GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 127-51-5
名称 α-イソメチルヨノン
物質ID R02-A-005-METI, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 経済産業省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 引火点が110.3℃( 968.5 hPa、密閉式)(ECHA(Accessed June 2020))である。
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 自己反応性に関連する原子団 (エチレン基) を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点は254℃ (ECHA (Accessed June 2020))であり常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(REACH登録情報 (Accessed May 2020))
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギのLD50:> 5,000 mg/kg(REACH登録情報 (Accessed May 2020))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(5)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)28名(予備試験群5名、継続試験群23名)に対するパッチテストにおいて、本物質10%溶液(アルコール、w/v)0.5mLを24時間閉塞適用したところ、24時間後まで刺激反応はみられなかったとの報告がある(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(2)37名に対するパッチテストにおいて、本物質12.5%溶液0.5mLを上腕に24時間閉塞適用したところ、刺激反応はみられなかったとの報告がある(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(3)12名に対するパッチテストにおいて、本物質60%溶液(フタル酸ジエチル:エタノール(3:1))0.3mLを背中に24時間閉塞適用したところ、皮膚刺激はみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(4)106名に対するパッチテストにおいて、本物質60%溶液(フタル酸ジエチル:エタノール(3:1))0.3mLを背中に24時間閉塞適用を3週間にわたり計9回行ったところ、1名で刺激反応がみられたとの報告がある(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(5)ウサギ(n=4)を用いた皮膚刺激性試験(半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、皮膚刺激性はみられないと考えられた(紅斑・痂皮スコアの平均:1.4、浮腫スコアの平均:1.5)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2Bとした。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験において、適用24、48、72時間後に角膜混濁、虹彩炎はみられなかったが、浮腫と分泌物を含む結膜刺激がみられた。7日後には本物質を適用した眼は正常に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:2.3/2.3/2.3、結膜浮腫スコア:1.7/1.7/1.7)との報告がある(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(2)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験において全例で角膜混濁及び虹彩炎はみられなかったが、適用後1~4日後に浮腫と分泌物を伴う結膜刺激がみられた。7日後には本物質を適用した眼は正常に回復したとの報告がある(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1B


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)~(5)より、区分1Bとした。

【根拠データ】
(1)化粧品アレルギーの疑いのある男女179名に対するパッチテストにおいて、本物質10%溶液(ワセリン)を72時間適用したところ、2名で陽性反応がみられ、皮膚感作性がみられたとの報告がある(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(2)100名に対するパッチテストにおいて、本物質0.3mLを背中左側に3週間で計9回24時間閉塞適用して誘導させ、約2週間後に本物質0.3mLを背中右側に24時間適用して惹起させたところ、NOEL=70,866 μg/cm2が得られ、皮膚感作性がみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(3)接触アレルギーの疑いのある422名に対するパッチテストにおいて、本物質5%溶液(ワセリン)を主に顔に1回閉塞適用して誘導させ、惹起させたところ、9名で陽性反応がみられ、皮膚感作性を示す所見が得られたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(4)本物質はヒトでの皮膚感作性の報告頻度が少なく、消費者アレルゲンとしての記載が少ない香料化学物質のリストB(14物質)のうちの1つに挙げられているが、10~100件のヒトでの陽性症例報告がなされているとの報告がある(SCCS (2012))。
(5)マウスを用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429)において、刺激指数(SI)は0.6(2.5%)、0.6(5.0%)、1.5(10.0%)、3.4(25.0%)、4.6(50.0%)、EC3値は21.8%と算出され、軽度の感作性がみられたとの報告がある(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)のデータから、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)マウス骨髄小核試験(腹腔内投与)において陰性の報告がある(EFSA(2015))。
(2)細菌を用いた復帰突然変異試験において陰性の報告がある(EFSA(2015))。
(3)EFSAパネルは香料のグループ評価により、本物質に遺伝毒性の懸念はないとしている(EFSA(2015))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、(1)では生殖毒性はみられず、(2)では発生毒性はみられなかった。しかし、(2)は母動物毒性が生じる用量まで投与されておらず、発生毒性を評価するために十分な試験条件とは言えない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による生殖/発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421、GLP、交配2週間前から最長42日間(雄)、交配2週間前から哺育13日まで(雌))において、500 mg/kg/dayで生殖毒性がみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2020))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠7~17日)において、30 mg/kg/dayで発生毒性がみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed May 2020)、NICNAS IMAP (2018))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、(1)、(2)の経口経路の試験は、認められた影響の区分2の上限付近の用量における発現性が不明である。(3)の経皮適用試験における影響は、皮膚刺激性による局所影響である。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与毒性試験において、3.55 mg/kg/day(雄、区分1の範囲)及び4.01 mg/kg/day(雌、区分1の範囲)(ヒトの食事を介した推定摂取量の約100倍量)で投与に関連した肉眼的病理学的所見は認められなかったがみられたとの報告がある(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessd May 2020))。
(2)ラットを用いた90日間反復経口投与毒性試験(OECD TG408, GLP)において、500 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)で小葉中心性肝細胞肥大(雌雄)、腎尿細管上皮の球状好酸性物質の蓄積(雄)、甲状腺濾胞上皮細胞肥大(雄)、骨髄の脂肪浸潤(雄)がみられ、NOAELが30 mg/kg/dayとされたとの報告がある。このうち、腎臓影響は近位尿細管上皮細胞のα2-ミクログロブリン蓄積によるもので、雄ラット特異的な所見と考えられた(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessd May 2020))。
(3)ラットを用いた90日間経皮投与試験(非閉塞適用)において、50 mg/kg/day以上(区分2の範囲)で用量依存的な痂皮形成を伴う紅斑及び浮腫が全投与群に認められ、本物質は反復経皮ばく露では重度の刺激性を有することが示された。また580 mg/kg/day以上(区分に該当しない範囲)で体重増加抑制、摂餌量減少など全身影響がみられたとの報告がある(NICNAS IMAP (2018)、REACH登録情報 (Accessd May 2020))。
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 9 mg/L(REACH登録情報, 2021)であることから、区分2とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性は区分2であることから、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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