政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 12208-13-8
名称 酸性ピロアンチモン酸カリウム
物質ID R01-B-067
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on September 2019)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on September 2019)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on September 2019)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 水溶解度が28 g/L (20℃, GESTIS (Access on September 2019)) との情報より、水と激しい反応をおこすことはないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - 酸素を含み、ハロゲンを含まない無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 無機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間、粉じん) : > 5.4 mg/L (REACH登録情報 (Access on November 2019))
2 皮膚腐食性/刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で24/48/72hの平均スコアは全て0であった (REACH登録情報 (Access on October 2019))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で結膜発赤/浮腫、角膜混濁、虹彩の24/48/72hの平均スコアは全て0であった (REACH登録情報 (Access on October 2019))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) においてSI値は3未満であり、陰性と判定された (REACH登録情報 (Access on October 2019))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
In vivoデータがなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告がある (DFGOT vol.23 (2007))。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。既存分類結果の見直しにより分類結果を変更した。

【参考データ等】
(1) アンチモン化合物についての国内外の分類機関による既存分類では、三酸化二アンチモン (CAS番号 1309-64-4) がIARCでグループ2Bに、硫化アンチモン (CAS番号 1345-04-6) がIARCでクループ3に分類されている。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 雌ラットの妊娠6~19日に ナトリウム塩 (酸性ピロアンチモン酸ナトリウム、CAS番号 33908-66-6) を強制経口投与した発生毒性試験において、最高用量である1,000 mg/kg/dayにおいても母動物毒性、発生毒性共にみられていない (REACH登録情報 (Access on October 2019))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(肺、心血管系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、ヒトへの急性ばく露により肺、心血管系への影響が懸念されることから、区分1 (肺、心血管系) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質自体の情報はないが、アンチモン及び化合物について、高濃度の急性及び慢性ばく露で肺炎、心臓及び血液学的疾患が予想されるとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。
(2) 「労働基準法施行規則の規定に基づき労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物 (合金を含む。) 並びに労働大臣が定める疾病を定める件」(平成8年労働省告示第33号) において、アンチモン及びその化合物について労働大臣が定める疾病として、頭痛、めまい、嘔吐等の自覚症状、皮膚障害、前眼部障害、心筋障害又は胃腸障害が記載されている。

【参考データ等】
(1) ナトリウム塩 (酸性ピロアンチモン酸ナトリウム、CAS番号 33908-66-6) に関しては、ラットに粉じん5.4 mg/L (区分2相当) を4時間単回吸入ばく露した試験で死亡例はなく、気道刺激性を示す症状も、鼻、喉頭、気管、肺に被検物質投与に関連した病理組織学的変化もみられなかったとの報告がある (REACH登録情報 (Access on October 2019))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肺、心血管系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、ヒトへの反復ばく露により肺、心血管系への影響が懸念されることから、区分1 (肺、心血管系) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質自体の情報はないが、アンチモン及び化合物について、高濃度の急性及び慢性ばく露で肺炎、心臓及び血液学的疾患が予想されるとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。
(2) 「労働基準法施行規則の規定に基づき労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物 (合金を含む。) 並びに労働大臣が定める疾病を定める件」(平成8年労働省告示第33号) において、アンチモン及びその化合物について労働大臣が定める疾病として、頭痛、めまい、嘔吐等の自覚症状、皮膚障害、前眼部障害、心筋障害又は胃腸障害が記載されている。

【参考データ等】
(3) ラットに酸性ピロアンチモン酸ナトリウム (CAS番号 33908-66-6) を90日間経口投与した結果、1,000 mg/kg/day (区分2超) の用量まで投与に関連した影響はみられなかった (REACH登録情報 (Access on October 2019))。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
魚類(マダイ)96時間LC50 = 6.9 mg Sb/L(本物質として14.9 mg/L)(環境省リスク評価第15巻, 2017)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
無機化合物につき環境中動態が不明だが、慢性毒性データを用いた場合、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 29.3 mg Sb/L(本物質として63.3 mg/L)(環境省リスク評価第15巻, 2017)であることから、区分に該当しないとなる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、無機化合物につき環境中動態が不明であり、魚類(マダイ)の96時間LC50 = 6.9 mg Sb/L(本物質として14.9 mg/L)(環境省リスク評価第15巻, 2017)であることから区分2となる。
以上の結果を比較し、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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