GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 84496-56-0
名称 2-(2,4-ジクロロ-3-メチルフェノキシ)-N-フェニルプロパンアミド(別名:クロメプロップ)
物質ID R02-A-045-METI
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 経済産業省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、この塩素、酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2009))

1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2009))

1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分4の上限付近の用量における影響が不明であるため、分類できない。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):> 1.5 mg/L(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(24時間適用、14日観察)において、正常皮膚区及び角質層剥離皮膚区に塗布したところ、皮膚の刺激性変化はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0/0/0/0、浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=9)を用いた眼刺激性試験において、非洗眼群6例中5例で軽度の結膜発赤がみられたが、72時間以内に影響は全例で消失したとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(GLP、皮内投与:1.0%懸濁液)において、惹起24、48時間後の陽性率はともに0%(0/20例)であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(GLP、経口投与)で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009)、農薬工業会:「日本農薬学会」第16巻第1号 (1991))。
(2)細菌復帰突然変異試験(GLP)で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009)、農薬工業会:「日本農薬学会」第16巻第1号 (1991))。
(3)ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験(GLP)で、S9(-)系で疑陽性(構造異常陰性、倍数性細胞増加)、S9(+)系で陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009)、農薬工業会 (1991))。
(4)In vitroの染色体異常試験では、S9(-)系の高濃度処理で数的異常がわずかに増加し疑陽性であった。しかし、S9(+)系で陰性であること、限界用量を超える用量まで試験されたマウスを用いた小核試験で陰性であることを総合的に評価すると、生体にとって問題となるような遺伝毒性はないものと考えられた(食安委 農薬評価書 (2009))。
6 発がん性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。なお、(2)では雄マウスの悪性腫瘍の増加は見られず、投与による影響の可能性が低い。雌雄ラット及び雌マウスには発がん性の証拠が認められなかった。


【根拠データ】
(1)ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、検体投与に関連して発生頻度が増加した腫瘍性病変はなく、発がん性は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2009) 、農薬抄録 (2009)、農薬工業会 (1991))。
(2)マウスの2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、最高投与群の雄で肝臓の血管内皮腫の発生頻度の有意な増加が認められたが、悪性腫瘍である血管肉腫の増加は認められないことから、本物質投与による影響の可能性は低いと考えられた(食安委 農薬評価書 (2009) 、農薬抄録 (2009)、農薬工業会 (1991))。
7 生殖毒性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による三世代生殖毒性試験(GLP)において、750 ppmで親動物に一般毒性影響(飲水量増加、腎臓・脾臓の重量及び組織変化、体重増加抑制など)、妊娠期間延長(P及びF1雌)、F1児動物に新生児数減少がみられた。なお、F2児動物にはF1児動物にみられた新生児数減少は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009)、農薬工業会 (1991))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠6~15日)において、64 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、摂餌量減少、飲水量増加、子宮内出血、胎児に低体重がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009)、農薬工業会 (1991))。
(3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠6~19日)において、300 mg/kg/dayで児動物に胎児体重の低値がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009)、農薬工業会 (1991))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1)からは消化管が標的と考えられるが、粘膜刺激性によるものと考え、標的臓器としない。(2)より、浅呼吸や分泌反応の増加は気道刺激による影響と考え、区分3(気道刺激性)とした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた単回経口投与試験において、症状として雌雄ともに立毛、下痢、軟便などがみられ、雌では貧血がみられて死亡例が発生し、剖検により腸肝内出血が認められた。雌の死亡例がみられる用量が1,751 mg/kg以上であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
(2)ラットを用いた単回吸入(粉塵)ばく露試験(4時間 )において、1.5 mg/L(区分2の範囲)で死亡例はみられず、浅呼吸、行動抑制、分泌反応の増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。

【参考データ等】
(3)マウスを用いた単回経口投与試験において、1,000~5,000 mg/kgの用量で、死亡例及び症状がみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
(4)ラット及びマウスを用いた単回経皮投与試験において、1,000~5,000 mg/kgの用量で、死亡例及び症状がみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(血液系、肝臓、腎臓)


警告
H373 P260
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(4)より、標的臓器は血液系(貧血)、肝臓及び腎臓と考えられ、影響は概ね区分2の用量で認められたことから、区分2(血液系、肝臓、腎臓)とした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、250~1250 ppm(17.9~90.7 mg/kg/day(雄)、19.9~99.5 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で血液影響(赤血球数・Hb・Ht・MCHC減少)、肝細胞肥大、尿量増加・尿比重低下、脾臓(絶対・比重量増加、脾洞うっ血)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
(2)マウスを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、500 ppm(84.2 mg/kg/day(雄)、114 mg/kg/day(雌)、区分2~区分に該当しない範囲)で雌にHb及びHt減少がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
(3)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、90 ppm(3.22 mg/kg/day(雄)、4.53 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で、雄に僅かな肝臓影響(小葉中心性肝細胞肥大)、腎臓影響(腎皮質尿細管上皮細胞色素沈着)が、500 ppm(18.3 mg/kg/day(雄)、25.7 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で雌雄に血液(RBC・Hb・Ht(PCV)の減少)、肝機能関連酵素(ALP・AST/ALT増加)、腎臓(尿量減少・尿素増加)への影響がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
(4)マウスを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、非腫瘍性病変として500 ppm(66 mg/kg/day(雄)、101 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で、主に雄に腎臓影響(絶対及び比重量増加・尿細管拡張・石灰沈着)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。

【参考データ等】
(5)イヌを用いた1年間経口投与試験(GLP)において、区分2までの用量範囲で影響はみられず、200 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で主に雌に肝臓影響(肝うっ血、変性、好酸性化、単細胞壊死及び細胞浸潤(1 例)など)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2009))。
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
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11 水生環境有害性 長期(慢性) -
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12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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