政府によるGHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 10026-13-8
名称 五塩化りん
物質ID R01-B-032
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - 不燃性 (ホンメル (1991)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - 不燃性 (ホンメル (1991)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 不燃性 (ホンメル (1991)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 水と非常に激しく反応し、強力な発熱と分解が起こり、腐食性の強いりん酸及び塩酸を生じる (ホンメル (1991)) が、いずれも不燃性であり、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - 酸素を含まず、ハロゲン元素 (塩素) を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 無機物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50:約600 mg/kg (REACH登録情報 (Access on August 2019))
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分3とした。
なお、新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50:660 mg/kg (HSDB (Access on July 2019))
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) ラットのLC50 (粉じん、ばく露時間不明):0.205 mg/L (REACH登録情報 (Access on August 2019))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質は皮膚、眼、呼吸器に刺激性を有する (HSDB (Access on July 2019))。
(2) 本物質はヒトで粘膜及び皮膚に強い刺激性又は腐食性を生じると報告されている (GESTIS (Access on August 2019))。

【参考データ等】
(3) EU-CLP分類でSkin Corr. 1B (H314) に分類されている (EU CLP分類 (Access on July 2019))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質はヒトで粘膜及び皮膚に強い刺激性又は腐食性を生じるとの報告 (GESTIS (Access on August 2019)) から皮膚腐食性 (区分1) に区分されている。
(2) 本物質のガスはヒトの眼を刺激するとの記載がある (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on July 2019))。
(3) 本物質の蒸気及びヒュームは粘膜に対して強い刺激性を有するとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。
(4) 本物質は皮膚、眼、呼吸器に刺激性を有する (HSDB (Access on July 2019))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501

【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1 (呼吸器) とした。旧分類は循環器も標的臓器としていたが、根拠とされたHSDB (2005) の記載はHSDB (Access on July 2019) では種々の酸 (Acids) の一般的な影響の一つとして記述されており、本物質の影響によるものか不明である。他に循環器系への影響を支持する情報がないため、分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質のヒュームは眼と気道を刺激し、ばく露により気管支炎を起こした症例 (複数) もあるとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。
(2) 本物質の蒸気又はヒュームは肺その他全ての粘膜表面に強い刺激性を有する (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1989)、PATTY (6th, 2012))。
(3) ヒトでは本物質の蒸気の吸入により眼と気道の刺激を生じ、鼻汁、咳、喉の痛み、呼吸困難に加えて肺水腫が認められた例もあるとの報告がある (GESTIS (Access on July 2019))。

【参考データ等】
(4) 本物質は空気中の水分により加水分解して塩酸 (CAS番号 7647-01-0) 及びりん酸 (CAS番号 7664-38-2) を生成する (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1989)、GESTIS (Access on July 2019))。塩酸及びりん酸はいずれも腐食性と刺激性を示し、呼吸器への影響が報告されている (塩酸: SIDS (2005)、りん酸: SIDS (2011))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(骨)


警告
H373 P260
P314
P501
【分類根拠】
(1) より、ヒトにおいて吸入により骨への影響を示すと考えられる。りん及びりん化合物の情報であり本物質自体の情報ではないため、区分2 (骨) とした。

【根拠データ】
(1) ヒトにおいてりん及びりんの塩化物の慢性吸入により骨組織への影響が引き起こされる (HSDB (Access on July 2019))。

【参考データ等】
(2) 実験動物へのオキシ塩化りん、三塩化りん、五塩化りんへの慢性ばく露により、肝臓、骨、腎臓、肺の形態学的変化が生じ、呼吸器の病理組織検査の結果、剥離性鼻炎、気管炎、気管支炎がみられた (HSDB (Access on July 2019))。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
-
-
- - -
11 水生環境有害性 長期(慢性) -
-
-
- - -
12 オゾン層への有害性 -
-
-
- - -


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る