政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 1305-99-3
名称 りん化石灰
物質ID R01-B-109
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2002)) との情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。ただし、水または湿った空気に触れると自然発火性と毒性を有するガス (ホスフィン) を生じるという情報 (ホンメル (1991)、ICSC (2002)) がある。
8 自己反応性化学品
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - UNRTDGにおいてUN 1360、クラス4、副次6.1、PGⅠに分類されており、優先評価項目である自然発火性物質には該当しないため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。ただし、水または湿った空気に触れると自然発火性と毒性を有するガス (ホスフィン) を生じるという情報 (ホンメル (1991)、ICSC (2002)) があり、自然発火性物質に準ずる取扱が必要である。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2002)) との情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品 区分1


危険
H260 P302+P335+P334
P231+P232
P370+P378
P402+P404
P223
P280
P501
UNRTDGにおいてUN 1360、クラス4.3、副次6.1、PGⅠに分類されていることから、区分1とした。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - 酸素及びハロゲン元素を含まない無機化合物であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - 無機化合物であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 本物質は水と接触すると非常に急速に分解して水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) とホスフィン (別名: りん化水素、CAS番号 7803-51-2) を生成する (CLH Report (2012))。
(2) ラットのLC50 (6時間) (りん化水素) : > 11 ppm (> 0.015 mg/L) (CLH Report (2012))
(3) ラットのLC50 (1時間) (りん化水素) : 204 ppm (0.29 mg/L)、179 ppm (0.25 mg/L) (CLH Report (2012))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質に対する刺激性試験の報告はないが、本物質の加水分解物が水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) であり、水酸化カルシウムのpHは12~13であることから、腐食性物質と判断すべきである (ECHA RAC Background document (2013)、CLH Report (2012))。
(2) 本物質は皮膚、眼、呼吸器に刺激性を示す (HSDB (Access on October 2019))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質に対する刺激性試験の報告はないが、本物質の加水分解物が水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) であり、水酸化カルシウムのpHは12~13であることから、腐食性物質と判断すべきである (ECHA RAC Background document (2013)、CLH Report (2012))。
(2) 本物質は皮膚、眼、呼吸器に刺激性を示す (HSDB (Access on October 2019))。
(3) 本物質は皮膚腐食性 (区分1)に区分されている。

【参考データ等】
(4) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on October 2019))。
4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
(1)の記載はあるが、データ不足のため分類できないとした。

【参考データ等】
(1) 本物質に対する感作試験の報告はないが、類似物質であるリン化亜鉛 (CAS番号 1314-84-7) は、OECD TG 406に準拠した皮膚感作性試験で陰性であったことから、本物質も感作性は陰性と考えられる (ECHA RAC Background document (2013)、CLH Report (2012))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 本物質は水と接触すると非常に急速に分解して水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) とホスフィン (別名:りん化水素、CAS番号 7803-51-2) を生成する (CLH Report (2012))。
(2) ホスフィンの生殖細胞変異原性のGHS分類は、「区分に該当しない」とされている (2019年度GHS分類事業)。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系、呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
本物質自体のデータはないが、(1)~(3) より、区分1 (中枢神経系、呼吸器) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 本物質は水との接触により、又は消化管内で加水分解されて水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) 及びホスフィン (別名:りん化水素、CAS番号 7803-51-2) を生じる (CLH Report (2012)、ECHA RAC Background document (2013))。
(2) 水酸化カルシウムは強塩基性であり、ヒトでは眼と気道を含む身体の全ての表面への接触で腐食性と刺激性を示すとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。
(3) ホスフィンの主要な標的臓器として、呼吸器系 (咳、喉の痛み、呼吸困難、肺水腫等) と中枢神経系 (頭痛、めまい、振戦、歩行異常、痙攣、昏睡等) との記載がある (IPCS, PIM 865 (1997))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露)
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

【参考データ等】
(1) 本物質は水と接触すると非常に急速に分解して水酸化カルシウム (CAS番号 1305-62-0) とホスフィン (別名:りん化水素、CAS番号 7803-51-2) を生成する (CLH Report (2012))。
(2) 水酸化カルシウムは、2014年度GHS分類事業において、慢性的な経口摂取により、口腔内及び消化管への刺激による炎症性、又は潰瘍性変化を生じることがある (HSDB (Access on September 2014)) との記述、並びにラットに3ヵ月間飲水投与した試験において、肝臓、腎臓、胃に萎縮性変化、小腸に炎症がみられた (IUCLID (2000)) との記述があるが、投与量を含め詳細が不明のため分類できないとされている。
(3) ホスフィンは、2019年度GHS分類事業において、ヒトでの反復ばく露による症例等の報告はなく、実験動物において反復投与が可能な濃度での吸入ばく露試験では明らかな影響がみられていないことから、分類できないとされている。
10 誤えん有害性
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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