政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 1314-84-7
名称 リン化亜鉛
物質ID R01-B-034
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2001)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2001)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2001)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品 区分1


危険
H260 P302+P335+P334
P231+P232
P370+P378
P402+P404
P223
P280
P501
UNRTDGにおいて、UN 1714、クラス4.3、副次6.1、PGⅠに分類されており、区分1とした。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - 酸素及びハロゲン元素を含まない無機化合物であり、区分に該当しない。なお、ガイダンスでは分類対象外に相当する。
15 有機過酸化物
-
-
- - 無機物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2


危険
H300 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50:13~35 mg/kg (EPA Pesticide (1998))
(2) ラットのLD50:雄 : 12.00 mg/kg、雌 : 15.72 mg/kg (HSDB (Access on June 2019))
(3) ラットのLD50:40.5 mg/kg (HSDB (Access on June 2019))
(4) ラットのLD50:45.7 mg/kg (HSDB (Access on June 2019))
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50:2,000~5,000 mg/kg (EPA Pesticide (1998)、IPCS PIM 865 (1997)、HSDB (Access on June 2019))
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質 (94%) を用いたウサギの皮膚刺激性試験で刺激性を示さない (EPA Pesticide (1998))。

【参考データ等】
(2) ウサギの皮膚刺激性試験 (ドレイズ法) において本物質の粉末は軽度の刺激性を示した (EHC 73 (1988))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
【分類根拠】
(1) より、区分2とした。なお、旧分類は製剤のデータに基づくものであったため、新たなデータにより、区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質 (有効成分94%) を用いたウサギの眼刺激性試験で軽度の結膜発赤及び浮腫、分泌亢進を示す (EPA Pesticide (1998)、HSDB (Access on June 2019))。

【参考データ等】
(2) 本物質は眼刺激性及び皮膚感作性を示さない (EFSA J. 8 (7) 1671 (2010))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質は眼刺激性及び皮膚感作性を示さない (EFSA J. 8 (7) 1671 (2010))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) よりマウス小核試験は陰性であったが、(2) よりマウスリンフォーマTK試験が陽性であり、in vivoへの影響を評価するにはデータが不十分であるため分類できない。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウス小核試験で陰性の報告がある (EPA Pesticide (1998))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験陰性、マウスリンフォーマTK試験陽性の報告がある (EPA Pesticide (1998))。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、母動物毒性がみられる用量においても発生影響は認められていないが、性機能・生殖能への影響に関する情報が不足しているため、分類できないとした。

【根拠データ】
(1) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (9/25例)、体重及び摂餌量減少) がみられるが、胚/胎児に影響はみられていない (EPA Pesticide (1998)、GESTIS (Access on August 2019))。

【参考データ等】
(2) ラットに22日間混餌投与した試験では、親動物に一部死亡例がみられる用量でも繁殖障害は生じなかったとの詳細不明の報告がある (GESTIS (Access on August 2019))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系、呼吸器、血液系、肝臓、腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1 (中枢神経系、呼吸器、血液系、肝臓、腎臓) とした。心血管系への影響は二次的影響の可能性が考えられるため、除外した。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質は生体内で分解してリン化水素 (ホスフィン、CAS番号 7803-51-2) を生じる。ホスフィンの主要な標的臓器として、呼吸器系 (咳、喉の痛み、呼吸困難、肺水腫等) と中枢神経系 (頭痛、めまい、振戦、歩行異常、痙攣、昏睡等) との記載がある (IPCS, PIM 865 (1997))。
(2) 本物質の経口摂取による中毒症を生じたヒト20例のうち、4.5~180 gを摂取した10例が死亡した。主な臨床病態は代謝性アシドーシス、メトヘモグロビン血症、低カルシウム性筋肉痙攣、血液凝固障害、肺水腫、胃腸障害、神経精神障害、心血管系障害であった。死後の剖検で、肺のうっ血・浮腫、腸上皮の出血性変化、肝臓の小葉中心性うっ血・壊死及び変色、腎臓の近位曲尿細管の斑状壊死が認められた (IPCS, PIM 865 (1997))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系、血液系、腎臓)、区分2(肝臓)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1) よりヒトへの反復ばく露により中枢神経系への影響を生じる可能性がある。実験動物について (2) より腎臓、(3) より血液系、肝臓が標的臓器と考えられる。従って区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓)、区分2 (肝臓) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質に反復ばく露された作業者で精神神経系の症状 (不安感、無気力又は急速な疲労感) を生じる可能性がある (GESTIS (Access on August 2019))。
(2) ラットに90日間強制経口投与した試験において、1.0 mg/kg/day以上で死亡あるいは切迫殺、流涎、体温低下、雄で水腎症、3.0 mg/kg/dayの雄で腎盂腎炎がみられている (EPA Pesticide (1998))。これらの用量はいずれも区分1の範囲である。
(3) 雌の離乳ラットに13週間混餌投与した試験において、200 ppm (ガイダンス値換算: 10 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で死亡、肝臓、心臓、甲状腺の相対重量増加、500 ppm (ガイダンス値換算: 25 mg/kg/day、区分2の範囲) で血清中亜鉛、肝臓中ALP増加がみられている。また、用量依存性のある血液の変化 (ヘモグロビン濃度、赤血球数及びヘマトクリット値の減少 (発現した用量の記載なし)) がみられている (EHC 73 (1988))。血液系への影響は用量依存性があることから区分1の範囲とした。

【参考データ等】
(4) ラットに本物質を投与した試験 (投与期間等詳細不明) では、300 mg/kgでは2週間後に死亡 (6/6例)、200 mg/kgで体重増加抑制、死亡 (2/6例)、病理組織学的検査において肝臓の小葉中心性及び辺縁性の傷害、肺の肺胞腔の出血あるいは滲出液を伴ううっ血がみられた (EHC 73 (1988))。

10 誤えん有害性
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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