政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 101-90-6
名称 1,3-ビス[(2,3-エポキシプロピル)オキシ]ベンゼン
物質ID R01-B-097
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。なお、本物質は融点が32~33℃ (HSDB (Access on October 2019)) である。引火点は113℃ (closed cup) (ICSC (2005)) という情報から、温度の高い状態で液体となった場合でも、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - 可燃性 (GESTIS (Access on Sep. 2019)) との情報があるが、データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 分子内に自己反応性に関連する原子団 (エポキシド類) を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - 塩素及びフッ素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 融点が55℃以下の固体ではあるが、データがなく分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 2,570 mg/kg (環境省リスク評価書第9巻 (2011)、DFGOT vol.7 (1996))、2.57 g/kg (2,570 mg/kg) (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on October 2019))
(2) ラットのLD50: 2,200~3,000 mg/kg (NTP TR257 (1986))
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
(1) はばく露時間が不明であり、純度が低いため (純度60%)、参考データとした。

【参考データ等】
(1) ウサギのLD50: 0.64 mL/kg (774.4 mg/kg) (PATTY (6th, 2012))
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
【分類根拠】
(1)~(5) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (ドレイズ法) において刺激性スコア5 (最大8) を示し、中等度の刺激性を示した (PATTY (6th, 2012))。
(2) 本物質は皮膚、粘膜に対し、刺激性を有する (DFGOT vol.7 (1996))。
(3) ヒトにおいて本物質への接触は重度の皮膚刺激性を示す (DFGOT vol.7 (1996))。
(4) 本物質は中等度から強度の皮膚刺激性を有する (HSDB (Access on October 2019))。
(5) 本物質は皮膚と粘膜に対し強度の刺激性を有する (GESTIS(Access on October 2019))。

【参考データ等】
(6) EU-CLP分類でSkin Irrit. 2 (H315) に分類されている (EU CLP分類 (Access on October 2019))。

3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) 本物質は皮膚、粘膜に対し、刺激性を有する (DFGOT vol.7 (1996))。
(2) ウサギを用いた眼刺激性試験 (ドレイズ法) において刺激性スコア45 (最大110) を示し、重度の刺激性を示した (PATTY (6th, 2012)、REACH登録情報 (Access on November 2019))。

【参考データ等】
(3) EU-CLP分類でEye Irrit. 2 (H319) に分類されている (EU CLP分類 (Access on October 2019))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1A


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1Aとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) において、陽性と判定され、EC3の値は2%未満と推定された (REACH登録情報 (Access on November 2019))。
(2) ヒトにおいて本物質への接触は重度の皮膚刺激を示し、感作性を示す可能性がある (DFGOT vol.7 (1996))。
(3) 本物質は皮膚感作性を有する (GESTIS (Access on October 2019))。

【参考データ等】
(4) EU-CLP分類でSkin Sens. 1B (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on October 2019))。
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より証拠の重み付けに従い、区分2とした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウス小核試験で陰性と陽性の報告があるが、証拠の重み付けにより、総合的に陽性と評価される (DFGOT vol.7 (1996)、IARC 71 (1999)、PATTY (6th, 2012)、NTP DB (Access on October 2019))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞の染色体異常試験、及びマウスリンフォーマ試験で陽性、哺乳類培養細胞の不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (同上)。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) の既存分類結果からガイダンスに従い区分2とした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCで2B (IARC 71 (1999))、日本産業衛生学会で2B (産衛学会許容濃度等の勧告 (1991年提案))、NTPでR (NTP RoC (14th, 2016)) に、EU CLPでCarc.2 (EU CLP分類 (Access on October 2019)) に分類されている。

7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。(1)、(2) より、吸入ばく露の場合には気道刺激性を示すと考えられることから、区分3 (気道刺激性) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質のミストは眼と気道を刺激する可能性があるとの記載がある (HSDB (Access on October 2019))。
(2) 本物質はウサギの皮膚及び眼に強い刺激性を示したとの記載がある (DFGOT vol.7 (1996))。

【参考データ等】
(3) ラットの単回経口投与試験において、呼吸困難と中枢神経系抑制がみられた。影響がみられた最小用量の記載はないが、LD50値である2,570 mg/kg付近でみられたとすると区分2超に相当する (DFGOT vol.7 (1996))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露)
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、実験動物への経口経路の結果、区分1及び区分2の範囲では刺激性によると考えられる前胃の病変がみられたのみであることから、区分に該当しないと判断した。他の経路についてはデータがないことから分類できない。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた強制経口投与による13週間反復投与毒性試験において、前胃の病変がみられ、100 mg/kg/day (90日換算: 72 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上の雄で体重増加抑制、200 mg/kg/day (90日換算: 144 mg/kg/day、区分2超) の雄で死亡 (1/10例)、肝臓の軽微~軽度の小葉中心性脂肪変性 (対照群と高用量群のみ検査)、雌で体重増加抑制がみられた (NTP TR257 (1986)、DFGOT vol.7 (1996))。
(2) マウスを用いた強制経口投与による13週間反復投与毒性試験において、前胃の病変がみられ、400 mg/kg/day (90日換算: 289 mg/kg/day、区分2超) の雌雄で死亡 (雄: 9/10、雌: 7/10)、肝臓の限局性壊死、脂肪変性 (対照群と高用量群のみ検査) がみられた (同上)。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
-
-
- - データなし
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
-
- - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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