GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 736994-63-1
名称 3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-(メチルカルバモイル)フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(別名:シアントラニリプロール)
物質ID R02-A-057-METI
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 経済産業省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、この酸素及び塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラット(雌)のLD50:> 5,000 mg/kg(GLP)(食安委 農薬評価書 (2017))
(2)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(JMPR (2013)、EFSA (2014))
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(GLP)(食安委 農薬評価書 (2017)、EFSA (2014))
(2)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(JMPR (2013))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):> 5.2 mg/Lg(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013)、EFSA (2014)、JMPR (2013))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、全例で皮膚刺激性反応はみられなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0、浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験(GLP、72時間観察)において、1時間後に全例で結膜発赤及び分泌物がみられたが、24時間後には消失した(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:0/0/0、結膜浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(GLP、皮内投与:5%溶液)において、惹起貼付除去24、48時間後の陽性率はともに0%(0/20例)であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(5)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1) In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(GLP)において、陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013))。
(2)細菌復帰突然変異試験において、陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013))。
(3)ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験において、陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013))。
(4)チャイニーズハムスター卵巣由来細胞(CHO)を用いた遺伝子突然変異試験において、陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2017))。
(5) In vivo及びin vitro試験結果より、本物質は遺伝毒性(または変異原性)を有しないと考えられている(JMPR (2013)、EFSA (2014)、Federal Register Vol. 83, No. 219 (2018))。
6 発がん性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(5)より、区分に該当しない。


【根拠データ】
(1)国内外の分類機関による既存分類としては、EPAでNL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) に分類されている(EPA Annual Cancer Report 2018 (Accessed Sep. 2020): 2013年分類)。
(2)ラットを用いた2年間混餌投与による慢性毒性/発がん性併合試験(OECD TG 451、GLP)において、全身影響のみられる最高用量まで発がん性の証拠は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013)、JMPR Report (2013))。
(3)マウスを用いた18ヵ月間混餌投与による発がん性試験(OECD TG 453、GLP)において、全身影響のみられる最高用量まで発がん性の証拠は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013)、JMPR Report (2013))。
(4)ラット及びマウスの発がん性試験で腫瘍発生頻度の増加がみられないこと、及び変異原性の懸念がないことに基づき、本物質は「NL(Not Likely to be Carcinogenic to Humans)」に分類されている(Federal Register Vol. 83, No. 219 (2018))。
(5)ラット及びマウスの試験結果では、腫瘍発生増加の証拠はない(EFSA (2014))。
7 生殖毒性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(GLP)において、親動物に体重増加抑制、胸腺・甲状腺・肝臓等の臓器重量及び/又は組織変化がみられる用量で、児動物にも体重増加抑制、胸腺・脾臓の重量減少等がみられたが、繁殖能に対する影響は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2017)、JMPR (2013))。
(2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠6~20日)において、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2017)、JMPR (2013))。
(3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠7~28日)において、250 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、摂餌量減少、流産、早産、下痢、排便及び糞量減少がみられたが、児動物には低体重のみがみられた。なお、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2017)、JMPR (2013))。

【参考データ等】
(4)本物質はラット、ウサギに発生影響を生じず、ラットの二世代繁殖試験において、本物質は繁殖パラメータへの有害影響を生じないことが示されている(US Federal Register (2018))。
(5)ラットの多世代試験で繁殖能のパラメータへの有害影響はみられず、ラットとウサギを用いた発生毒性試験では催奇形性影響は認められなかった(EFSA (2014))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(5)より、区分に該当しない。

【根拠データ】
(1)ラット(雌)を用いた単回経口投与試験(GLP)において、5,000 mg/kg(区分に該当しない範囲)で死亡例はなく、症状発現はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013))。
(2)マウス(雌)を用いた単回経口投与試験において、5,000 mg/kg(区分に該当しない範囲)で死亡例はなく、症状発現はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017))。
(3)ラットを用いた単回経口投与による急性神経毒性試験(GLP)において、2,000 mg/kg/day(区分2の範囲)で神経毒性はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013)、EFSA (2013))。
(4)ラットを用いた単回経皮投与試験(GLP)において、5,000 mg/kg(区分に該当しない範囲)で死亡例はなく、症状発現はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013))。
(5)ラットを用いた単回吸入(粉塵)ばく露試験(4時間、GLP)において、5.2 mg/L(区分に該当しない範囲)で死亡例はなく、ばく露直後の雄2匹及び雌3匹に部分閉眼(1日後に消失)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(心血管系、肝臓)


警告
H373 P260
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(4)より、標的臓器は動脈、肝臓と考えられ、区分2の用量範囲で影響がみられることから区分2(心血管系、肝臓)とした。なお(1)にみられる甲状腺影響は、肝臓でUDP-GT活性の増加がみられることから、肝における甲状腺ホルモンの異化亢進による二次的影響と考え、標的臓器から除外した。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験(GLP)において、400 ppm以上(22.4 mg/kg/day(雄)、26.6 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で肝臓影響(UDP-GT活性の増加、絶対及び比重量増加・小葉中心性肝細胞肥大(雌))及び甲状腺影響(T3及びT4減少、絶対重量増加・ろ胞細胞肥大(雌))がみられ、3,000 ppm以上(168 mg/kg/day(雄)、202 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で肝臓影響(小葉中心性肝細胞肥大・肝P450増加(雄)、肝対脳重量比増加(雌))がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013)、JMPR (2013))。
(2)イヌを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験(GLP)において、1,000 ppm以上(31.9 mg/kg/day(雄)、34.3 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で僅かな肝臓影響(重量増加・ALP増加)がみられ、10,000 ppm(281 mg/kg/day(雄)、294 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で活動低下又は食欲不振・体重増加抑制・Chol及びGlu減少・胆管上皮過形成・多発性動脈炎・肝単細胞壊死、削痩・摂餌量減少・類洞白血球増多症(雄)、ALT増加・肝クッパー細胞肥大及び肉芽腫性炎症(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013)、JMPR (2013))。
(3)イヌを用いた混餌投与による1年間慢性毒性試験(GLP)において、200 ppm以上(5.67 mg/kg/day(雄)、6.00 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で軽微な肝臓影響(重量増加・ALP増加(雄))がみられ、1,000 ppm以上(27.0 mg/kg/day(雄)、27.1 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で明瞭な肝臓影響(ALT増加・肝細胞変性(小葉中心部)、ALP増加・肝臓/胆嚢絶対、比重量及び対脳重量比増加・肝門脈域慢性活動性炎症(雌))及び動脈炎(雄)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013)、JMPR (2013))。
(4)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験(GLP)において、2,000 ppm以上(84.8 mg/kg/day(雄)、107 mg/kg/day(雌)、区分2のの範囲又は区分に該当しない範囲)で変異肝細胞巣(明細胞性及び好酸性)(雄)、小葉中心性肝細胞肥大(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013)、JMPR (2013))。

【参考データ等】
(5)マウスを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験において、50 ppm以上(7.2 mg/kg/day(雄)、9.7 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で副腎束状帯小型空胞化(雄)がみられたが、用量相関はなく、副腎に対する影響評価試験では副腎機能障害も形態学的異常もみられなかった。また7,000 ppm(1,090 mg/kg/day(雄)、1,340 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で肝重量増加・小葉中心性肝細胞肥大、肝細胞壊死の増加(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、JMPR (2013))。
(6)マウスを用いた混餌投与による18ヵ月間慢性毒性/がん原性併合試験(GLP)において、1,000 ppm以上(104 mg/kg/day(雄)、131 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で肝臓重量増加及び小葉中心性肝細胞肥大がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2017)、農薬抄録 (2013)、JMPR (2013))。
10 誤えん有害性 分類できない
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
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11 水生環境有害性 長期(慢性) -
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12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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