政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 12071-83-9
名称 N,N'-プロピレンビス(ジチオカルバミン酸)と亜鉛の重合物 (別名:プロピネブ)
物質ID R01-B-066
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 水溶解度が10 mg/L (20℃、GESTIS(Access on May 2019)) との情報より、水と激しい反応をおこすことはないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - 酸素、塩素及びフッ素を含まない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 8,500 mg/kg (ECH 78 (1988)、GESTIS (Access on August 2019))
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分を特定できないため、分類できない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 1,000 mg/kg (EHC 78 (1988)、GESTIS (Access on August 2019))
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分を特定できないため、分類できない。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間) : > 0.693 mg/L (GESTIS (Access on August 2019))

【参考データ等】
(2) ラットのLC50 (ばく露時間不明) : 983 mg/m3 (0.983 mg/L) (EFSA (2016))
2 皮膚腐食性/刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
旧分類で区分1の根拠とされた農薬登録申請資料が入手できず、データ不足のため、分類できない。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。旧分類で区分に該当しないとされたが、当時根拠とされた農薬登録申請資料は現在入手不能であり、新たな知見も得られなかったため、分類結果を変更した。
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) の既存分類結果からガイダンスに従い区分1Bとした。既存分類結果の追加により旧分類から分類結果を変更した。なお、実験動物では良性腫瘍の増加のみがみられている。また、EFSAでは人に対する発がん性は示さないと評価されている。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでL (Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Annual Cancer Report (2018):2013年分類) に分類されている。

【参考データ等】
(2) マウスを用いた混餌投与による発がん性試験 (50~800 ppm) では、雄の800 ppmで肝細胞腺腫の増加がみられたが、雌では腫瘍の発生増加はみられなかった (JMPR (1993))。
(3) ラットを用いた混餌投与による長期投与試験では、1,000 ppm以上で甲状腺の良性腫瘍の発生増加がみられた (JMPR (1993))。
(4) 腫瘍性影響 (過形成からがん) の連続性の徴候を欠いていること、またマウスの方が高い感受性を有することを考慮すると、本物質はヒトに当てはまる発がん性ポテンシャルを持たないと考えられる (EFSA (2016))。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、母動物毒性 (詳細不明) がみられる用量で生殖能の低下、胚/胎児毒性がみられていることから、区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による3世代生殖毒性試験において、母動物毒性 (詳細不明) がみられる用量で生殖能の低下 がみられた (JMPR (1993))。
(2) ラットを用いた発生毒性試験において、母動物毒性 (詳細不明) がみられる用量で胚/胎児毒性がみられたが、催奇形性はみられていない (JMPR (1993))。

【参考データ等】
(3) ウサギを用いた発生毒性試験において、母動物毒性がみられたが、催奇形性、胚/胎児毒性はみられていない (JMPR (1993))
(4) 雌ラットの妊娠11日に強制経口投与した結果、母動物毒性用量で胎児毒性及び生存胎児に様々な奇形がみられたが、奇形は超大量 (2,300 mg/kg) での影響であった (EHC 78 (1988))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(甲状腺)、区分2(神経系)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1) より、ラットへの経口投与により区分1の範囲で甲状腺への影響がみられており、(2) より区分2の範囲で神経系への影響が示唆されることから、区分1 (甲状腺)、区分2 (神経系) とした。

【根拠データ】
(1) ラットに2~250 ppm を62日間混餌投与した結果、50 ppm (ガイダンス値換算: 1.7 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上でサイロキシン濃度の変化及び甲状腺肥大がみられた (JMPR (1993))。
(2) ラット、イヌに90日間経口投与した結果、ラットでは神経筋への影響 (後肢の弛緩と麻痺、運動性と握力の低下、筋萎縮と神経線維の腫脹) 及び甲状腺ホルモンの減少が、イヌでは神経学的所見及び甲状腺ホルモンの変化がみられ、NOAELはそれぞれ7.6 mg/kg/day、4.3 mg/kg/dayと報告されている。これらの結果に基づきEUではSTOT RE cat 2 (甲状腺、末梢神経系) に分類されている (EFSA (2016))。

【参考データ等】
(3) 本物質の主要な代謝物であるプロピレンチオウレア (PTU) (CAS番号 2122-19-2) について、ラットに1~1,000 ppmを24ヵ月間混餌投与し甲状腺への影響を調べた試験で、100 ppm (ガイダンス値換算: 5 mg/kg/day、区分1の範囲) で甲状腺重量の増加がみられた。ラットにPTUを1~1,000 ppmの濃度で24ヵ月間混餌投与した別の試験では、100 ppm (ガイダンス値換算: 5 mg/kg/day、区分1の範囲) で死亡率増加、体重増加抑制のほか甲状腺の非腫瘍性病変がみられた (JMPR (1993))。
(4) ラットを用いて本物質、PTU、エチレンチオウレア (ETU) (CAS番号 96-45-7)、ジネブ (CAS番号 12122-67-7) 及びメチルチオウラシル (CAS番号 56-04-2) の甲状腺重量への影響を調べた21日間の比較試験の結果、本物質の主要な代謝物であるPTUはメチルチオウラシルと同等でETUより強い影響を示したことから、ラットでみられた本物質の甲状腺への影響は、代謝物であるPTUによるものであることが示唆された (JMPR (1993))。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - 適切なデータが得られておらず、分類できない。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - 適切なデータが得られておらず、分類できない。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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