項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 102851-06-9 |
名称 | α-シアノ-3-フェノキシベンジル=N-(2-クロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-D-バリナート (別名:フルバリネート) |
物質ID | R01-B-072 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 |
警告 |
H227 |
P370+P378
P210 P280 P403 P501 |
引火点90℃ (closed cup) (ATSDR (2003)) に基づいて、区分4とした。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
8 | 自己反応性化学品 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | 酸素、フッ素及び塩素を含む有機化合物であり、これらの酸素、フッ素及び塩素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分3とした。なお、(2) は非GLP試験であるが、溶媒の違いによる物質の吸収性に起因してLD50値が低くなったと考えられる。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50 (1%Tween 80) : 雄: 1,698 mg/kg、雌: 1,396 mg/kg (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017)、農薬抄録 (2016)) (2) ラットのLD50 (コーン油) : 雄: 282 mg/kg、雌: 261 mg/kg (EPA Pesticide (2005)、食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017)、農薬抄録 (2016)) |
1 | 急性毒性(経皮) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg (EPA Pesticide (2005)) (2) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017)、農薬抄録 (2016)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 |
危険 |
H330 |
P304+P340
P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (ミスト、4時間): 雄: 約465 mg/m3 (0.465 mg/L)、雌: 439 mg/m3 (0.439 mg/L) (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017)、農薬抄録 (2016)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。 【根拠データ】 (1) EPA OPPTS 870.2500に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で一次刺激性インデックス(PII) は0.8であった (EPA Pesticide (2005))。 (2) 本物質 (0.5 mL) をウサギに4時間半閉塞適用した皮膚刺激性試験で、24/48/72hの紅斑及び浮腫の平均スコアはそれぞれ、0.44及び0.11であった (農薬抄録 (2016))。 (3) ウサギを用いた皮膚刺激性試験では、刺激性は認められなかった (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 【参考データ等】 (4) EU-CLP分類でSkin Irrit. 2 (H315) に分類されている (EU CLP分類 (Access on August 2019))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) のデータはあるが、詳細が確認できず分類できないとした。 【参考データ等】 (1) EPA OPPTS 870.2400に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で分泌物が適用1時間後まで、結膜の発赤と浮腫が適用3日後まで認められた (EPA Pesticide (2005))。 |
4 | 呼吸器感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため、分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1B |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1) 、(2) より、区分1Bとした。新しいデータが得られたことから区分を変更した。 【根拠データ】 (1) 農水省ガイドラインに準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、GLP準拠、皮内感作:5%、貼付感作:50%、惹起:15%) において陽性率39%と判定された (農薬抄録 (2016))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において、中等度の皮膚感作性が認められた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 【参考データ等】 (3) EPA OPPTS 870.2600に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験で感作性を示さなかった (EPA Pesticide (2005))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) より、in vivo、in vitro試験のいずれも陰性であったことから、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、ラットを用いる染色体異常試験で陰性の報告がある (農薬抄録 (2016)、食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験、不定期DNA合成試験、遺伝子突然変異試験で陰性の報告がある (農薬抄録 (2016)、食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 |
6 | 発がん性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) の既存分類結果から、ガイダンスの区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでNL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Pesticide (2005)) に分類されている。 【参考データ等】 (2) ラットに本物質を2年間強制経口投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、雌で乳腺の線維腺腫の発生頻度の有意な増加が認められたが、背景データの範囲内であった (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 (3) マウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、腫瘍の発生頻度の増加は認められなかった (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 |
7 | 生殖毒性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1) より、F1及びF2児動物で一過性の振戦がみられ、F1児動物では哺育期に認められたことから、授乳を介する影響も否定できないが明確な証拠がない。(2)、(3) より母動物毒性がみられる用量において明確な発生影響がみられていない。従って区分に該当しないとした。なお、新たな情報源を用いたことから分類結果が変更となった。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、親動物毒性として皮膚潰瘍、体重増加抑制等がみられる用量でF1及びF2児動物に低体重、一過性の振戦 (F1児動物では哺育期) がみられたが生殖影響はみられていない (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 (2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (流涎) がみられる用量で胎児に骨格変異がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 (3) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重減少等) がみられる用量で胎児に異常はみられていない。なお、骨格異常及び内臓異常が報告されているが対照群と発生率に差が無いことから影響を否定されている (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、呼吸器) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物では、(1)、(2) のように経口経路で神経系、(3) のように吸入経路で神経系と呼吸器への影響がみられている。(3) で影響がみられた濃度が区分1相当であることから、区分1 (神経系、呼吸器) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットの単回経口投与試験において、1,000 mg/kg (雄) 又は592 mg/kg (雌) 以上で流涎、発汗、沈静、歩行不良及び呼吸困難が認められた。死亡例は1,300 mg/kg (雄) 又は769 mg/kg (雌) 以上でみられた。影響がみられた最小用量は区分2に相当する (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 (2) マウスの単回経口投与試験において、1,200 mg/kg (雌雄) 以上で歩行不良、行動活発化、流涎、異常歩行が認められた。また、1,200 mg/kg (雄) 又は1,440 mg/kg (雌) 以上で間代性発作が認められた。死亡例は2,074 mg/kg (雄) 又は1,440 mg/kg (雌) 以上でみられた。影響がみられた最小用量は区分2に相当する (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 (3) ラット (雌雄各5/群) に本物質のミスト0.097~0.778 mg/L (区分1相当) を4時間単回吸入ばく露した試験において、筋弛緩、歩行異常、流涎、鼻汁、尿失禁、あえぎ、腹部膨満、感応性亢進、四肢蒼白、鼻息音が認められたが、ばく露後3日目には消失した。影響がみられた最小濃度に関する記載はないが、LC50値 (約0.465 mg/L (雄) 又は0.439 mg/L (雌)) 付近又はそれ以下の濃度と考えられる。剖検では死亡動物の全例に肺の出血斑とうっ血、生存動物では0.521 mg/L及び0.778 mg/L群の雄各1例に肺気腫が認められた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017)、農薬抄録 (2016))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(血液系) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4) より区分2 (血液系) とした。 なお、この他に皮膚、眼への影響がみられているが、皮膚病変は、本物質の掻痒感誘発作用により動物自らが皮膚を傷つけたことが原因と考えられ、眼への影響についてもこれに関連した影響と判断し、標的臓器としなかった。新たな情報源を用いて検討を行い、旧分類から分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による90日間反復投与毒性試験において、150 ppm (雄/雌: 8.51/8.94 mg/kg/day、区分1の範囲) の雄で脱毛又は痂皮等皮膚病変等、450 ppm (雄/雌: 25.8/26.5 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で赤血球数減少等、雌でヘマトクリット値、ヘモグロビン減少、脱毛又は痂皮等皮膚病変等がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 (2) ラットを用いた混餌投与による90日間反復投与毒性試験において、30 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雌雄でヘモグロビン及びヘマトクリット値減少等、皮膚病変及び付随リンパ節炎、雌で赤血球数減少等、50 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌雄で流涎過多、異常歩行、雄で赤血球数減少等、雌で白血球数増加、血清AST増加、卵巣重量減少等がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 (3) マウスを用いた混餌投与による90日間反復投与毒性試験において、3 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雄及び30 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雌で皮膚病変、50 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雌でヘモグロビン減少、100 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌雄で皮膚病変等、雌でヘマトクリット値及び赤血球数減少、白血球数増加、卵巣重量減少、卵巣の低形成及び傍卵巣のう胞の増加等がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 (4) イヌを用いた強制経口投与による1年間反復投与毒性試験において、5 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上の雄で嘔吐、皮膚病変及び皮膚炎、25 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌雄で下痢、ヘモグロビン、ヘマトクリット値、赤血球数減少、雌で嘔吐、皮膚病変 及び皮膚炎等がみられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 【参考データ等】 (5) 本物質投与による影響は、主に一般状態 (流涎、自発運動低下、歩行異常等)、体重(増加抑制)、血液 (貧血) 及び皮膚 (脱毛、痂皮等) に認められた。皮膚病変は、フルバリネートの掻痒感誘発作用により、動物自らが皮膚を傷つけたことが原因と考えられた (食品安全委員会 農薬・動物用医薬品評価書 (2017))。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
魚類(コイ)96時間LC50 = 0.00195 mg/L(農薬抄録, 2016)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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