) (2) ラットのLD50: 420 mg/kg (食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018)) |
1 | 急性毒性(経皮) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 【参考データ等】 (1) 詳細の記載がないため、分類根拠とはしなかったが、ヒトにおける症例報告で本物質のばく露が皮膚刺激・感作、眼刺激、粘膜刺激に関連しているとの報告がある。(JECFA TRS 988 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018)) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
【分類根拠】 (1) から区分2とした。なお、ヒトの症例を確認したため区分を変更した。 【根拠データ】 (1) 誤って本物質の1%液を点眼された症例 (60才男性) で眼の刺激、痛み、視力の低下、中等度の眼瞼浮腫および眼瞼痙攣、結膜うっ血、角膜混濁、浮腫が認められている (HSDB (Access on May 2019)、Dhir et al., Indian J. Ophthalmol. 30 21-22 (1982)) 。 【参考データ等】 (2) ヒトにおける症例報告で、本物質のばく露が皮膚刺激・感作、眼刺激、粘膜刺激に関連しているとの報告がある。(JECFA TRS 988 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018)) |
4 | 呼吸器感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) の記載はあるが、データ不足のため分類できないとした。 【参考データ等】 (1) ヒトにおける症例報告で本物質のばく露が皮膚刺激・感作、眼刺激、粘膜刺激に関連しているとの報告がある。(JECFA TRS 988 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018)) |
5 | 生殖細胞変異原性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) より、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) In vivoでは、マウスのDNA損傷試験、染色体異常試験で陰性の結果であった (JECFA FAS69 (2014), 食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 (2) In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性又は曖昧な結果、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性又は陰性、ヒトリンパ球の染色体異常試験で陽性の結果である(JECFA FAS69 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018)、NTP DB (Access on May 2019))。 |
6 | 発がん性 | 区分1B |
危険 |
H350 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。 (1)、(2) より、2種の実験動物で悪性腫瘍を含め、複数部位に腫瘍発生増加が認められていることから、区分1Bとした。なお、データの再確認により旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) マウスに本物質 (100、300、600 mg/kg飼料) を2年間混餌投与した発がん性試験で、600 mg/kgの雄で肝悪性腫瘍の有意な増加、300 mg/kg以上の雌で肝悪性腫瘍、100 mg/kg以上の雌でハーダー腺腫の有意な増加が認められた。また、子宮 (300 mg/kg以上雌)、膀胱、膣、卵巣 (600 mg/kg雌) でA型細網細胞肉腫 (組織球性肉腫と同義) の有意な増加が認められた (JECFA FAS69 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 (2) ラットに本物質 (100、300、600 mg/kg飼料) を2年間混餌投与した発がん性試験で、600 mg/kgの雄及び300 mg/kg以上の雌で甲状腺のろ胞細胞腺がんの有意な増加、300 mg/kg以上の雌雄で肝細胞腺腫の有意な増加が認められた (JECFA FAS69 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 【参考データ等】 (3) 国内外の分類機関による既存分類では、EU CLPが本物質単独ではCarc.2に分類している (EU CLP分類 (Access on May 2019))。 |
7 | 生殖毒性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) の3世代生殖毒性試験において、親動物毒性がみられる用量においても生殖影響、催奇形性はみられていない。また、(2) 及び (3) に示すように2種の動物を用いた発生毒性試験においても、重篤な母動物毒性がみられる用量において胎児に変異あるいは胎児重量の低値がみられているが奇形はみられていない。したがって、区分に該当しないとした。 なお、分類根拠データを見直し旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による3世代生殖毒性試験において、全ての世代の親動物で体重の低値がみられた。生殖影響はみられなかったが、児動物ではF3a世代において全ての投与群で皮質尿細管の限局性拡張、胸腺の壊死、投与量と逆相関性の脾臓の赤脾髄造血細胞増殖がみられた。なお、F3b世代で実施した催奇形性検査において奇形はみられていない (JECFA FAS69 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 (2) ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、毒性臨床症状の増加 (喘鳴、沈滞、衰弱、下痢、流涙、被毛粗剛)) がみられる用量で内臓変異と考えられる尿管拡張及び腎盂拡張、骨格変異と考えられる短肋骨がみられているが、奇形はみられていない (JECFA FAS69 (2014)、NTP DB (Access on May 2019)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 (3) ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡率増加、体重増加抑制、喘鳴、下痢、うっ血、呼吸困難、チアノーゼ等) がみられる用量で胎児重量の低値 がみられたが奇形はみられていない (JECFA FAS69 (2014)、NTP DB (Access on May 2019)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。(1)、(2) より、ヒト及び実験動物で消化管及び中枢神経系への影響を示す症状がみられているが、これらは本物質の刺激性及びその二次的影響によるものと考えられる。他に標的臓器を特定できる情報がないことから、分類できないとした。 【参考データ等】 (1) 投与回数は不明であるが、本物質を医薬品 (駆虫剤) として投与された患者の約3分の1が消化管性の刺激、吐き気、嘔吐、下痢及び軽度の腹痛を訴えたが、投与を中断するとこれらの症状はみられなくなった (食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 (2) ラット、マウス、ウサギ、モルモット、イヌ及びネコを用いた急性経口投与試験で、嗜眠、運動失調、下痢、喉の渇き、嘔吐、体重減少が認められ、組織学的には消化管の炎症、うっ血、出血の証拠となる所見がみられた (JECFA FAS69 (2014))。原典論文には、嗜眠はおそらく消化管の刺激に伴う体液と電解質の喪失によるものであろうと記載されている (Hodge et al., Toxicol Appl Pharmacol. 22: 1-5 (1972))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肝臓、生殖器(女性)) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
【分類根拠】 (1) 及び (2) のマウス及びラットの経口投与毒性試験では区分2の範囲で肝臓、脾臓、卵巣の変化がみられた。このうち、脾臓の変化については有害影響とはいえないと判断した。よって、区分2 (肝臓、生殖器 (女性)) とした。なお、旧分類で分類根拠とされたRTECSの情報はList 3の情報源であるため使用せず、新たな情報源の情報を追加し、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) マウスの慢性毒性及び発がん性試験において、100~600 mg/kg (雄: 10.7~64.3 mg/kg/day、雌: 14.3~71.4 mg/kg/day) を24ヵ月間混餌投与した結果、非腫瘍性病変として、 100 ppm (10.7 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌で死亡率の高値、脾臓の赤血球産生亢進および卵巣萎縮が、 300 ppm (32.1 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌でALT、ASTの高値が、600 ppm (64 mg/kg/day、区分2の範囲) の雄で死亡率の高値、ALT、ASTの高値がみられた (JECFA FAS69 (2014)、JECFA TRS 988 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 (2) ラットの慢性毒性及び発がん性試験において、100~600 mg/kg (雄: 30~160 mg/kg/day、雌: 40~200 mg/kg/day) を24ヵ月間混餌投与した結果、非腫瘍性病変として、 100 ppm (雄: 30 mg/kg/day、雌: 40 mg/kg/day、いずれも区分2の範囲) 以上の雌雄で肝混合型変異細胞巣、肝臓の再生性病変が、 300 ppm (雄: 80 mg/kg/day、雌: 100 mg/kg/day、いずれも区分2の範囲) 以上の雌雄で肝好酸性変異細胞巣、雄で肝小葉中心性壊死、雌で死亡率増加が、600 ppm (雄: 160 mg/kg/day、雌: 200 mg/kg/day、いずれも区分2超) の雄で肝明細胞性変異細胞巣、甲状腺ろ胞嚢胞、赤脾髄過形成、腸間膜リンパ節過形成、雌で肝小葉中心性壊死がみられた (同上)。 【参考データ等】 (3) 本物質で染色された梱包トレイを用いるリンゴ梱包業者の鼻出血の疫学報告がある (JECFA FAS69 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 (4) ラットに500 mg/kg feedまでの用量を90日間混餌投与した試験では、わずかな体重減少が観察されたが、投与に関連した明らかな影響は認められなかった (JECFA FAS69 (2014)、JECFA TRS 988 (2014)、食品安全委員会 動物用医薬品評価書 (2018))。 (5) イヌに516 mg/kg feedまでの用量を90日間混餌投与した試験では、肝臓重量の増加が観察されたが、投与に関連した明らかな影響は認められなかった (同上)。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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