政府によるGHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 1569-02-4
名称 プロピレングリコールエチルエーテル (別名:1-エトキシ-2-プロパノール)
物質ID R01-B-031
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成20年度  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点40℃ (closed cup) (ICSC (2004)) というデータに基づき、区分3とした。
7 可燃性固体
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - 発火点が255℃ (ICSC (2004)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - 塩素及びフッ素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 低沸点の液体に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50:> 2,000 mg/kg、> 4,400 mg/kg、≧ 5,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2019))
(2) ラットのLD50:4,500 mg/kg (ECETOC TR95 (2005))
(3) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012))
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50:8,100 mg/kg (ACGIH (7th, 2019)、PATTY (6th, 2012)、ECETOC TR95 (2005))
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より本物質をばく露しても死亡例がないため、LC50は2,213 ppmより高いことが考えられたが、区分を特定できないことから分類できないとした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気濃度 (5,079.3 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットの吸入 (4時間) :3,337 ppm (全身ばく露)、2,213 ppm (鼻部ばく露) で死亡例なし (ACGIH (7th, 2019)、PATTY (6th, 2012))
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (5,079.3 ppm) より高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットの吸入 (4時間):1,420 mg/Lで死亡例なし (ACGIH (7th, 2019))
2 皮膚腐食性/刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 404と同等あるいは類似のウサギを用いた皮膚刺激性試験において、1及び24時間後にごく軽微な紅斑がみられたが、48時間後には消失、落屑もみられたが7日後には消失した。24/48/72hの紅斑及び浮腫の平均スコアはそれぞれ、0~1.33及び0であった(REACH登録情報 (Access on August, 2019))。

【参考データ等】
(2) 本物質はウサギの皮膚に対し、軽微な刺激性を有し、軽微で一過性の紅斑と浮腫を生じ、72時間後にはわずかな落屑がみられた(ACGIH (7th, 2019))。
(3) ウサギを用いた24時間閉塞あるいは4時間半閉塞適用の皮膚刺激性試験で中等度の刺激性を示す(ECETOC TR64 (1995))。
(4) 本物質は皮膚に対しては軽度の刺激性を示す(PATTY (6th, 2012))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2Bとした。

【根拠データ】
(1) ウサギの眼刺激性試験で強い刺激性は示さず、7日後までには回復する (ECETOC TR64 (1995)、PATTY (6th, 2012))。
(2) ウサギの眼刺激性試験では非刺激性の結果から中等度の刺激性までの結果が存在する(ACGIH (7th, 2019))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 本物質の酢酸エステル (CAS番号 54839-24-6) を用いたモルモットの皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で感作性は示さないことから、親化合物である本物質も感作性を有しないと推察される (ECETOC TR64 (1995)、ACGIH (7th, 2019))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及びヒトリンパ球の染色体異常試験で陰性の報告がある (ECETOC TR95 (2005))。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、発生毒性に関しては母動物毒性がみられる用量においても胚/胎児に対する影響はみられていない。しかし、親の性機能、生殖能に関するデータがないことからデータ不足で分類できないとした。

【根拠データ】
(1) 雌ラット、ウサギの妊娠期間中に本物質蒸気を吸入ばく露した試験において、母動物に体重増加抑制、摂餌量減少がみられたが、胎児の発生影響はみられていない (ECETOC TR95 (2005)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2019))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性)


警告
H336
H335
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分3 (麻酔作用、気道刺激性) とした。

【根拠データ】
(1) ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、10,000 ppm (42.5 mg/L、区分2超) で、眼と鼻の刺激と中枢神経系抑制が認められたが、死亡例はなかった (ACGIH (7th, 2019)、PATTY (6th, 2012)、ECETOC TR95 (2005))。
(2) 別のラットの4時間単回吸入ばく露試験において、2,213 ppm (9.59 mg/L、区分1相当) で、一過性の流涙、流涎、中枢神経系抑制が認められたが、死亡例はなかった (ACGIH (7th, 2019)、PATTY (6th, 2012)、ECETOC TR95 (2005))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、吸入経路については区分に該当しないと考えられる。経口、経皮経路についてはデータ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた13週間吸入ばく露試験 (6時間/日、5日間/週) において、300 ppm (ガイダンス値換算: 0.9 mg/L、区分2の範囲) 以上で尿量の増加、2,000 ppm (ガイダンス値換算: 6.2 mg/L、区分2超) で可逆的な眼及び鼻の刺激、鎮静、肝臓重量増加、肺に限局性のマクロファージ集簇がみられた (ACGIH (7th, 2019)、PATTY (6th, 2012)、ECETOC TR95 (2005))。

【参考データ等】
(2) ラットに2 mL/kgを10回経口投与した結果、雄でわずかな体重増加抑制、軽微な血液学的変化、雌雄で肝臓重量増加がみられた (ECETOC TR95 (2005))。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
-
-
- - データなし
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
-
- - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る