政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 109-61-5
名称 クロロぎ酸ノルマルプロピル
物質ID R01-B-023
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点26℃ (closed cup) (ICSC (2005)) に基づいて区分3とした。
7 可燃性固体
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - 発火点が475℃ (ICSC (2005)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - フッ素を含まず、酸素及び塩素を含む有機化合物であるが、この酸素及び塩素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - データがなく分類できない。なお、すべての金属製容器が使用できない (GESTIS (Access on June 2019)) との情報がある。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50:1,210 mg/kg (SIDS (2012))

【参考データ等】
(2) マウスのLD50:650 mg/kg (PATTY (6th, 2012))
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分を特定できないため、データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) マウスのLD50 : > 10 mg/kg (PATTY (6th, 2012))
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分2とした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気濃度 (26,318 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットに本物質1.019 mg/L (200 ppm) の1時間ばく露 (4時間換算値:0.51 mg/L (100 ppm)、区分1上限に相当) で3/10 例が死亡した(SIDS (2012))。したがって、LC50値は区分2の範囲にあると判断された。

【参考データ等】
(2) マウスのLD50 (1時間):319 ppm (4時間換算値:159.5 ppm) (PATTY (6th, 2012))
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1B


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分1Bとした。

【根拠データ】
(1) 本物質0.5 mLを2匹のウサギに投与した皮膚腐食性試験で腐食性を示し、持続性紅斑、浮腫及び壊死が15分及び20時間後に観察された (SIDS (2012)、REACH登録情報 (Access on July 2019))。

【参考データ等】
(2) ウサギに本物質0.5 mLを24時間閉塞適用した皮膚刺激性試験で正常皮膚における平均スコアは24時間で7.8、72時間で8.0、擦過皮膚における平均スコアは24時間、72時間ともに8.0であった (SIDS Dossier (2012))。
(3) EU-CLP分類でSkin Corr. 1B (H314) に分類されている (EU CLP分類 (Access on July 2019))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験 (投与量: 0.05 mL) で腐食性を示し、24/48/72時間の平均スコアは角膜混濁: 3、虹彩: 2、結膜発赤: 1.8、結膜浮腫: 2であった (SIDS (2012)、SIDS Dossier (2012)、REACH登録情報 (Access on July 2019))。
(2) ドレイズ法によるウサギを用いた眼刺激性試験で強度刺激性物質 (extremely irritant) と判定され、症状は14日では回復しなかった (SIDS Dossier (2012))。
(3) ウサギの眼への直接投与は角膜の持続性混濁を生じる (PATTY (6th, 2012))。
(4)皮膚腐食性 (区分1B) に分類されている。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) の記載はあるが、データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 皮膚感作性を生じる可能性がある (PATTY (6th, 2012))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告がある (SIDS (2012))。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1) のヒトでの粘膜刺激性の情報及び (2) のラットの吸入ばく露試験で区分1範囲の濃度で呼吸器への影響がみられたとの情報から、区分1 (呼吸器) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。

【根拠データ】
(1) ヒトでの一般的な情報として、本物質の蒸気は眼と粘膜に強い刺激性を示すとの記載がある (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2019))。
(2) ラットの1時間単回吸入ばく露試験において、本物質の蒸気1.019 mg/L (4時間換算値: 0.5095 mg/L、区分1範囲) のばく露で、呼吸困難と粘膜の刺激が認められ、ばく露後6日までに10例中3例が死亡した。1.385 mg/Lにばく露されたラットの剖検には急性肺気腫がみられた (SIDS (2012)、SIDS Dossier (2012))。
【参考データ等】
(3) ラットの単回経口投与試験において、681 mg/kg及び1,000 mg/kg投与群で、呼吸困難、無反応、よろめき歩行、立毛が認められ、死亡例は各群で10例中1例であった。1,470 mg/kg投与群では10例中9例、2,150 mg/kg及び3,160 mg/kg投与群では全例が死亡した。死亡例の剖検では胃と腸に壊死性の白色粘膜がみられた (SIDS (2012)、SIDS Dossier (2012))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
10 誤えん有害性
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-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
魚類(ゼブラフィッシュ)96時間LC50 = 3.16 mg/L(SIDS, 2012)であることから、区分2とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。
急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分2であることから、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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