政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 119168-77-3
名称 N-(4-tert-ブチルベンジル)-4-クロロ-3-エチル-1-メチルピラゾール-5-カルボキサミド(別名:テブフェンピラド)
物質ID R01-B-077
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団 (隣接する窒素) を含んでいるが、データがなく分類できない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団として、隣接する窒素を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - フッ素を含まず酸素及び塩素を含む有機化合物であるが、この酸素及び塩素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 湿性や希釈等により鈍性化がなされていないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分3とした。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。
GLP/TG試験でより安全側の知見を採用とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雌: > 50~< 300 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))
(2) ラットのLD50: 雄: 595 mg/kg、雌: 997 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第20巻第4号 (1995)、HSDB (Access on August 2019))

【参考データ等】
(3) マウスのLD50: 雄: 224 mg/kg、雌: 210 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第20巻第4号 (1995)、HSDB (Access on August 2019))
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (粉じん、4時間) : 雄: 2,660 mg/m3 (2.66 mg/L)、雌: > 3,090 mg/m3 (3.09 mg/L) (農薬工業会「日本農薬学会誌」第20巻第4号 (1995)、食品安全委員会 農薬評価書 (2018))
2 皮膚腐食性/刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質はウサギを用いた皮膚刺激性試験及び眼刺激性試験において刺激性を示さない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、HSDB (Access on August 2019)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第20巻第4号 (1995))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
【分類根拠】
(1) より、区分2Bとした。

【根拠データ】
(1) ウサギの眼に本物質 (0.1g) を適用した眼刺激性試験において、角膜および結膜に刺激性変化がみられたが,投与72時間後に消失した (農薬工業会「日本農薬学会誌」第20巻第4号 (1995))。

【参考データ等】
(2) 本物質はウサギを用いた眼刺激性試験において刺激性を示さない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、HSDB (Access on August 2019))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法及びビューラー法) においてマキシマイゼーション法では感作性が認められたが、ビューラー法では陰性であった (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第20巻第4号 (1995))。
(2) 本物質はモルモットに対して感作性を有する (HSDB (Access on August 2019))。

【参考データ等】
(3) EU-CLP分類でSkin Sens. 1B (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on August 2019))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスを用いた小核試験で陰性の報告がある (食品安全委員会 農薬評価書 (2018)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第20巻第4号 (1995))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験、不定期DNA合成試験で陰性の報告、ヒトリンパ球培養細胞の染色体異常試験の一部 (S9-) で陽性の報告があるが、より高用量まで実施した同試験で陰性の報告がある (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) の既存分類結果からガイダンスに従い区分2とした。既存分類結果の追加により旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (Suggestive Evidence of Carcinogenicity, but not Sufficient to Assess Human Carcinogenic Potential) (EPA Annual Cancer Report (2018):2002年分類) に分類されている。

【参考データ等】
(2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、雄で肝細胞腺腫の発生頻度増加が認められた。雌でも肝細胞腺腫の発生頻度増加が認められたが用量相関性が認められなかったことから投与の影響ではないと考えられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
(3) マウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、投与に関連した腫瘍性病変の発生頻度増加は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。新たな情報源を用い、データを見直したことから旧分類と分類結果が異なった。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、親動物に体重増加抑制、摂餌量減少がみられる用量で、児動物で体重増加抑制がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、活動性低下等) がみられる用量で、胎児に骨格変異 (14肋骨) 増加がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
(3) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で流産 (2/20例) がみられたが、胎児に影響はみられていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。

【参考データ等】
(4) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡又は切迫屠殺 (4/22 例)、後弯姿勢、運動失調、振戦等) がみられる用量で、胎児に低体重、骨化遅延、全胚吸収数増加がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。 この試験は、重篤な母動物毒性がみられていることから、分類根拠としなかった。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(呼吸器)、区分3(麻酔作用)



警告
H371
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
【分類根拠】
本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物での (1)~(3) の情報より、区分2 (呼吸器)、区分3 (麻酔作用) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットの単回経口投与試験において、128 mg/kg (区分1相当) 以上で腹臥姿勢、運動活性低下、運動失調、呼吸緩徐及び頻呼吸が、320 mg/kg (区分2相当) 以上で意識消失がみられた。また、別のラットの単回経口投与試験において、300 mg/kg (区分1上限) で自発運動低下、よろめき歩行が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
(2) 本物質粉じんを用いたラットの4時間単回吸入ばく露試験において、中枢神経影響 (嗜眠、接触及び音に対する過敏)、呼吸器影響 (呼吸数減少・呼吸の深化・あえぎ、ラッセル音) がみられた。雌で1.28 mg/L、雄で2.14 mg/Lから死亡例が生じており、区分2での影響と考えられる (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
(3) 一般薬理試験 (単回経口投与) において、中枢神経系影響を示唆する所見 (認知力低下及び運動失調等 (マウス)、脳波の変化 (ウサギ) 等) がみられている (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。

9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、血液系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、ラットへの経口投与により区分1の範囲で肝臓、血液系への影響がみられていることから、区分1 (肝臓、血液系) とした。新たな情報源を用いて検討を行い、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌による90日間反復投与毒性試験において、100 ppm (雄/雌: 6.81/7.27 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌雄で肝重量増加、雌でALP増加等、400 ppm (雄/雌: 29.0/31.6 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で血小板数減少、γ-GT及びBUN増加、雄で白血球数減少、OCT (オルニチンカルバミルトランスフェラーゼ) 増加、雌でヘモグロビン、ヘマトクリット値減少、赤血球数増加、小葉中心性肝細胞肥大、下垂体、脾及び胸腺重量減少等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
(2) ラットを用いた混餌による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、150 ppm (雄/雌: 6.52/8.13 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雌雄で体重増加抑制、MCV減少、ALP、肝重量増加、肝細胞肥大、雄でMCH減少、雌でヘモグロビン、ヘマトクリット値減少、血小板数増加、球状赤血球数増加、胸腺重量減少、卵巣重量増加、小球性低色素性貧血、300 ppm (雄/雌: 13.4/17.0 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で膵臓腺房細胞巣状過形成、雄で胸腺重量減少、精巣重量増加、小球性低色素性貧血、雌で削痩及び後弯姿勢、平均赤血球血色素量減少、白血球数及びリンパ球増加、尿素窒素の増加等がみらた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。

【参考データ等】
(3) イヌを用いた強制経口投与による90日間反復投与毒性試験において、10 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で嘔吐、下痢、軟便がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
(4) イヌを用いた強制経口投与による1年間慢性毒性試験において、6 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雌雄で嘔吐、下痢、軟便、慢性胃炎、雌で胃幽門部びらんがみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2018))。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(ニジマス)96時間LC50 = 0.0178 mg/L(U.S.EPA: OPP Pesticide Ecotoxicity Database, 2020)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分1であることから、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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