項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 21564-17-0 |
名称 | 2-(チオシアナートメチルチオ)-1,3-ベンゾチアゾール |
物質ID | R01-B-092 |
分類実施年度 | 令和元年度(2019年度) |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成20年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
2 | 可燃性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
3 | エアゾール | ※ |
- |
- | - | エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
4 | 酸化性ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
5 | 高圧ガス | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 |
警告 |
H227 |
P370+P378
P210 P280 P403 P501 |
引火点66℃(open cup) (Merck (15th, 2013)) に基づき、区分4とした。 |
7 | 可燃性固体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
8 | 自己反応性化学品 | ※ |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
9 | 自然発火性液体 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
10 | 自然発火性固体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | ※ |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | ※ |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
13 | 酸化性液体 | ※ |
- |
- | - | 酸素、塩素及びフッ素を含まない有機化合物であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
14 | 酸化性固体 | ※ |
- |
- | - | GHSの定義における液体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
15 | 有機過酸化物 | ※ |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
16 | 金属腐食性化学品 | ※ |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
17 | 鈍性化爆発物 | ※ |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1)~(5) より、区分4とした。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 750 mg/kg (EPA Pesticide (2006)) (2) ラットのLD50: 750~2,665 mg/kg (NITE有害性評価書 (2008)) (3) ラットのLD50: 1,590 mg/kg (HSDB (Access on September 2019)) (4) ラットのLD50: 2,000 mg/kg (環境省リスク評価第17巻 (2019)) (5) ラットのLD50: 雄: 2,000 mg/kg、2,132 mg/kg、雌: 2,200 mg/kg、2,030 mg/kg (農薬工業会「日本農薬学会誌」第12巻 第2号 (1987)) |
1 | 急性毒性(経皮) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(4) より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (EPA Pesticide (2006)、NITE有害性評価書 (2008)) (2) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (環境省リスク評価第17巻 (2019)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第12巻 第2号 (1987)) (3) ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg (NITE有害性評価書 (2008)) (4) ラットのLD50: 10,000 mg/kg (環境省リスク評価第17巻 (2019)、HSDB (Access on September 2019)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第12巻 第2号 (1987)) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 |
危険 |
H330 |
P304+P340
P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (0.0002 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 0.07 mg/L (EPA Pesticide (2006)、食品安全委員会 農薬評価書 (2010)) (2) ラットのLC50 (4時間): 約0.1 mg/L (NITE有害性評価書 (2008)) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分2とした。 【根拠データ】 (1) EPA OPPTS 870.2500に準拠し、本物質 (有効成分: 80%) をウサギに適用した皮膚刺激性試験で一次刺激性スコア (PIS) は7.42であり、72時間後には重度の紅斑と浮腫がみられた (EPA Pesticide (2006)、食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。 (2) ウサギの皮膚刺激性試験で、強度の皮膚刺激性が認められた (NITE有害性評価書 (2008))。 【参考データ等】 (3) EU-CLP分類でSkin Irrit. 2 (H315) に分類されている (EU CLP分類 (Access on September 2019))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
【分類根拠】 (1) より、区分1とした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。 【根拠データ】 (1) EPA OPPTS 870.2400に準拠し、本物質 (有効成分: 60%) をウサギに適用した眼刺激性試験で一次刺激性スコア (PIS) は34 (最大 110) であり、7日後までに回復しなかった (EPA Pesticide (2006))。 【参考データ等】 (2) EU-CLP分類でEye Irrit. 2 (H319) に分類されている (EU CLP分類 (Access on September 2019))。 |
4 | 呼吸器感作性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1とした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。 【根拠データ】 (1) EPA OPPTS 870.2600に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験で陽性と判定されている (EPA Pesticide (2006))。 (2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において強度の感作性と判定されている (NITE有害性評価書 (2008))。 【参考データ等】 (3) EU-CLP分類でSkin Sens. 1B (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on September 2019))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)、(2) より、in vivo、in vitro試験を含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であったことから、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1) in vivoでは、マウス小核試験及び染色体異常試験で陰性の報告がある (NITE有害性評価書 (2008)、環境省リスク評価第17巻 (2019))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の小核試験、遺伝子突然変異試験、姉妹染色分体交換試験及び不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (同上)。 |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) の既存分類結果からガイダンスに従い区分2とした。既存分類結果に従い分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでC (Possible Human Carcinogen) (EPA Pesticide (2006)) に分類されている。 【参考データ等】 (2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、雄で精巣間細胞腺腫の有意な増加、雌で甲状腺C細胞腺腫の有意な増加が認められた (環境省リスク評価第17巻 (2019)、食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。 (3) マウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、投与に関連した腫瘍性病変は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1) より、母動物毒性発現量で胎児に骨格異常が認められたことから、区分2とした。 【根拠データ】 (1) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (被毛粗剛、呼吸困難又は喘鳴、下痢又は無糞、立毛及び円背歩行等) がみられる用量で胎児に癒合又は波状肋骨、痕跡状肋骨(頚肋、肋骨及び腰肋)、胸骨分節及び下肢帯の異常の増加がみられている (食品安全委員会 農薬評価書 (2010)、NITE有害性評価書 (2008))。 【参考データ等】 (2) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、生殖影響はみられていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。 (3) 雌ウサギの妊娠6~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (1/20例)、体重増加抑制) がみられる用量において、胎児に影響はみられていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。ヒトでは (1)、実験動物では (2) の情報があるが、区分の判定には不十分であるため、分類できないとした。 【参考データ等】 (1) ブリティッシュコロンビアで木材変色防止用の抗菌剤をペンタクロロフェノール (PCP) から本物質に変更した製材所2ヵ所の調査では、本物質のばく露による眼の周りの皮膚の乾燥、血の混じった鼻汁、鼻血、皮膚剥離、皮膚の灼熱感又は痒み、皮膚の発赤又は紅疹の訴えが多かった。一方、PCP からオキシン銅に変更した3ヵ所の製材所の調査では、訴えの増加はみられなかった (環境省リスク評価第17巻 (2019)、HSDB (Access on September 2019))。 (2) ラットにおける本物質の経口投与でみられた主な症状は動作緩慢、不規則歩行であり、生存例では投与後3~7日後に回復した。死亡は投与後2時間から5日間にみられ、雌の死亡例の剖検で肺や肝臓の斑点が認められた (NITE有害性評価書 (2008))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 (1)~(4) の情報があるが、これらの情報から明らかな標的臓器を特定できない。従って、分類できないとした。なお、旧分類の分類根拠とされた胃への影響は、本物質の刺激影響によるものと考えられることから標的臓器として採用しないこととし、旧分類から分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1) イヌに本物質 (純度: 81.6%) 100~1,000 ppmを1年間混餌投与した結果、100 ppm (雄/雌: 3.8/4.0 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上でALT減少、白血球数及び単球の減少が、 1,000 ppm (雄/雌: 38/40 mg/kg/day、区分2の範囲) で脾臓及び胸腺重量の減少等がみられた。用量に伴う胸腺退縮の程度の拡大傾向が認められた (EPA Pesticide (2006)、食品安全委員会 農薬評価書 (2010)、環境省リスク評価第17巻 (2019))。 (2) ラットに本物質 (純度: 82.3%) 25~250 mg/kg/dayを21日間経皮適用した結果、皮膚刺激性、潰瘍がみられ、250 mg/kg/day (90日換算: 58 mg/kg/day、(本物質換算: 48 mg/kg/day、区分2の範囲)) の雌雄でヘモグロビン、ヘマトクリット値の減少等、雌でASTの増加がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。 (3) ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、本物質 (純度: 81.6%) 2~20 mg/kg/dayを混餌投与した結果、2 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雌で血小板の減少が認められたが、他の血液学的指標に変化はなく、毒性学的に意義のある変動とは認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2010)、環境省リスク評価第17巻 (2019))。 (4) ラットに本物質 (純度: 81.56%) 10~100 mg/kg/dayを90日間混餌投与した試験及びラットに本物質 (純度: 80%) 333~750 ppmを13週間混餌投与した試験の結果、区分2の範囲で胃への影響 (胃粘膜の炎症性変化、扁平上皮過形成、壊死及び潰瘍等) が報告されている (食品安全委員会 農薬評価書 (2010)、環境省リスク評価第17巻 (2019))。これらは本物質の刺激影響による変化と考えられる。 |
10 | 誤えん有害性 | ※ |
- |
- | - |
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
魚類(ブルーギル)の96時間LC50 = 0.0087 mg/L(有害性評価書, 2008)から区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1990))、魚類(ニジマス)の初期生活段階試験NOEC(期間不明) = 0.00034 mg/L(有害性評価書, 2008)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1990))、甲殻類(ニセネコゼミジンコ)の48時間LC50 = 0.0153 mg/L(有害性評価書, 2008)であることから、区分1となる。 以上の結果より、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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