政府によるGHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 348635-87-0
名称 3-(3-ブロモ-6-フルオロ-2-メチルインドール-1-イルスルホニル)-N,N-ジメチル-1,2,4-トリアゾール-1-スルホンアミド  (別名:アミスルブロム)
物質ID R02-A-017-MHLW, MOE
分類実施年度 令和2年度(2020年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver.2.0))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 分子内に自己反応性に関連する原子団としてスルホニル類を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 200℃以上で分解 (農薬抄録 (2016)) との情報より、常温で発火しないと考えられるため、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019)、EU CLP CLH (2016)、農薬抄録 (2016))
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2019)、EU CLP CLH (2016)、農薬抄録 (2016))
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) からは区分を特定できず、分類できないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): > 2.85 mg/L (死亡例なし) (食安委 農薬評価書 (2019)、EU CLP CLH (2016)、農薬抄録 (2016))
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、観察された所見が一過性で軽微であったことから、区分に該当しないとした。なお、結膜発赤は一旦消失した後、再発により、適用21日間で回復しなかったが、連続的にみられた所見ではないことと、程度が軽微であることから、再発したものについては除外して判断した

【根拠データ】
(1) ウサギ (3例) を用いた眼刺激性試験で、軽度の刺激性 (結膜発赤及び分泌物) がみられ、24/48/72時間後の平均スコアは2未満であった。なお、2/3例では一旦は消失した結膜発赤が再発し、軽微な結膜発赤 (スコア 1) が適用22日後まで持続した (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で、感作性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウス又はラット経口投与の骨髄細胞を用いた小核試験で陰性、ラット経口投与の不定期DNA合成試験で陰性、ラット経口投与のコメットアッセイ (肝細胞、前胃及び腺胃細胞) で陰性、マウス経口投与のコメットアッセイ (肝細胞) で陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性、遺伝子突然変異試験で陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分2とした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (Suggestive Evidence Of Carcinogenic Potential) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on October 2020):2010年分類)、EU CLP分類でCarc.2 (EU CLP分類 (Access on November 2020)) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、雌雄で肝細胞腺腫の有意な増加が認められた。このほか、雌で慢性炎症性変化に起因すると考えられる前胃の扁平上皮乳頭腫、扁平上皮がんが認められた (食安委 農薬評価書 (2019))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、雄で肝細胞腺腫の有意な増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2019))。
7 生殖毒性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) において、雌で卵巣萎縮、繁殖能の低下がみられているが、F1雌の1,810 mg/kg/dayという非常に高用量 (化学物質の生殖毒性試験の通常の限度用量である1,000 mg/kg/dayを超えた用量) でみられた所見であること、生後からの体重増加抑制に関連したと考えられていることから分類根拠としなかった。(2)、(3) の発生毒性試験では胎児に影響が認められていない。従って、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物毒性 (3,000 ppm以上の雌雄で体重増加抑制及び摂餌量減少、F1雌で卵巣萎縮 (有意差なし)、15,000 ppm (P1雌: 1,290 mg/kg/day、F1雌: 1,810 mg/kg/day) のF1雌で生後から持続する顕著な体重増加抑制、生殖器の顕著な萎縮、性周期の異常、下垂体では去勢時と形態が類似した空胞化) がみられ、15,000 ppmで妊娠動物数の減少 (妊娠動物数2例)、F2 の生存児数の減少がみられ、児動物には3,000 ppm以上の雌雄で体重増加抑制、胸腺絶対及び比重量減少、F1雌で性成熟遅延、F2雌で子宮絶対及び比重量減少等がみられた (食安委 農薬評価書 (2019))。なお、この試験でみられた卵巣等に対する影響について各種の追加検討が行われ、本物質が生殖器、性ホルモン及び胎児卵胞に直接影響しないことが確認され、哺育期における著明な体重増加抑制により正常な発育が抑制された結果発現したものと判断されたと報告されている (食安委 農薬評価書 (2019))。
(2) 雌ラットの妊娠6~19日に強制経口投与した発生毒性試験が2件実施されており、最高用量の1,000 mg/kg/dayあるいは1,500 mg/kg/dayにおいても母動物及び胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2019))。
(3) 雌ウサギの妊娠6~28日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (補正体重の低値及び摂餌量減少) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2019))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。実験動物では、吸入経路の試験では、(1) より、標的臓器を特定可能な所見は得られないことから、区分に該当しないと考えられる。しかし、(2) より、脳重量の減少が本物質投与による影響である可能性を否定できないため、分類できないとした。

【根拠データ】
(1) ラットの4時間吸入ばく露試験 (鼻部ばく露) において、2.85 mg/L (区分2の範囲) で死亡例はなく、雌雄で過呼吸、排泄物による被毛の汚れ、被毛の湿潤及び鼻や顎周囲の褐色汚れがみられ、雌で体重増加抑制がみられた (食安委 農薬評価書 (2019)、農薬抄録 (2016))。
(2) ラットを用いた強制経口による急性神経毒性試験 (0、20、200、2,000 mg/kg) において、神経学的検査項目には異常が認められなかったが、2,000 mg/kg (区分2上限) の雄で脳絶対重量の軽度な減少 (7%) が認められた。脳重量は体重の影響等を受けにくい臓器であることから、食安委はこの減少が投与の影響である可能性を否定できないと判断した (食安委 農薬評価書 (2019))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
本物質のヒトでの反復ばく露に関する報告はない。実験動物の経口経路の試験では、(1)、(2) より、区分2までの用量で標的臓器を特定できる毒性所見がないことから、経口経路では区分に該当しないと考えられる。しかし、他経路での毒性情報は不十分またはないことから、分類できないとした。

【根拠データ】
(1) マウスの18ヵ月間混餌投与試験では、800 ppm (雄/雌: 97.8/121 mg/kg/day、区分2の範囲/区分2超) 以上で盲腸粘膜細胞内色素沈着、盲腸粘膜下織及び粘膜下織細静脈壁細胞内色素沈着がみられ、さらに雄では肝絶対及び比重量増加がみられたとの報告がある。盲腸でみられた色素については、ヘモジデリン、リポフスチン、胆汁色素等が疑われたが、特殊染色により同定できなかったと報告されている (食安委 農薬評価書 (2019))。
(2) イヌの1年間カプセル経口投与試験では、100 mg/kg/day (区分2の範囲) 以上で体重増加抑制がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。

【参考データ等】
(3) ラットの21日間経皮ばく露 (閉塞貼付) 試験では、1,000 mg/kg/day (90日換算値: 233 mg/kg/day、区分2超) の雄で体重増加抑制、食餌効率低下がみられたが、雌では毒性所見はみられなかったとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2019))。
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(コイ)96時間LC50 = 0.0229 mg/L(農薬抄録, 2019、EU CLP CLH, 2016)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 0.0139 mg/L(EU CLP CLH, 2016)から、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る