政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 10024-97-2
名称 一酸化二窒素 (別名:亜酸化窒素)
物質ID R01-B-039
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - 不燃性気体 (ホンメル (1991)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分1


危険
H270 P370+P376
P220
P244
P403
UNRTDGにおいてUN 2201、クラス2.2、副次5.1に分類されていることから、区分1とした。
5 高圧ガス 高圧液化ガス


警告
- - 臨界温度が36.65℃ (日本薬局方 (2018)) より、高圧液化ガスとした。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 気体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 皮膚腐食性/刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
本物質単独でのin vivoデータはないものの、複数の指標のin vitro試験で陰性であったことから、専門家判断に基づき、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、本物質単独で行われた試験のデータはない。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のHPRT試験及び小核試験で陰性の結果がある (DFGOT vol.9 (1998)、ACGIH (7th, 2001))。

【参考データ等】
(3) in vivoでは、本物質とハロタン (CAS番号 151-67-7) をラットに同時ばく露した試験で骨髄、精原細胞の染色体異常誘発性の報告があるが、ハロタンは単独でも染色体異常誘発性を示すことから、本物質単独の染色体異常誘発性を明確に示すものではない (DFGOT vol.9 (1998))。
(4) 本物質へのばく露が明らかな疫学・職業ばく露データでは、労働者のリンパ球においてSCEの増加や染色体異常はみとめられなかった (DFGOT vol.9 (1998))。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) の既存分類結果から、ガイダンスに従い分類できないとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2001)) に分類されている。
7 生殖毒性 区分1A


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、ばく露されたヒトに自然流産の増加がみられていることから区分1Aとした。

【根拠データ】
(1) 廃棄麻酔ガスにばく露された女性労働者で自然流産の増加が報告されている (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.9 (1998)、IPCS, PIM 381 (1991))。
(2) 歯科医院で麻酔ガスにばく露された女性歯科医、女性助手においても自然流産の増加が報告されている (ACGIH (7th, 2001))。
(3) 妊娠中にばく露された女性の子供における先天性異常の増加がみられたとの報告があるが、証明されていない (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.9 (1998)、IPCS, PIM 381 (1991))。

【参考データ等】
(4) 妊娠ラットを用いた吸入ばく露による発生毒性試験において高濃度 (50,000~75,000 ppm) の24時間の連続ばく露で吸収胚増加、内臓奇形、骨格奇形の報告があるが、24時間/日未満の断続的なばく露では影響はそれほど顕著ではないか、検出できていない (DFGOT vol.9 (1998))
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用)


警告
H336 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分3 (麻酔作用) とした。

【根拠データ】
(1) 吸入ばく露では300,000 ppm以上で鎮痛作用、800,000 ppm以上で麻酔作用を示すとの記載がある (DFGOT vol.9 (1998))。
(2) 医療分野では国内外で古くから吸入麻酔薬として用いられており、日本薬局方に収載されている (食品安全委員会 添加物評価書 (2004))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系、造血系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、ヒトにおいて神経系、造血系への影響があると考えられることから、区分1 (神経系、造血系) とした。情報源の情報を見直した結果、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 高濃度の本物質への長期間のばく露により、巨赤芽球性骨髄抑制や神経症状を引き起こすことがある (IPCS, PIM 381 (1991)、HSDB (Access on July 2019))。
(2) 本物質を鎮静剤として500,000 ppmの濃度で23日間ばく露した破傷風患者で、再生不良性貧血を伴う可逆性の骨髄抑制がみられた (DFGOT vol.9 (1998))。
(3) 本物質に重度にばく露 (10年間に3,000時間以上) された歯科医師で神経症状 (しびれ、刺痛、脱力感) がみられた (ACGIH (7th, 2001))。

【参考データ等】
(4) 本物質にばく露された歯科医師及び歯科衛生士で、肝臓及び腎臓病の割合が高いとの報告がある。一方、手術室スタッフ、病棟看護師、放射線技師及び医師を対象とした肝機能及び血液学的検査の結果、本物質を含む麻酔ガスへのばく露群と非ばく露群で有意差はなかったとの報告もある (ACGIH (7th, 2001)、Cohen et al., 1980、De Zotti et a., 1983)。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
-
-
- - データなし
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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