項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 95-54-5 |
名称 | o-フェニレンジアミン |
物質ID | R01-B-008 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成21年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | 発火点が540℃ (GESTIS (Access on May 2019)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | 酸素、塩素及びフッ素を含まない有機化合物であり、分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50:660~1,284 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) (2) ラットのLD50:500~1,300 mg/kg (DFGOT vol.21 (2005)) |
1 | 急性毒性(経皮) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) (2) ウサギのLD50: > 5,000 mg/kg (環境省リスク評価第12巻 (2014)) (3) ウサギに 5,000 mg/kgを経皮適用して死亡例あり (ACGIH (7th, 2001)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) のいずれも区分を特定できず、分類できないとした。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50値 (1時間):> 0.056 mg/L (4時間換算値:> 0.014 mg/L) (ACGIH (7th, 2001)) (2) マウスのLC50値 (4時間):> 0.091 mg/L (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第12巻 (2014)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 404に準拠し、ウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性なしと報告されている (DFGOT vol.13 (1999))。 (2) OECD TG 404に準拠し、3匹のウサギを用いた皮膚刺激性試験で48時間後にごく軽度の紅斑がみられたが72時間後には回復し、24/48/72 hの紅斑と浮腫の平均スコアは0.6及び0と報告されている (REACH登録情報 (Access on June 2019))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
【分類根拠】 (1) より、区分2Aとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 405に準拠した眼刺激性試験で刺激性を示し、平均スコアは角膜:2.1、虹彩:1、結膜発赤:3、結膜浮腫:2.9であったが、14日以内に回復している (REACH登録情報 (Access on June 2019))。 【参考データ等】 (2) OECD TG 405に準拠した眼刺激性試験で結膜の発赤・浮腫、角膜混濁、虹彩の炎症を引き起こすが14日以内に回復した (DFGOT vol.13 (1999))。 (3) EU-CLP分類でEye Irrit. 2 (H31) に分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2019))。 |
4 | 呼吸器感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。 【根拠データ】 (1) 産衛学会 感作性分類 皮膚3群に分類されている (産衛学会感作性分類基準 (暫定) の提案理由書 (2010))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験で10例中3~7例で軽度から中等度の感作性反応 (陽性率30~70%) が示されている (REACH登録情報 (Access on June 2019))。 【参考データ等】 (3) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on May 2019))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、ガイダンスに従い区分2とした。 【根拠データ】 (1) in vivoではラットの優性致死試験及びマウススポット試験で陰性、マウス等の骨髄を用いた小核試験及び染色体異常試験で陽性の報告がある (DFGOT vol.6 (1994)、DFGOT vol.13 (1999)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1999)、ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第12巻 (2014))。 (2) in vitroではマウスリンフォーマ試験で陽性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び細菌の復帰突然変異試験の多くで陽性の報告がある (DFGOT vol.6 (1994)、DFGOT vol.13 (1999)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1999)、ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第12巻 (2014))。 (3) EU CLP調和分類では区分2に分類されている。 |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) の既存分類結果から、ガイダンスに従い区分2とした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCで2B (IARC 123 (In prep.)) 、ACGIHでA3 (ACGIH (7th, 2001))、EU CLPでCarc.2 (EU CLP分類 (Access on May 2019)) に分類されている。 【参考データ等】 (2) ラットに本物質の二塩酸塩 (CAS番号 615-28-1) を2年間飲水投与した発がん性試験において、雌雄に肝臓腫瘍、及び雄に膀胱腫瘍の発生増加が認められた (厚生労働省委託がん原性試験結果 (Access on May 2019))。 (3) マウスに本物質の二塩酸塩を2年間飲水投与した発がん性試験において、雌雄に肝臓腫瘍および胆嚢腫瘍の発生増加が認められた (厚生労働省委託がん原性試験結果 (Access on May 2019))。 |
7 | 生殖毒性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 本物質の生殖発生毒性を評価・分類するための十分な情報はなく、データ不足で分類できない。 【参考データ等】 (1) ラットに0.8 mg/kg/day を経口投与した結果、胎児への影響を認めたという報告があるが、詳細は不明である (厚労省初期リスク評価書 (2014))。 (2) 妊娠10 日の雌マウスに腹腔内投与したマウススポット試験の結果、妊娠の維持率の低下、出生前/出生後死亡の増加がみられた (環境省リスク評価第12巻 (2014)、DFGOT vol.13 (1999))。 (3) 雄ラットに腹腔内投与後、未処置の雌と交配させた優性致死試験の結果、着床数や吸収胚数、生存胎児数に影響はなかった (同上)。 (4) 本物質を含む毛染剤を妊娠1、4、7、10、13、16、19 日の雌ラットに塗布した結果、黄体数、着床数、生存胎児数、吸収胚数に有意な影響はなく、奇形の発生もなかった (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1999)、PATTY (6th, 2012)、厚労省初期リスク評価書 (2014))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液系)、区分2(中枢神経系)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H370
H371 H335 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
【分類根拠】 本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物での (1)~(3) の情報より、区分1 (血液系)、区分2 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) とした。旧分類は呼吸器も標的臓器に含めていたが、根拠となる情報が経口投与試験でみられた呼吸困難のみであり、組織学的所見でも呼吸器の傷害に関する情報はない。したがって、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ネコの単回経口投与試験において、本物質25~50 mg/kgの用量 (区分1相当) で、血中メトヘモグロビン濃度増加がみられた (DFGOT vol.13 (1999)、ACGIH (7th, 2001)、BUA 97 (1992))。 (2) ラットの単回経口投与試験において、本物質500~2,000 mg/kgの用量 (区分2相当) で、一般状態悪化、興奮、抑うつ、呼吸困難、振戦、痙攣、麻痺が認められた (DFGOT vol.13 (1999)、BUA 97 (1992))。 (3) ラット及びマウスに本物質の蒸気と粉じんの混合物0.0905 mg/Lを4時間、吸入ばく露した試験で、鼻粘膜の軽度の刺激がみられた (DFGOT vol.13 (1999))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(鼻腔、腎臓、膀胱、血液系) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、実験動物への本物質の二塩酸塩 (CAS番号 615-28-1) の経口投与で区分2の範囲で鼻腔、腎臓、膀胱、血液系への影響がみられていることから、区分2 (鼻腔、腎臓、膀胱、血液系) とした。ハーダー腺についてはヒトへの外挿性がないと考えられることから標的臓器としなかった。なお、新たな情報源の情報を加えて検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットに本物質の二塩酸塩250~3,000 ppm (区分2の範囲) を13週間飲水投与した結果、ハーダー腺の炎症、血液系への影響 (赤血球数とヘマトクリット値の減少等)、腎臓への影響 (乳頭変性、尿素窒素増加等)、鼻腔への影響 (嗅腺の管拡張、嗅上皮の壊死)、膀胱への影響 (移行上皮細胞の単純過形成) がみられた (厚生労働省委託がん原性試験結果 (Access on May 2019))。 (2) マウスに本物質の二塩酸塩500~5,000 ppmを13週間飲水投与した結果、1,000 ppm (概ね区分2の範囲) 以上で血液系への影響 (MCV及び血小板数増加)、腎臓への影響 (尿素窒素増加等) がみられた (厚生労働省委託がん原性試験結果 (Access on May 2019))。 【参考データ等】 (3) ラット、マウスに二塩酸塩を104週間飲水投与した結果、区分2の範囲以上で鼻腔と腎臓に本物質の投与による影響と考えられる非腫瘍性病変がみられた (厚生労働省委託がん原性試験結果 (Access on May 2019)) 。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
藻類(セレナストラム)72時間EC50 = 0.821 mg/L(環境省生態影響試験, 2001、環境省リスク評価第12巻, 2014)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2001)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.083 mg/L(環境省生態影響試験, 2001、環境省リスク評価第12巻, 2014)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:2%(既存点検, 2001)、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 4.6 mg/L(環境省生態影響試験, 2001、環境省リスク評価第12巻, 2014)であることから、区分2となる。 以上の結果を比較し、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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