項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 12656-85-8 |
名称 | 硫酸モリブデン酸クロム酸鉛 |
物質ID | R01-B-071 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | 不燃性 (GESTIS (Access on September 2019)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
8 | 自己反応性化学品 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | 不燃性 (GESTIS (Access on September 2019)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | 不燃性 (GESTIS (Access on September 2019)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 金属 (Mo、Pb及びCr) を含むが、水溶解度が <0.01 mg/L (20℃) (HSDB (Access on August 2019)) というデータがあり、水と急激な反応をしないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | 酸素を含み、ハロゲンを含まない無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 無機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (Environ Health Canada (2008)、HSDB (Access on August 2019)) |
1 | 急性毒性(経皮) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 404及びOECD TG 405に準拠したウサギを用いた皮膚及び眼刺激性試験で刺激性は認められなかった (GESTIS (Access on August 2019))。 (2) ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (ガイドライン不明) で刺激性は認められなかった (REACH登録情報 (Access on October 2019))。 【参考データ等】 (3) クロムを含有する材料に持続的にばく露される労働者において皮膚の慢性潰瘍及び刺激性皮膚炎が報告されている (IARC 49 (1990))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) OECD TG 404及びOECD TG 405に準拠したウサギを用いた皮膚及び眼刺激性試験で刺激性は認められなかった (GESTIS (Access on August 2019))。 (2) ウサギを用いた眼刺激性試験 (ガイドライン不明) で刺激性は認められなかった (REACH登録情報 (Access on October 2019))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1A |
危険 |
H334 |
P304+P340
P342+P311 P261 P284 P501 |
【分類根拠】 (1) より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1) 産衛学会においてクロム及びクロム化合物は気道感作性物質第2群に指定されている (産衛学会感作分類基準 (暫定) の提案理由書 (2010))。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1A |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1) 産衛学会においてクロム及びクロム化合物は皮膚感作性物質第1群に指定されている (産衛学会感作分類基準 (暫定) の提案理由書 (2010))。 (2) European Union Risk Assessment Report (RAR) においてクロム化合物は感作性物質と分類すると記載されている (REACH登録情報 (Access on October 2019))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4) より、専門家判断に基づき、区分2とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 本物質はクロム(VI)酸鉛 (CAS番号 7758-97-6)、硫酸鉛(II) (CAS番号 7446-14-2)、モリブデン酸鉛(II) (CAS番号 10190-55-3) を、各々69~80%、9~15%、3~7%の比率で含有する混合相結晶性固体 (solid mixed phase crystal) である (ECHA SVHC Support Document (2009)、Environment Health Canada (2008))。 (2) 本物質は、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた (小核) 試験で陰性であったが、原著者らは被験物質が骨髄に到達したという証拠がなく、この結果は確定的なものではないと考察している (Environment Health Canada (2008))。 (3) 本物質は、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性と陰性の結果、哺乳類培養細胞を用いた姉妹染色分体交換試験、染色体異常試験で陽性の結果が得られている (Environment Health Canada (2008)) (4) 本物質の主要成分であるクロム(VI)酸鉛 (CAS番号 7758-97-6) は本邦GHS分類で区分2に分類されている (2014年度GHS分類 : In vivoでは、マウスの小核試験で陽性である (IARC 49 (1990))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、ヒト培養リンパ球及び/又は哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性である (NICNAS (2007)、CICAD 78 (2013)、IARC 49 (1990))。以上の知見及び本物質は水に難溶性のCr (VI) のため、区分2とした。)。 |
6 | 発がん性 | 区分1A |
危険 |
H350 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) の六価クロム化合物としての既存分類結果からガイダンスに従い区分1Aとした。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでChromium (VI) compoundsとしてグループ1 (IARC 100C (2012))、NTPでChromium Hexavalent Compounds (CAS番号 18540-29-9) としてK (NTP 14th RoC (2016))、産業衛生学会ではクロム化合物 (6価) (CAS番号 18540-29-9) として第1群 (産業衛生学会誌許容濃度の勧告 (2019年度))、EU CLPでCarc.1B (EU CLP分類 (Access on August 2019)) に分類されている。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1A |
危険 |
H360 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質のデータはないが、(1) より本物質は鉛化合物の混合物であること、及び(2) より区分1Aとした。 【根拠データ】 (1) 本物質はクロム(VI)酸鉛 (CAS番号 7758-97-6)、硫酸鉛(II) (CAS番号 7446-14-2)、モリブデン酸鉛(II) (CAS番号 10190-55-3) を、各々69~80%、9~15%、3~7%の比率で含有する混合相結晶性固体 (solid mixed phase crystal) である (ECHA SVHC Support Document (2009)、Environment Health Canada (2008))。 (2) 日本産業衛生学会が鉛及び鉛化合物に対して生殖毒性第1群 (区分1A相当) に分類している (産衛学会生殖毒性物質の提案理由書 (2013)) 【参考データ等】 (3) EU CLP分類ではRepr. 1Aに分類されている。 (4) クロム(VI)酸鉛 (CAS番号 7758-97-6) は本邦GHS分類で区分1Aに分類されている (2014年度GHS分類参照)。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質のヒト及び実験動物での単回ばく露に関する報告はないが、(1)、(2) より、鉛及び6価クロム化合物の毒性情報が参考となると考えられる。したがって、(3)、(4) より、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質はクロム(VI)酸鉛 (CAS番号 7758-97-6)、硫酸鉛(II) (CAS番号 7446-14-2)、モリブデン酸鉛(II) (CAS番号 10190-55-3) を、各々69~80%、9~15%、3~7%の比率で含有する混合相結晶性固体 (solid mixed phase crystal) である (ECHA SVHC Support Document (2009)、Environment Health Canada (2008))。 (2) 最も含量が多いクロム(VI)酸鉛は鉛化合物で6価のクロム化合物でもある。クロム(VI)酸鉛は、それ自体の情報はないが、鉛化合物と6価クロム化合物の情報に基づき、2014年GHS分類において、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓) と分類されている。 (3) ヒトでは鉛の急性毒性症状として感情鈍麻、不穏状態、短気、注意力散漫、頭痛、筋振戦、幻覚、記憶喪失、腎障害が報告されている (産衛学会生物学的許容値の提案理由書 (2013)、ATSDR (2007)、EHC 3 (1977))。 (4) 6価クロム化合物のヒトでの急性毒性影響として、経口経路では呼吸器、心血管系、消化器、血液、肝臓、腎臓及び神経系への影響が報告されている (CICAD 78 (2013))。また。吸入経路では気道刺激性を示すとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器、血液系、心血管系、腎臓) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1) より、本物質はクロム酸鉛を主成分とする無機鉛化合物であることから、鉛及び6価クロム化合物の毒性情報が参考となると考えられる。(2)、(3) より、本物質の実験動物への経口投与により区分2の範囲で中枢神経系、血液系、腎臓への影響がみられていることに加え、(4) より、鉛のヒトにおける標的臓器として神経系、血液系、心血管系、腎臓への影響が考えられ、(5) より、クロム(VI)酸鉛として区分1 (呼吸器) に分類されていることを考慮し、区分1 (中枢神経系、呼吸器、血液系、心血管系、腎臓) とした。 【根拠データ】 (1) 本物質はクロム(VI)酸鉛 (CAS番号 7758-97-6)、硫酸鉛(II) (CAS番号 7446-14-2)、モリブデン酸鉛(II) (CAS番号 10190-55-3) を、各々69~80%、9~15%、3~7%の比率で含有する混合相結晶性固体 (solid mixed phase crystal) である (ECHA SVHC Support Document (2009)、Environment Health Canada (2008))。 (2) 本物質をイヌに90日間経口投与した結果、2,000 ppm (60 mg/kg/day、区分2の範囲) でヘモグロビン、ヘマトクリット値の減少、赤血球の形態変化、尿中アミノレブリン酸の増加、腎臓の病理組織学的変化がみられたほか、死亡前の臨床所見として性腺の発達不全、嗜眠、食欲不振、脱水症、衰弱、過敏症、方向感覚の喪失、運動失調、痙攣などがみられた (Environment Canada/Health Canada (2008))。 (3) 本物質をラットに90日間経口投与した結果、2,000 ppm (100 mg/kg/day、区分2の範囲) でイヌと同様に血液学的影響、尿、腎臓への影響等、イヌと同様の所見がみられた (Environment Canada/Health Canada (2008))。 (4) 作業者及び一般の成人及び子供の研究から、鉛毒に対する最も敏感な標的は発達中の神経系 (developing nervous system)、血液系 (ヘム合成阻害等)、心血管系 (高血圧等) 及び腎臓 (糸球体ろ過率の低下等) である (ATSDR (2007))。 (5) クロム(VI)酸鉛は、それ自体の情報はないが、鉛化合物と6価クロム化合物の情報に基づき、2014年GHS分類において、区分1 (呼吸器) と分類されている。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分4 |
- |
H413 |
P273
P501 |
水溶解度までの濃度で急性毒性が報告されていないが、金属化合物であり水中での挙動が不明であるため、区分4とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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