項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 10326-27-9 |
名称 | 塩化バリウム・二水和物 |
物質ID | R01-B-063 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (J) (1999)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
8 | 自己反応性化学品 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (J) (1999)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (J) (1999)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 水溶解度が37.5 g/100 mL (26℃、ICSC (J) (1999)) というデータがあり水と激しく反応することはないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | 酸素を含まず、ハロゲン (塩素) を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 無機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(7) より、区分3とした。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50 (無水物) : 132~277 mg/kg (本物質換算: 155~325 mg/kg) (ATSDR (2007)) (2) ラットのLD50 (無水物) : 118 mg/kg (本物質換算: 138 mg/kg) (EHC 107 (1990)) (3) ラットのLD50 : 118 mg/kg (NTP TR432 (1994)、CICAD 33 (2001)、HSDB (Access on October 2019)) (4) ラットのLD50 (無水物) : 300 mg/kg (本物質換算: 352 mg/kg) (SIDS Dossier (2013)、HSDB (Access on October 2019)) (5) ラットのLD50 (無水物) : 269 mg/kg (本物質換算: 316 mg/kg)、132 mg/kg (本物質換算:155 mg/kg) (食品安全委員会 清涼飲料水評価書 (2012)、HSDB (Access on October 2019)) (6) ラットのLD50 (無水物) : 150 mg/kg (本物質換算: 176 mg/kg) (HSDB (Access on October 2019)) (7) ラットのLD50 (無水物) : 419 mg/kg (本物質換算: 492 mg/kg) (HSDB (Access on October 2019)) |
1 | 急性毒性(経皮) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しない。 新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50 (無水物) : > 2,000 mg/kg (本物質換算: > 2,346 mg/kg) (SIDS (2013)、SIDS Dossier (2013)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。新しいデータが得られたことから区分を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質の無水物である塩化バリウム (CAS番号 10361-37-2) は眼、皮膚、気道を刺激する (HSDB (Access on October 2019)、GESTIS (Access on August 2019))。 (2) 無水物の本項分類結果は区分2とされている (2014年塩化バリウムのGHS分類結果)。 【参考データ等】 (3) OECD draft TG (EPISKIN Standard Model) に準拠したin vitro皮膚刺激性試験において15分ばく露後の細胞生存率は80%であり、GHS区分に該当しないとしている (REACH登録情報 (Access on Octorber 2019))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2Aとした。新しいデータが得られたことから区分を変更した。 【根拠データ】 (1) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で24/48/72hの平均スコアはそれぞれ角膜混濁:0.43、虹彩:0.20、結膜発赤:2.47、結膜浮腫:2.43であり、21日後までに全て回復した (REACH登録情報 (Access on October 2019))。 (2) 本物質の無水物である塩化バリウム (CAS番号 10361-37-2) は眼、皮膚、気道を刺激する (HSDB (Access on October 2019)、GESTIS (Access on August 2019))。 |
4 | 呼吸器感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) においてSI値は3未満であり、陰性と判定された (REACH登録情報 (Access on October 2019))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 In vivoデータがなく、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験 (SCE) で陰性の報告、マウスリンフォーマ試験で陽性の報告がある (NTP DB (Access on August 2019)、NTP TR432 (1994))。 |
6 | 発がん性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) の既存分類結果より、ガイダンスに従い分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでバリウム及びその可溶性化合物としてA4 (ACGIH (7th, 2001)) に分類されている。 |
7 | 生殖毒性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) の発生毒性のデータがあるが、生殖能、性機能に関するデータが不十分であり、データ不足のため分類できないとした。 【根拠データ】 (1) 雌ラットの妊娠0~20日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物の致死量 (最高用量で2/24例死亡)においても胎児の発生影響はみられなかった (REACH登録情報 (Access on October 2019))。 【参考データ等】 (2) マウス、ラットを用いた飲水投与での生殖毒性試験において、生殖能に影響がみられていないとの報告がある (SIDS (2013)、ATSDR (2007)、CICAD 33 (2001))。なお、これらの試験における対照群の妊娠率はマウスで55%、ラットで40%と低く生殖影響を評価するためには不十分と考えられることから分類根拠としなかった。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、心血管系、筋肉系、腎臓、消化管)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H370
H335 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分1 (神経系、心血管系、筋肉系、腎臓、消化管)、区分3 (気道刺激性) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ヒトでは本物質を含む可溶性バリウム化合物の事故あるいは意図的な高濃度の摂取により、消化管障害 (嘔吐、下痢、腹痛等) と低カリウム血症を生じ、低カリウム血症の結果として、心血管系 (不整脈、血圧上昇又は低下等)、神経系 (骨格筋麻痺等) 及び腎臓 (腎不全等) への影響を生じるとの記載がある (ATSDR (2007)、ACGIH (7th, 2001)、CICAD 33 (2001))。 (2) 塩化バリウム13 gを経口摂取した52歳男性が、下痢、腹痛、四肢の脱力と麻痺、低カリウム血症、急性腎不全を生じたが回復した症例の報告がある (NTP TR432 (1994)、ATSDR (2007)、HSDB (Access on October 2019))。また、塩化バリウム (量不明) を経口摂取した70歳女性が、心室頻拍、消化管障害、血圧低下、低カリウム血症を生じて死亡した症例の報告がある (ATSDR (2007)、HSDB (Access on October 2019))。 (3) 本物質を含む可溶性バリウム化合物は、眼、鼻、喉、気管、皮膚の局所刺激を生じる可能性があるとの記載がある (HSDB (Access on October 2019))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(心血管系) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、本物質を含む可溶性バリウムは、ヒトにおいて低カリウム血症に起因した心血管系への影響を生じると考えられることから、区分1 (心血管系) とした。新たな情報源を用いて検討を行い、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 塩化バリウム等の可溶性バリウムを含む飲料水を摂取していた居住地区のヒトの集団において、高血圧、心臓疾患、発作の発生頻度が上昇したとの報告、並びに、同様の他の集団において心血管障害、動脈硬化症など心臓疾患による死亡率の増加がみられた (ATSDR (2007))。 (2) 鉱物処理施設において様々なグレードのバリウムの混合及び粉砕によって平均1.07 mg/m3 の可溶性バリウムにばく露された労働者における高血圧症の発生率の増加が報告されている (CICAD 33 (2001))。 【参考データ等】 (3) バリウムイオンはカリウムの拮抗物質であり、バリウムがカリウムを細胞外から細胞内へと移動を促進させ、低カリウム血症が生じる (ACGIH (7th, 2001))。 (4) 塩化バリウム (CAS番号 10361-37-2) 又は本物質をラット又はマウスに13週間又は2年間飲水投与した試験で、いずれも区分2を超える用量で腎臓への影響 (腎症による死亡、尿細管拡張) がみられており、腎臓は動物試験では最も感受性の高い臓器であると記述されている (ATSDR (2007))。 (5) 塩化バリウムは区分1 (心血管系、神経系、筋肉系、腎臓) に分類されている (2014年度GHS分類)。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分3 |
- |
H402 |
P273
P501 |
塩化バリウム・二水和物の急性毒性データは得られてないが、塩化バリウム無水物で甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 14.5 mg Ba/L(塩化バリウム・二水和物として25.8 mg/L)(SIDS, 2013)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分3 |
- |
H412 |
P273
P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。無機化合物につき環境中動態が不明だが、急性毒性区分3であることから、区分3とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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