項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 3383-96-8 |
名称 | テメホス |
物質ID | R01-B-054 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | 可燃性との情報 (ICSC (2007)) があるが、データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | ※ |
- |
- | - | 分子内に自己反応性に関連する原子団としてP-O結合を有するが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | UNRTDGにおいて、UN 2783、クラス6.1に分類されており、優先評価項目の自然発火性固体には該当しないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 半金属 (P) を含むが、水に不溶 (ICSC (2007)) というデータがあり水と激しく反応することはないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | 塩素及びフッ素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (P) と結合しているが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | 融点が55℃以下の固体ではあるが、データがなく分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 4,000~13,000 mg/kg (JMPR (2006)) (2) ラットのLD50: 雄: 8,000 mg/kg、雌: 13,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2019)) (3) ラットのLD50: 雄: 8,600 mg/kg、雌: 13,000 mg/kg (HSDB (Access on July 2019)) 【参考データ等】 (4) ラットのLD50: 1,226~13,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) (5) ラットのLD50: 444~2,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2019)) (6) ラットのLD50: 444 mg/kg (EPA Pesticide (2000)、HSDB (Access on July 2019)) (7) ラットのLD50: 1,000 mg/kg (HSDB (Access on July 2019)) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 |
P302+P352
P361+P364 P280 P312 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(7) より、ウサギの知見に基づき、区分3とした。 新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 970~1,850 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) (2) ウサギのLD50: 雄: 1,850 mg/kg、雌: 970 mg/kg (ACGIH (7th, 2019)、EPA Pesticide (2000)) (3) ウサギのLD50: 雄: 1,930 mg/kg、雌: 970 mg/kg (HSDB (Access on July 2019)) (4) ウサギのLD50: 970 mg/kg (HSDB (Access on July 2019)) (5) ラットのLD50: > 4,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2019)、HSDB (Access on July 2019)) (6) ラットのLD50: 2,000~> 4,000 mg/kg (JMPR (2006)) (7) ラットのLD50: 1,370 mg/kg (HSDB (Access on July 2019)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) より、区分が特定できないため、分類できない。 なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (0.000002 mg/L) より高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): > 1,300 mg/m3 (1.3 mg/L) (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2019)、HSDB (Access on July 2019)) 【参考データ等】 (2) ラットのLC50 (ばく露時間不明): > 4.79 mg/L (JMPR (2006)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) EPA OPPTS 870.2500に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性を示さない (刺激性インデックス 1.4) (EPA Pesticide (2000)、HSDB (Access on July 2019))。 (2) 本物質はウサギの眼及び皮膚に刺激性を示さない (JMPR (2006))。 (3) 本物質はごく軽度の皮膚及び眼刺激性を示すが、皮膚感作性を示さない (PATTY (6th, 2012))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2Bとした。 【根拠データ】 (1) EPA OPPTS 870.2400に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で軽度の刺激性を示す (EPA Pesticide (2000)、HSDB (Access on July 2019))。 (2) 本物質はごく軽度の皮膚及び眼刺激性を示すが、皮膚感作性を示さない (PATTY (6th, 2012))。 【参考データ等】 (3) 本物質はウサギの眼及び皮膚に刺激性を示さない (JMPR (2006))。 |
4 | 呼吸器感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(3) より区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) 本物質は軽度の眼刺激性を示すが、皮膚刺激性及び皮膚感作性を示さない (EPA Pesticide (2000)、HSDB (Access on July 2019))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験法 (ビューラー法) で感作性を示さない (JMPR (2006))。 (3) 本物質はごく軽度の皮膚及び眼刺激性を示すが、皮膚感作性を示さない (PATTY (6th, 2012))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (PATTY (6th, 2012))。 |
6 | 発がん性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) の既存分類結果より、ガイダンスに従い、分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2019))に分類されている。 |
7 | 生殖毒性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) より区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌による3世代生殖毒性試験において、生殖及び発生影響はみられていない (ACGIH (7th, 2019)、PATTY (6th, 2012))。 (2) ウサギを用いた経口及び経皮投与による発生毒性試験において、経皮投与で母動物の体重増加抑制がみられたが、いずれの投与経路においても発生毒性はみられていない (ACGIH (7th, 2019)、PATTY (6th, 2012))。 【参考データ等】 (3) 交配から妊娠、分娩、哺育期間にわたり1用量を経口投与した試験において、出産動物数、同腹児数、児の生存率、奇形の発現頻度に影響はみられていないが、母動物及び生後21日の児動物の赤血球コリンエステラーゼ活性の抑制 (母動物: 90%減少、児動物: 30%減少) がみられている (ACGIH (7th, 2019)、PATTY (6th, 2012)) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系) |
警告 |
H371 |
P308+P311
P260 P264 P270 P405 P501 |
【分類根拠】 ヒトでの本物質の単回ばく露に関する報告はない。(1)~(3) の情報より区分2 (神経系) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質は有機リン系農薬であり、コリンエステラーゼ阻害により神経系に作用する (ACGIH (7th, 2019)、IPCS, PIM G001 (1986))。 (2) ラット及びマウスでは、最小用量500 mg/kg (区分2相当) の本物質の経口ばく露により、典型的な有機リン系化合物の中毒症状を生じる (ACGIH (7th, 2019)、PATTY (6th, 2012))。 (3) 高用量の本物質にばく露した動物は、活動性低下、努力呼吸、粗毛、色素涙、流涎、筋肉痙攣、振戦などの典型的なコリンエステラーゼ阻害による急性中毒症状を示す (EPA Pesticide (2000))。 【参考データ等】 (4) 本物質はヒトでコリンエステラーゼ阻害を起こす可能性があり、神経系に作用して吐き気、めまい、錯乱を起こす可能性や、非常に大量のばく露 (事故や大量の漏洩) の場合には呼吸麻痺及び死亡に至る可能性もある (HSDB (Access on July 2019))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、実験動物への経口投与において区分1の範囲で赤血球コリンエステラーゼ阻害が、区分2の範囲で脳中コリンエステラーゼ阻害がみられていることから、区分1 (神経系) とした。 【根拠データ】 (1) ラットに2~350 ppmを90日間混餌投与した結果、18 ppm (0.9 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で赤血球コリンエステラーゼ活性阻害がみられた (ACGIH (7th, 2019))。 (2) イヌに10、50 ppmを129日間混餌投与した結果、50 ppm (3~4 mg/kg/day、区分1の範囲) で赤血球コリンエステラーゼ活性阻害がみられた (ACGIH (7th, 2019)、JMPR (2006))。 (3) イヌに2年間混餌投与した結果、12.5 mg/kg/day (区分2の範囲) でコリン作用性の症状、赤血球コリンエステラーゼ活性阻害、脳中コリンエステラーゼ活性阻害がみられた (JMPR (2006))。 【参考データ等】 (4) ヒトへの反復経口ばく露で3.7 mg/kgまではコリン作動性の影響は生じない (ACGIH (7th, 2019))。 (5) 1.1 mg/kg/dayで4週間、または4.27 mg/kg/dayで5日間のばく露を受けたヒトで臨床所見、赤血球及び血漿中コリンエステラーゼへの影響はみられなかった (JMPR (2006))。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.00054 mg/L(U.S.EPA: OPP Pesticide Ecotoxicity Database, 2019)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
|