GHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 1071-93-8
名称 アジピン酸ジヒドラジド
物質ID R02-A-019-METI, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 経済産業省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない
-
-
- - 爆発性に関する原子団(ヒドラジン類)を含むが、データがなく、分類できない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、可燃性との情報(GESTIS(accessed 2020))がある。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 爆発性に関する原子団(ヒドラジン類)を含むが、データがなく、分類できない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 分類できない
-
-
- - 爆発性に関する原子団(ヒドラジン類)を含むが、データがなく、分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラット(雌)のLD50:> 2,000 mg/kg (OECD TG 423) (REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):> 5.3 mg/L (REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、皮膚刺激性はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0、浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、GLP、72時間観察)において、眼刺激性はみられなかった(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:0/0/0、結膜浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1B


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分1Bとした。(1)のマウス試験は相反知見(3)、(4)も認められたが、(2)のモルモット試験をふまえ、区分1Bとした。

【根拠データ】
(1)マウス(n=4/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は4.2(5%)、9.1(10%)、9.9(25%)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。
(2)モルモット(n=10/群)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、皮内投与:25%又は50%溶液)において、25%溶液投与群及び50%溶液投与群の陽性率は、24、48、72時間後すべてで100%(10/10例)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。

【参考データ等】
(3)マウス(n=5/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は0.9(0.25%)、1.0(0.5%)、1.6(1.6%)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。
(4)マウス(n=5/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は1.24(2.5%)、1.48(5%)、1.20(10%)であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(6)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)マウスを用いた小核試験(OECD TG474)で陰性(経口及び腹腔内投与)の報告がある(EFSA (2015))。
(2)細菌復帰突然変異試験(OECD TG471)で陰性の報告がある(厚労省既存化学物質毒性データベース (Accessed on May 2020)、EFSA (2015)、REACH登録情報 (Accessed on May 2020))。
(3)ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(OECD TG473)で陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed on May 2020))。
(4)ほ乳類のin vitro染色体異常試験(OECD TG473)で陰性の報告がある(厚労省既存化学物質毒性データベース (Accessed on May 2020))。
(5)ほ乳類のin vitro遺伝子突然変異試験(OECD TG476)で陰性の報告がある(REACH登録情報 (Accessed on May 2020))。
(6)マウスリンフォーマ試験で陰性の報告がある(EFSA (2015))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性試験と生殖発生毒性スクリーニング試験の併合試験(OECD TG422、交配2週間前から42日間(雄)、交配2週間前から哺育4日までの42~58日間(雌))において、300 mg/kg/dayで親動物に削痩・尿失禁・下痢(不妊の1例)、ヘモグロビン・MCHCの低値、哺育期間中に哺育児を1匹以上死亡させた母動物数の増加傾向がみられたが、生後4日生存児数及び児動物の4日生存率に有意な変化はみられなかったとの報告がある(経産省安全性試験報告 (2011))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、妊娠6~20日)において、300 mg/kg/dayで親動物に死亡1/22例、体重増加抑制、摂餌量減少がみられたが、児動物には低体重のみがみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、経口経路、吸入経路では区分に該当しない。ただし経皮経路での分類に十分な情報がなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による単回投与試験(OECD TG423、GLP)において、2,000 mg/kg(区分2の上限)で影響がみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。
(2)ラットを用いた吸入(粉塵)ばく露試験(4時間)において、5.3 mg/L(区分に該当しない範囲)で影響がみられなかったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、経口経路では区分に該当しない。ただし他経路での分類に十分な情報がなく、データ不足のため分類できない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた強制経口投与による90日間経口投与試験(OECD TG408、GLP)において、100 mg/kg/day(区分2の上限)で影響がみられなかったが、300 mg/kg/day以上(区分に該当しない範囲)で肝臓影響(重量増加、単細胞壊死、ALT・AST・ALPの増加)が、1,000 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で血液影響(ヘモグロビン・ヘマトクリット値の低下、RDWの割合増加、MCV・MCHの低下(雌)、赤血球数の低下(雄))、肝臓影響(総ビリルビンの高値)・脳・坐骨神経への影響、体重減少、摂食量のわずかな減少(雄)がみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性試験と生殖発生毒性スクリーニング試験の併合試験(OECD TG422、GLP)において、300 mg/kg/day(90日換算:140 mg/kg/day、区分に該当しない範囲)で削痩、尿失禁、下痢/軟便(雄の回復試験群及び雌の投与群で各1例)、ヘモグロビン及びMCHCの低値(雌)がみられたとの報告がある(経産省安全性試験結果 (2011))。
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
藻類(ムレミカヅキモ)72時間EC50 = 8.7 mg/L(REACH登録情報, 2021)であることから、区分2とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、28日間のBODによる分解度:1%(METI既存点検結果, 2001))、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 0.22 mg/L(REACH登録情報, 2021)から、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:1%(METI既存点検結果, 2001))、魚類(コイ)の96時間LC50 >100 mg/L(REACH登録情報, 2021)から、区分に該当しないとなる。
以上の結果を比較し、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る