政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 122008-85-9
名称 ブチル=(R)-2-[4-(4-シアノ-2-フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオナート (別名:シハロホップブチル)
物質ID R01-B-080
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - 塩素を含まず酸素及びフッ素を含む有機化合物であるが、この酸素及びフッ素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 融点が55℃以下の固体ではあるが、データがなく分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (EPA Pesticide (2002)、EFSA (2015)、農薬工業会「食品衛生研究」Vol.49 No.7 (1999)、HSDB (Access on September 2019))
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (EPA Pesticide (2002)、EFSA (2015)、HSDB (Access on September 2019))
(2) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (EPA Pesticide (2002))
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (粉じん、4時間) : > 5.63 mg/L (EPA Pesticide (2002)、EFSA (2015)、HSDB (Access on September 2019))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
【分類根拠】
(1) より、区分2とした。新しいデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) ウサギ (3例) を用いた皮膚刺激性試験において1/24/48/72hの刺激性スコアは全て1~2であり、7日後にも反応は残った。なお、1/3例には21日後にも軽度の紅斑が認められた (EPA Pesticide (2002))。

【参考データ等】
(2) 本物質は非刺激性である (EFSA (2015))。

3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質は非刺激性である (EFSA (2015))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質は非刺激性であり、感作性も有しない (EFSA (2015))。
(2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において陰性と判定された (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996))。
(3) モルモットを用いた皮膚感作性試験 において陰性と判定された (EPA Pesticide (2002))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、in vivo、in vitro試験を含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であったことから、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスを用いた小核試験で陰性の報告 (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996)、農薬工業会「食品衛生研究」vol.49 No.7 (1999)、HSDB (Access on September 2019))、げっ歯類の細胞を用いた染色体異常試験で陰性の報告 (EFSA (2015))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性の報告 (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996)、農薬工業会「食品衛生研究」vol.49 No.7 (1999)、HSDB (Access on September 2019)、(EFSA (2015))及び遺伝子突然変異試験で陰性の報告がある (HSDB (Access on September 2019))。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) の既存分類結果から、ガイダンスの区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでNL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Annual Cancer Report (2018):2007年分類) に分類されている。

【参考データ等】
(2) マウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した反復投与/発がん性併合試験では、発がん性は認められなかった (農薬工業会「食品衛生研究」vol.49 No.7 (1999))。
(3) ラットに本物質を24ヵ月間混餌投与した反復投与/発がん性併合試験では、発がん性は認められなかった (農薬工業会「食品衛生研究」vol.49 No.7 (1999))。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、親動物に肝臓、腎臓への影響 (雌雄で肝臓重量増加、肝細胞肥大、雄で腎臓重量増加、尿細管上皮腫大) がみられる用量で、児動物及び生殖能への影響は認められなかった (EFSA (2015)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996))。
(2) ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量低下) がみられる用量で、胎児に影響はみられていない (EFSA (2015)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996))。
(3) ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (例数記載なし)、血様尿、腎の混濁) がみられる用量で胎児に骨格変異 (腰肋骨) の増加がみられたが、背景データの範囲内であった (EFSA (2015)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肝臓、胆嚢、腎臓)


警告
H373 P260
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(4) より、実験動物において区分2の範囲で肝臓、胆嚢、腎臓への影響がみられていることから、区分2 (肝臓、胆嚢、腎臓) とした。新たな情報源を用いて検討を行い、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) マウスを用いた混餌投与による3ヵ月間反復投与試験において、30 ppm (ガイダンス値換算: 4.5 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上の雄で尿pH減少、ケトン減少、肝臓重量増加、雌で腎臓重量増加、100 ppm (ガイダンス値換算: 15 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌雄で肝腫大・暗調化、肝細胞腫大、雌で肝臓重量増加、腎近位尿細管腫大、300 ppm (ガイダンス値換算: 45 mg/kg/day、区分2の範囲) の雄で肝細胞壊死等がみられている (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996))。
(2) ラットを用いた混餌投与による3ヵ月間反復投与試験において、300 ppm (ガイダンス値換算: 15 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雄で肝細胞腫大、1,000 ppm (ガイダンス値換算: 50 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌雄で肝腫大、肝暗調化、腎暗調化、雌で肝細胞腫大、3,000 ppm (ガイダンス値換算: 150 mg/kg/day、区分2超) の雌雄で腎尿細管上皮褐色色素沈着及び上皮内好酸性小体減少等がみられている (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996))。
(3) イヌを用いた混餌投与による3ヵ月間反復投与試験において500 ppm (ガイダンス値換算: 12.5 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雌で胆嚢の膨満、2500 ppm (ガイダンス値換算: 62.5 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で総ビリルビン増加、肝細胞細胞質好酸性化、腎尿細管上皮の硝子滴変性、雄で肝臓相対重量増加、胆嚢の膨満、雌で胸腺絶対・相対重量減少等がみられている (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996))。
(4) イヌを用いた混餌投与による12ヵ月間反復投与試験において、1,800 ppm (ガイダンス値換算: 45 mg/kg/day、区分2の範囲) の雌雄で肝細胞の細胞質好酸性化、粘液分泌を伴った胆嚢上皮過形成、雌で甲状腺ろ胞上皮肥大等がみられている (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」22号 (1996))。

10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(ブルーギル)96時間LC50 = 0.93 mg/L(U.S.EPA: OPP Pesticide Ecotoxicity Database, 2020)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分1であることから、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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