政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 129558-76-5
名称 4-クロロ-3-エチル-1-メチル-N-[4-(p-トリルオキシ)ベンジル]ピラゾール-5-カルボキサミド (別名:トルフェンピラド)
物質ID R01-B-082
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団 (隣接する窒素) を含んでいるが、データがなく分類できない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団として隣接する窒素原子を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - 熱に対して250℃以下では安定 (農薬抄録 (2011)) というデータより、常温で発火しないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - フッ素を含まず、酸素及び塩素を含む有機化合物であり、この酸素及び塩素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 湿性や希釈等により鈍性化がなされていないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分3とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50 (CMC-Na溶液): 雄: 260~386 mg/kg、雌: 113~150 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))
(2) ラットのLD50 (オリーブ油) : 雄: 86 mg/kg、雌: 75 mg/kg (JMPR (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))
(3) ラットのLD50 (CMC-Na溶液) : >= 113 mg/kg (JMPR (2013))
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雄: > 2,000 mg/kg、雌: > 3,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))
(2) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (JMPR (2013))
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
【分類根拠】
(1) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (粉じん、4時間) : 雄: 2.21 mg/L、雌: 1.50 mg/L (JMPR (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))
2 皮膚腐食性/刺激性
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質は皮膚刺激性を示さない (JMPR (2013))。
(2) ウサギに本物質 (0.5 g) を4時間半閉塞適用した試験で、24/48/72hの紅斑及び浮腫の合計スコアは0.3、0.2、0であった (農薬抄録 (2011))。

【参考データ等】
(3) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で軽度の刺激性が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2Aとした。

【根拠データ】
(1) 本物質は軽度の眼刺激性を有する (JMPR (2013))。
(2) ウサギを用いた眼刺激性試験において一過性の刺激性が認められ、1/24/48/72hの合計スコア (最大110) は、7.5、5.7、3.7、1.7であり、14日までに全ての反応は消失した (農薬抄録 (2011))。

【参考データ等】
(3) ウサギを用いた眼刺激性試験において軽度の刺激性が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質は モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において皮膚反応は認められず、感作性は陰性と判定された (JMPR (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスを用いた小核試験で陰性の報告がある (食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性の報告、染色体異常試験で陽性 (S9-) の報告がある (同上)。

6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) の既存分類結果から、ガイダンスの区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでNL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Annual Cancer Report (2018):2010年分類) に分類されている。

【参考データ等】
(2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、発がん性は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
(3) マウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、発がん性は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、親動物毒性がみられる用量において、明確な生殖発生影響がみられていることから区分2とした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、親動物毒性 (死亡 (難産死2/30例、瀕死殺1/30例)、体重増加抑制等) がみられる用量で、妊娠期間延長、分娩異常、出産率低下、児動物の成長への影響 (体重増加抑制、耳介展開遅延、眼瞼開裂遅延、平面正向反射遅延)、出産生存児数の減少、胸腺重量減少等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
(2) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物で摂餌量減少、早産 (1例) 及び全胚死亡 (1例) がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。

【参考データ等】
(3) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で胎児に低体重、腰肋の発生率上昇がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器)、区分3(麻酔作用)



危険
警告
H370
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
【分類根拠】
本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物では (1) のように、呼吸音異常と嗜眠、昏睡がみられていることから、区分1 (呼吸器)、区分3 (麻酔作用) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、本物質の粉じん0.95~2.07 mg/L (区分1上限付近~区分2相当) のばく露で、雌雄共に呼吸数増加又は減少、努力呼吸、呼吸音異常、運動失調、円背位が認められた。また、昏睡、チアノーゼ、四肢退色、低体温、嗜眠、喘ぎ呼吸、爪先歩行、眼瞼下垂が時折みられたとの記載がある。剖検では死亡例に肺の赤色化、赤色斑、出血及び暗赤色巣が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))。

【参考データ等】
(2) ラットの単回経口投与試験において、雌雄共に腹臥位、横臥位、円背位、自発運動低下、歩行失調、呼吸不整又は呼吸困難が認められた。影響がみられた最小用量の記載はないが、LD50値 (雄: 86 mg/kg、雌: 75 mg/kg) 付近でみられたとすると区分1に相当する (食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、腎臓、造血系)、区分2(生殖器(男性))


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、ラットへの経口投与において区分1の範囲で肝臓、腎臓、造血器系への影響がみられ、(3) より、イヌへの経口投与において区分2の範囲で肝臓、生殖器 (男性) に影響がみられていることから、区分1 (肝臓、腎臓、造血系)、区分2 (生殖器 (男性)) とした。(1) では区分1の範囲でこの他に膵臓、卵巣及び子宮への影響もみられているが、より長期の試験である (2) ではこれらに関連する所見がみられていないことから標的臓器としなかった。新たな情報源の情報を加えてデータを見直した結果、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による90日間反復投与試験において、160 ppm (雄/雌: 9.33/9.32 mg/kg/day、区分1の範囲) までの用量で白血球数及び血小板の減少、MCV、MCH 及び網状赤血球数の増加、ALP、γ-GT、BUNの増加、肝臓・腎臓重量増加、び漫性肝細胞肥大、腎近位尿細管上皮の肥大、腎近位尿細管上皮の硝子滴、膵び漫性腺房細胞肥大、大腿骨及び胸骨骨髄造血細胞減少、卵巣及び子宮の萎縮等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
(2) ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、80 ppm (雄/雌: 3.07/3.79 mg/kg/day、区分1の範囲) までの用量で白血球数の減少、肝臓・腎臓重量増加、腎近位尿細管上皮の肥大、腎近位尿細管上皮の硝子滴、好塩基性肝細胞小増殖巣増加等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
(3) イヌを用いた強制経口投与による90日間反復投与試験において、30 mg/kg/day (区分2の範囲) までの用量でALT、BUNの増加又は増加傾向、精巣重量減少、精細管の萎縮、肝細胞質の好酸性増加、小葉中心性肝細胞空胞化等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.001 mg/L(農薬抄録, 2011)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性に関する十分なデータが得られておらず、急性毒性区分1であることから、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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